
4月7日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、予算成立の舞台裏をMCの毎日新聞・田中裕之記者、政治ジャーナリストの今野忍記者のダブル政治記者が解説。永田町で話題となっている高市早苗総理のX投稿から読み解く、高市政権にとって「鬼門」とも言われる参議院とパイプ役の重要性に迫ります。
MC田中記者:年度内成立を高市さんは目指していましたけれど、1週間遅れての4月7日ということになりました。1週間遅れたというのは、参議院での審議が時間を要したということなんですけれども。この間、参議院はやはり少数与党だから、かなり国会運営に苦しんだけれども、その中で高市総理の4月5日のX投稿というのが、永田町でちょっと波紋を広げています。
今野記者:5日のX投稿ですね。
MC田中記者:これを読み上げますと、「私が参議院予算委員会の集中審議に応じない意向を示していたとの報道は、全く事実ではありません。 誤報に基づいてメディアでコメントをする方々も居られるようですので、とりあえず事実を簡潔に書かせていただきます。 国会では、予算委員会の日程や私の出席等については『委員長や与野党理事が運びを決める事だが、求めがあれば国会に参る』旨を既に答弁しています。 参議院自民党幹部にも伝えていました。 既に決まっていたインドネシア大統領やフランス大統領との首脳会談時間帯に予算委員会の答弁時間が重ならないように、官房副長官経由でご配慮をお願いした事が曲解されているのかもしれません。」と投稿していました。
つまり、外交日程上をちょっと配慮してくれと、集中審議は総理が出席する予算委員会の重要な審議だけれども、その答弁と重ならないように、官房副長官を通じて配慮をお願いしていたことが曲解されているのかもしれないと高市さんは言っているんですけども。まず、この「官房副長官」とは何よということですね。

今野記者:そうだね。だから高市総理と参院自民党の間で……まずそもそも、参院自民党は野党、主に立憲民主党とやり取りしますよね。与党第一党と野党第一党で(国会日程を)決めますから。で、立憲側は「高市総理が参院予算委員会の集中審議に出てきて答弁をちゃんとやらないと予算は通しませんよ」という話だった。だから参院自民党は総理官邸に「高市さんに出てきてもらわないと、立憲民主党が賛成してくれません。お願いします」と言うわけです。ところが、どうも高市さんが嫌がっているんじゃないかという話が永田町に広がった。集中審議がなかなか決まらないからね。それが広がったことに対して高市さんがXで拒否しているなんて事実はない。ただ外交日程には配慮してね、というのを官房副長官に伝えていた。外交日程としては、3月31日のインドネシアのプラボウォ大統領、4月1日のフランスのマクロン大統領との会談がありましたので。官房副長官に伝えていたので、直接高市総理と参院自民がやったわけではなく、間に人がいますと。人を通じて伝えたその話が曲解されたのではないかと高市総理は言っている。だから官邸側から「予算集中審議をこの日は避けてほしい」という打診があったことは確かなんだよね。「曲解」ということは何かは伝えている訳だから。
だから、その曲解の理由が何なのかだよね。高市総理が言っていることが違うのか、参院自民党の受け取り方が違うのか、間に入った人の伝え方が悪かったのか。どうも聞いていると、この副長官という人がいる。
MC田中記者:佐藤啓官房副長官は高市さんの側近で、元々総務省の官僚です。総務大臣時代の秘書官をやっていました。それで、高市さんと同じ奈良選挙区から出ている。
今野記者:いわば側近というか弟分みたいな存在だよね。高市総理が総務大臣時代に秘書官として仕えていて、能力を買って自分の地元から参院に出しているわけだから。
MC田中記者:高市さんは(佐藤官房副長官)かなり寵愛していて、裏金事件で佐藤副長官の不記載問題があった時も、野党が「副長官人事は認めない」と言ったけれど、高市さんは衆院選で勝つ前のまだ立場が弱い時期でも絶対死守してましたよね。
今野記者:ただ、「伝言ゲーム」の状態になっていたから、ひょっとしたら高市総理がおっしゃっていた「外交日程を考慮してほしい」という話が、ひょっとしたら佐藤さんの方で過剰な忖度というか、「なるべく集中審議なしでやるように」と言ってしまっていた可能性はありますね。
MC田中記者:だから参院自民党の中でも、佐藤副長官に対する評価というのは、高市さんのX投稿を受けてかどうかわからないけれど、ちょっと下がってしまっている。
今野記者:そうなんですよね。高市総理と参院自民の間で、本来なら直接話す場があってもいいんだけど、今は石井準一参院幹事長らとの関係もあって、なかなかそういう状況にない。間に入っている佐藤さんが、高市総理にお世話になっている人だから、強く言えていない可能性はあるよね。
ただ、官房副長官というのは歴代いろいろいましたけれど、なぜそんなに国会と官邸のパイプ役として重要なんですか?

