2025年2月7日に公開されたYouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、今月2日投開票の千代田区長選挙に立候補して次点だったさとうさおり氏をゲストに迎え、MC山本期日前がネット選挙戦略やムーブメントの作り方についてお話を伺いました。
選挙中にムーブメントを起こさないと意味がない!その意図は?
2月2日が投票日だった東京都・千代田区長選は現職の樋口高顕氏が再選する結果となりましたが、次点のさとう氏が6000票以上を獲得したことが選挙界隈で話題を呼びました。
さとう氏が選挙運動に活用していたのがYouTubeです。選挙ドットコムによる独自調査では、昨年10月の衆議院議員選挙に立候補した際も国民民主党の玉木雄一郎氏に次いで再生回数が多かった候補でした。
MC期日前がこの頃から手応えがあったのか尋ねると、さとう氏はむしろ、衆院選期間中には動画が更新できなかったため再生回数や登録者数が伸び悩んでいたと明かします。
さとう氏「(衆院選で)失敗したなと思っていたので、今回の千代田区長選挙では選挙中もみてもらえるように動画を工夫しました」
その一環として、選挙期間中に行った50回の演説すべてで異なる内容を話すという取り組みを実施。これは、街頭演説を見に来た配信者から「同じ話を繰り返していると飽きられてしまう」というアドバイスを受け、実践したものだったといいます。
今回のYouTube戦略を立てるに当たっては、兵庫県知事選挙や名古屋市長選挙なども参考にしたといい、「選挙中に何かしらの訴えをムーブメントとして起こせないと意味がない」ことを学んだといいます。
選挙中の演説をYouTubeに投稿することで、動画を通じて熱量を伝え、聴衆を集める好循環を生み出したと振り返ります。こうした地道な取り組みによって、聴衆やボランティアの輪が徐々に広がっていったとのことです。
さとう氏のYouTubeのメイン視聴者層は35~55歳で、衆院選では女性からの支持が多かったと分析。
子育てや仕事で忙しい現役世代の女性は、街頭演説には足を運べないが、YouTube動画を視聴し、投票を決めたのではないかと推測しました。
今回の千代田区長選でも、ビラを受け取る層は女性が多い印象だったといいます。
さとう氏「やっぱり女性が頑張らないといけないという思いと、同世代の女性から『自分ではできないから託したい』という声を多くいただきました」
さとう氏が千代田区長選の公約として掲げたのが、「千代田を、減税特区に」というスローガンです。これを推進するために「減税党」を立ち上げ、今年6月の東京都議会議員選挙で候補者を擁立すると表明しました。
実は減税政策自体は、昨年の衆院選の時からすでに掲げていたと説明。
他の政党が掲げる減税政策と何が違うのか?
さとう氏は、従来型の減税政策は高所得者層から低所得者層への再分配が基本であるものの、実際には低所得者層には十分に行き渡らず、日本の競争力を低下させる「悪い政策」になっていると指摘しました。
一方で、減税党の考え方は「両方から取らない」というアプローチを採用し、従来の分配型減税政策とは「明確な違いがある」と強調しました。
現在、減税はトレンドとなり、多くの政治家が訴えるテーマになっています。しかし、ネットの視聴者は政策の内容を精査する傾向が強く、根拠が弱いと足元をすくわれる可能性もあるといいます。
MC期日前「今、減税がトレンドになっていて、訴える人も増えていますが、(中略)気軽に減税に手を出すと火傷しますね(笑)」
動画本編ではこのほか、さとう陣営の構成や、さとう氏がどの支持層から票を得たのか、などについても語っています。
ぜひご覧ください。
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