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2024年11月7日に公開された動画のテーマは「アメリカ大統領選 トランプ勝利!勝因は?」
これまで幾度となくアメリカ大統領選や議員選挙の予想を的中させてきた国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏を迎え、今回のアメリカ大統領選について解説いただきます。報道ではトランプ氏圧勝の結果は意外に映りましたが、その裏側にあったものは……?
【このトピックのポイント】

トランプ候補の勝利が即日で判明した、アメリカ大統領選。収録時点の11月7日の段階では、まだ2州の開票結果を待っている状態ですが、獲得票数はトランプ氏294人ということで過半数を得て、当確が出ています。
渡瀬裕哉氏「予測の範囲内ではトランプ氏にとってMAX強い数字が出たので、圧勝といっていいと思います」
勝因は、一番は有色人種の票を確保できたこと、次いで白人労働者の票をより一層取れたことにあります。
渡瀬氏は、州の下の単位である「郡」の集計結果に注目します。日本でいう市町村のような位置づけで、大統領選では郡単位で集計を行います。
渡瀬氏「ペンシルバニア州バックス郡には白人の労働者がすごく住んでいて、トランプはすごく勝っている。ヒスパニックが住んでいるノーザンプトン郡でもかなり良い数字。ノースカロライナ州でも勝っているのですが、人種が多様なところでもなかなか数字がいいんですね」
今回の大統領選では各陣営とも激しいやり取りが続き、分断を生んだと言われていますが、渡瀬氏は「トランプ氏のほうがむしろアメリカ社会を統合して、ハリス氏のほうはエリートとそうでない人の分断を作ってしまった」と指摘します。
渡瀬氏「簡単に言うと、アメリカではハリスさんがいけ好かない人だったと思われたということだと思います」
トランプ氏は、前回選挙でも白人の労働者から支持を集めていました。今回は、それに加えて有色人種やヒスパニック移民の支持を広げたと考えられます。
渡瀬氏は、両党の選挙戦略の差が見られると指摘します。
渡瀬氏「ハリス氏は女性だし、有色人種だし、ポリティカルコレクトネスの塊のような存在。有色人種の女性の大統領候補だから、有色人種の人は当然応援してくれるよね、みたいな感じ」
渡瀬氏は、「米民主党は人の肌で選挙のマーケティングをする」と指摘します。そこには、差別でなく人の価値観を軽視している傾向が見られます。
渡瀬氏「アフリカ系やヒスパニックの人には敬虔なキリスト教徒が多い。敬虔なキリスト教、福音派にとってはLGBTは受け入れられないので、価値観で投票するとなると共和党に投票する人が増える」
また、移民の中でもすでに市民権を獲得した人にとっては、不法移民によって自分の仕事が奪われるかもしれないという拒否感があります。今回の大統領選の結果は、「トランプ氏が政策的、価値観的にちゃんとフォーカスして票を取ったと考えるのが妥当」と、渡瀬氏は指摘します。

これまで数々の米大統領選の予測を的中させてきた渡瀬氏も、今回の大統領選の結果は「出るのが早かった」と映ります。
直前の世論調査で、激戦区とされる「サンベルト」(南部のノースカロライナ州とジョージア州、南西部のアリゾナ州と西部のネバダ州)では、「どちらかというとトランプ」、製造業が集積する「ラストベルト」(東部ペンシルベニア州と中西部のミシガン州とウィスコンシン州)は「微妙にトランプ」ぐらい。ここから、「トランプが勝つかなというのは数字を見ていてもわかる話だったと思う」と振り返ります。
渡瀬氏は「世論調査は過去から民主党側を過大評価する傾向がある」と指摘します。その上で「ラストベルトでこれだけ早々に数字を出して勝つのは大勝といっていい」とし、「ハリスさんの自滅です」と断じます。
こうなった理由は、一般的には民主党の大統領候補がバイデン氏からハリス氏に変えたタイミングが遅かったという意見がありますが、渡瀬氏は民主党の人材不足と、党の左傾化を理由に挙げます。
大統領候補者は基本、州知事がやるもの。州で実績を上げて、その実績をもとに大統領候補になるのが多いとのこと。
ところが民主党では、州として民主党が強い地域の知事がいるものの、「あんまりイケてる州知事がいないんです」と、渡瀬氏は説明します。
一方共和党には、接戦州の州知事がたくさんいます。今回は「人材がたくさんいすぎて目立たないから、トランプで行こうという差があった」と指摘します。
そして、ハリス陣営は、なぜ黒人とヒスパニックの票を取れなかったのか。
渡瀬氏は、「バイデンを最後まで守ったのは、アフリカ系の黒人議員連盟と米ヒスパニック議員連盟」と構図を解説。左派の派閥に推されたハリス氏が出た結果、民主党の中にもしこりが残ったと推察します。

最後に、前回の大統領選では不正選挙の疑いが長期化し、正式な大統領決定が遅くなりました。今回はどうなるのでしょう。
渡瀬氏は、ここにもアメリカの大統領選の特徴があると解説します。
まず、アメリカでは州ごとに公職選挙法がすべて異なります。前回の結果を踏まえ、郵送投票のカウントを早期化する州が増えたとのことですが、
ネバダ州とアリゾナ州では変更しなかったとのこと。しかもネバダ州では、郵送で届いた票の確認作業で筆跡が異なると判定した場合、有権者の自宅を訪問し、再投票を促すとしています。結果、開票が遅くなるのは、法律上やむを得ないことと言えます。
渡瀬氏「ついでに言うとね、不正選挙、なんで不正選挙だって言うと思います?」
アメリカでは、選挙結果に納得せずに不正選挙を訴えると、投票の数え直しが要求できるという制度になっています。渡瀬氏によると、選挙対策本部向けに「選挙が終わった後に、どうやって相手の票を減らすか講座がある」とのこと。
また、アメリカの選挙管理委員会のトップは、州ごとに選挙で選ばれます。
渡瀬氏「選管に色がついている国なのだから、日本人と同じ感覚で見てはいけない。最初のルールを決めたり、相手の票をどうやって減らすかも政治闘争で行うのがアメリカ。不正選挙があるかどうかなんてそもそも論外なんです」
渡瀬氏が「日本からアメリカへ選挙監視団を送った方がいいと思う」と苦笑するほど、「選挙のルールに関してはダメな国だと思っていいと思う」というアメリカですが、今回の選挙が不正で長引くことはないとコメント。すでに2026年の上院下院選挙、2028年の大統領選挙を見据えて、トランプ政権の閣僚人事なども組まれていると予想されます。
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