選挙ドットコム

立憲民主党・小川淳也幹事長登場!国会での存在感を高めるキーワードは「政治不信」選挙ドットコムちゃんねるまとめ

2024/12/3

選挙ドットコム編集部

選挙ドットコム編集部

YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。

2024年11月29日に公開された動画のテーマは「立憲民主党 存在感を強めるには?」

立憲民主党・小川淳也幹事長をお招きし、国会での存在感を強めるための課題についてお伺いしました。政策実現に向けた具体的な戦略をお話しいただく中で、浮かび上がってきた課題は「政治不信」。減税に対する考え方についてもお話しいただきました。

【このトピックのポイント】

  • 野党が一致すれば、政策が大きく進められる期待
  • 企業団体献金の問題の所在は?
  • まずは「主権者教育」と政治改革を

常任委員長ポストの獲得で、政策が大きく進む可能性

衆院選の結果、自民党に約50議席差に迫った立憲民主党。

小川淳也氏「1期生が39名ということですごく若返ったし、フレッシュな人が多いので、熱が高まっているというか活気が出ている状況です」

幹事長としてはある種の引き締め、浮かれてはいけないという緊張感も併せ持っていると話す小川氏。

また、立憲民主党が大幅に議席を増やしたことで、予算委員長や法務委員長、憲法審査会長といった常任委員長のポストを獲得したことが大きいと語ります。

小川氏「予算委員会はウソ・ごまかし・言い逃れのオンパレードだったのに、自民党の委員長は注意しなかった。これからはそうはいかない。はぐらかし答弁は許しませんよという委員会運営に変わるかもしれない」

委員会でも「野党が揃えば、野党の意思が理事会の意思となり、委員会でも必要な修正や廃案を迫るパワーをもらったことになる」と力を込めます。

現在、自公・国民民主の3党が「103万円の壁」の見直しで合意しましたが、それ以外のテーマで野党がひとまとめになった場合には、自公が少数派になることで、今まで進まなかった政策が一気に進む可能性があります。

小川氏は、「いつでも出せるように準備しているのは、『学校給食の無償化』『介護福祉関係の従事者の賃上げ』のふたつ。財源の問題は整理しなければならないが、野党が足並みを揃えられるであろう課題で法案を準備をしている」と語ります。

また、来国会には、積年の課題だった「選択的夫婦別姓」も議題に載せられるとコメント。この問題は「自民党の保守派の一部だけ」が反対しており、公明党も賛成していることから、進むことが期待されるといいます。

企業・団体献金の禁止については。

小川氏「野党が揃えば成立する可能性がありますが、国民民主党が全党一致を前提とする立場から、現状ちょっとまだハードルが高い」

企業・団体献金の多くを受けている自民党が賛成するとは思えない中、国民の賛成は大きくても「現状簡単ではない」と厳しい表情です。

小川氏「企業・団体献金以外の政治改革は、石破総理も年内の決着と言っているので、臨時国会で年内に結果を出さないとと思っています」

政治とカネの問題の本質は、企業・団体献金

政治とカネの問題、本質はどこにあるのでしょう。

小川氏「本丸は企業・団体献金。企業にも政治活動の自由があると言いますが、企業には1票がないでしょ。民主制とは、どんな人にも1票を前提にした制度。資金力で政治に対する影響力の多寡が生まれることには一定の制約を設けるべき」

現在、企業・団体献金だけが、大企業で年間1億円までできることになっています。

小川氏は、現実には経団連が斡旋して、日本の名だたる企業が1社あたり5000万〜6000万、自民党にだけ献金を行っていると指摘します。

小川氏「1万2万、5万10万円クラスの献金に目くじらを立てるのは躊躇する。しかし、5000万クラスを経団連の斡旋により、自民党にのみ突っ込まれている状況が政治を歪めてないといったらウソですよね」

小川氏は、政党交付金などを規定した政党助成制度を創設した時点では、企業・団体献金の廃止を超党派で合意したはずなのに、「政治活動の自由」という理由で30年放置してきていることに問題があると指摘。

小川氏「今さら企業にも政治活動の自由があるというきれいごとで済ませられますか?ということを含めて、本丸はそこ」

アメリカでは実質的な企業・団体献金が多いと言われますが、「多くの国では直接の企業・団体献金が禁止されている。アメリカも政治団体を形成して、政治資金を見える形にしているのが多い」と指摘。

企業からの献金が国民に見えにくい形であることで、企業が政治を歪める恐れがあることを懸念します。

「北欧型の社会を目指したい」その真意は?