MC田中記者:官房副長官というのは衆議院と参議院で一人ずついるんです。
今野記者:総理官邸の中に、総理大臣の下に官房長官(会社でいうと秘書室長のような存在)がいて、その下に官房副長官が二人。衆院側が尾崎正直さん、参院側が今の佐藤さん。歴代、安倍政権の時も岸田政権の時も、大体総理の側近が就きますよね。
MC田中記者:そうです。安倍政権の時は世耕弘成さんが参議院の官房副長官でした。世耕さんが昔おっしゃっていたのは、「副長官時代にスケジュールが空いた時は必ず参議院国対に顔を出すようにしていた」と。特に用がなくても顔を出して、普段から喋れる関係を作っておくことが、官邸と国対の意思疎通に役立つんだと。
今野記者:まさに官邸と国会のパイプ役が副長官の大事な仕事だね。大体、将来の総理候補と言われるような若手の有望株がつくポストですよね。かつ総理に近い人がつく。
MC田中記者:だいたい中堅・若手がつくから、閣僚経験者などのベテランが務める国対委員長を相手にして立場的に辛い面もあるんだけれども、ここに良い人材がいるとスムーズにいく。
今野記者:別に佐藤さんの能力が低いわけじゃないけれど、やはり経験と人間関係が大事。世耕さんは副長官の後に、岸田政権で参院幹事長になり実力者になる。当時の副長官が岸田総理と参院自民のパイプ役になっていた、今の参院国対委員長の磯崎仁彦さんは、僕も知っていて元全日空の職員で、組織経験もあり温厚で良い方なんだけど、世耕参院幹事長(当時)のもとでパイプ役が参院自民を「出禁」になるという。

MC田中記者:当時は世耕さんが一番参議院で実力があったからキツイですよね。
今野記者:磯崎さんと世耕さんと合わなかったみたいね。世耕さんにしてみれば、ちゃんと役割を果たしていなかったと。
MC田中記者:辛い役割ですよね
今野記者:あれは参議院は独特ですからね。衆院の副長官なら総理や官房長官も衆院だからラインがあるけれど、参院はここのパイプが壊れると何もできなくなる。高市さんも参院の論理があまりよくわかっていない感じだし。
MC田中記者:石破政権の時の青木一彦・参議院副長官は昔「参議院のドン」と呼ばれた青木幹雄さんのご子息なんだけど、参議院自民に一定の影響力がある人だったから、石破政権の参院対策は楽だったでしょうね。
今野記者:磯崎さんの後任の森屋宏さんは山梨の県連会長を今やってんですけど、2025年の参院選で落選しちゃったんです。国民民主党公認で元知事の後藤斎さんに負けて、森屋さんとは僕仲良かったけど、森屋さんは世耕さんと良かった。森屋さんは山梨県議会の議長もやった、割と「党人」だからさ。 あの魑魅魍魎の山梨県の政界を生きてきた人だからそういうのは手慣れててうまく調整してた、「僕の仕事は世耕さんとうまくやることだけだから」って言ってた。
MC田中記者:参議院の官房副長官の最大の仕事かもしれないですね。
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