小川氏「北欧は、強制されていないのに投票率が90%。政治が比較的安定し、社会に安心感と成長力がある。競争力のある福祉国家が出来上がっている」

北欧では、税金を一定払っているけれど、結果が返ってきているので不満ではないことと、政治や政治家を信頼しているという心理が表裏一体となっていると分析。

小川氏「結果として、そうした政治文化がああいう社会風土を作っている。理想としたい」

ここでMC鈴木は立憲民主党の減税に対する考え方の推移に着目。立憲は以前、消費税減税を公約に掲げていた時期もありましたが、今回の衆院選では「給付付き税額控除」によって税負担を軽減する政策を提案していました。小川氏は「減税に反対しているわけではないんです。でも消費税の負担感は減らすべきだと思っていて」と説明します。

小川氏「私が目標とする北欧の消費税率は20%〜25%。ところが食料品は0、水が2、ガソリンが5など、軽減税率が日常品に行き渡っているので、結果として合成税率、実効税率が10%前後。これは、日本とそれほど負担が変わらない」

税の負担感を下げるためには、「税率を下げるのが一番わかりやすい」と前置きしつつ、仮に税率を一律ゼロにすれば、高額所得者により多く返還する形になってしまい、所得の差が広がる可能性があることを指摘します。

「冷静に議論すれば、絶対に負担感を減らす手法は減税よりは給付」と説く小川氏ですが、世論の根底に政治不信が横たわっているために「再分配する前に取らないでくれ、税金を負担したくないという方向に感情的に傾いている」と分析。

「減税の主張しかうけなくなっていること自体が政治の責任であると同時に、社会が劣化し続けている」と危惧します。

ポイントは主権者教育と政治改革

小川氏がベンチマークとする北欧型の政治を目指すためには、主権者教育と政治改革のふたつを掲げます。

小川氏「スウェーデンでは小学校・中学校から主権者教育を行っている。また、日本ではネット選挙が過激化しているが、フィンランドでは幼稚園児からネットのリテラシー教育を始めている」

小川氏は、「日本では学校では政治の話はタブーと家庭で教えられる。それで大きくなった子どもが18歳になったら突然投票に行こうと言われる。考えたことも教わったことも一度もない。そういう大人を作っている国が日本」と指摘します。

政治改革で小川氏が例に挙げたのは、島根県の海士町です。海士町は島民の2割、島の高校生の5割、役場職員の6割が島外から移住した住民で、今日でも人口を減らしていない、数少ない自治体です。

域外から多くの人々を引きつける海士町の改革を始めたのは、前町長の山内道雄氏です。小川氏は、山内氏の動きに島の改革の起点を見ます。

小川氏「町長が給与を半分返上したら、幹部職員も3割返上。職員労働組合まで1割カットを申し出た。島の老人会が敬老補助金を辞退し、島のバス料金を値上げしてくれと言ってきた」

こうして捻出した財源を、町では島外の子どもや大人たちを迎え入れる事業に投資し、島の海産品を域外に出すプロジェクトに充てました。

小川氏は、「革命は辺境より来たるという言葉があるけれど、一番追い込まれているところから一番先に変わっていく可能性を示している」とコメントし、次のように結びました。

小川氏「議員特権でいい思いをしているだろうと思われている限り、改革の起動スイッチが入らない。政治家自ら隗より始めよという、自己規律しかない。だから臨時国会も政治改革の議論を頑張らなければならない」

動画本編はこちら!

衆院選で大躍進の立憲民主党から小川幹事長が登場!国会での戦略は?

選挙ドットコムちゃんねるは毎週火曜日から日曜日に公開!

ぜひ高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします!


【政治家・候補者の写真は無料で掲載できます】
選挙ドットコムの政治家情報には顔写真などを無料で掲載することができます。有権者にとって候補者の写真は重要な情報ですので、掲載を希望される方はこちらのフォームよりお送りください。


政治家限定!
選挙の最新情報をLINEで配信中友だち追加

この記事をシェアする

選挙ドットコム編集部

選挙ドットコム編集部

2023年に年間1億PVを突破した国内最大級の政治・選挙ポータルサイト「選挙ドットコム」を運営しています。元地方議員、元選挙プランナー、大手メディアのニュースサイト制作・編集、地方選挙に関する専門紙記者など様々な経験を持つ『選挙好き』な変わった人々が、『選挙をもっとオモシロク』を合言葉に、選挙や政治家に関連するニュース、コラム、インタビューなど、様々なコンテンツを発信していきます。

選挙ドットコムの最新記事をお届けします

採用情報

記事ランキング

ホーム記事・コラム立憲民主党・小川淳也幹事長登場!国会での存在感を高めるキーワードは「政治不信」選挙ドットコムちゃんねるまとめ

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_white選挙ドットコムHOMEicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twittericon_twitter_whiteicon_youtube