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2024年7月28日に公開された動画のテーマは「アメリカ大統領選の行方」
ゲストに、自民党・茂木敏充幹事長をお招きする3日目。アメリカ大統領の行方と日本の財政について、豊富なご経験と深い知識をもとに解説。さらにご自身が推す「副業推進」の真意についてもたっぷりお話いただきました。
【このトピックのポイント】
茂木氏のプロフィールは以下の通りです。

茂木敏充衆院議員は、栃木県足利市生まれの68歳。数々の重要ポジションについてこられた、MC鈴木邦和曰く「仕事のできる」方です。
トランプ前大統領に「タフネゴシエーター」と呼ばせた高い事務能力を誇る茂木氏。TPPの署名式で会場となったチリに泊まることなく、0泊4日で戻ってきたというエピソードを「あれはきつかったですね」とサラッと語ります。
そんな茂木氏は、足利の中でも小学校4年生まで、1クラス19人の分校に通っていたという、自称田舎育ち。「エリート街道を歩いてきたわけではない」と苦笑します。また、「時間管理が苦手」と東大の入試に遅刻して合格を勝ち取ったという豪快なエピソードも。
茂木氏には飲用水へのこだわりなどさまざまな都市伝説がありますが、それらの真偽や、若手議員に「意外と敏充」と呼ばれることについて、ユーモアたっぷりに語っていただいています。
今回は以下の質問からいくつかピックアップして茂木氏に回答していただきました。


リラックスした話題の初日、自民党総裁選への出馬を伺った2日目に続き、本日は、アメリカ大統領選のお話からスタートです。
この秋のアメリカ大統領選挙に向け、民主党のバイデン大統領は撤退表明し、共和党のトランプ大統領候補が指名受諾という状況です。茂木氏の見立ては。
バイデン大統領が撤退する予測はあったものの、現職大統領が選挙戦の途中で撤退するのはジョンソン大統領以来、56年ぶり。8月の民主党党大会まで1か月を切る中で、異例のことと言えます。
茂木敏充氏「民主党の中を見ていますと、かなりハリスさんで結束しているなという印象は持ちます」
茂木氏自らTPP交渉で相まみえ、「タフ」と称された共和党・トランプ氏に対しては、先日の暗殺未遂事件で耳に負傷しながら握りこぶしを挙げる姿を見て「トランプさんこそタフだな」と感じたと率直にコメントします。
茂木氏「事件を受けて、共和党がひとつになった。国をひとつにしなければということで、共和党の支持基盤をきちんと広げることになったと思います」
トランプ大統領が再選したら、日本との関係は?
茂木氏は、大統領選までに3か月以上あること、トランプvsバイデンの構図がトランプvsハリスに変わったことから「今の時点でどうなっていくか予測できない」と前提を語ります。
アメリカ大統領選では、選挙のたびに勝つ党が変わる「スイングステート」と呼ばれる7州、とくにミシガン州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州の動向が最終的な結果を決めてきました。
茂木氏「ハリス氏が大統領候補になる前は、この接戦州すべてでトランプ大統領が支持を広げていたんです。アメリカの中の雰囲気は『ほぼトラ(ほぼトランプ)』という感じでしたが、新しい大統領候補になってどうなっていくか、まさにこれから注目ですね」
水内氏は「日本にとってトランプ氏は、恐れなくてもいい相手なのでしょうか」と、トランプ氏の外交力について尋ねます。
茂木氏「二国間の問題と多国間の問題があります。トランプ氏は二国間でディールをするのを好むタイプ」
茂木氏は、これまでの「日米二国間関係に限って言いますと、トランプ大統領になってもうまくマネージできると思っています」と見越します。その根拠は。
共和党は、同盟国にも相応の負担を求める話をしていますが、日本はすでに防衛費も対GDP費2%にするという決定をしています。経済分野でも、日米貿易協定が発効され、経済の関係が深まっています。
茂木氏「中国との関係はかなり緊迫するかもしれませんが、日米においてはないんじゃないかなと思います」
茂木氏は、日米貿易交渉でのやりとりをもとに、トランプ氏との交渉テクニックを語ります。

茂木氏「(トランプ氏対策としては、)氏が何に関心を持っているか、正確に理解することがまず大切なのかなと思っています。その上でどっちが勝つかというゼロサムゲームにしない。双方にメリットがある合意をどう作るかが大切」
茂木氏は、トランプ氏の言うことを受け止めながら、全体で考えてみようかといった方向に持っていき、全体最適解を導いていくことで解決すると語ります。
そして、すでに日米では、安全保障、経済、サイバーなどの関係が深化しているので、心配することはないとも重ねます。
水内氏「トランプさんの独特の性格を踏まえながらやっていくのも、できるようでなかなかできないことだと思うんですよね。ディールはやっぱり大事」
一方で、国際社会全体に関わる問題、公正な通商ルールや地球温暖化対応になると苦労する可能性があるだろうと予測します。
例えば今回、トランプ氏は大統領に就任したら、電気自動車の推進を止めるという方針を既に打ち立てています。8年前、大統領就任初日にTPP離脱を決定した経緯から、今回も実現することが予想されますが……。
茂木氏は、多くのアメリカ国民が、アメリカだけ過度な負担を背負い、国内に資金が回っていないという思いを持っており、その雰囲気を捉えて対応してくると説明します。
茂木氏は以下のポイントを示しながら、議論を重ね合意を引き出していく取り組みが必要だと説明します。

日本の財政についての話題に移ります。増税は必要か、との問いに対し、茂木氏は「増税しなくても財源を捻出する努力が必要」と語ります。それが生産性向上です。
茂木氏「生産性を上げることで、所得や年収を増やして行くことが最優先の課題だと思っています。アメリカは10年で生産性が1割以上アップしました。日本は横ばい。アメリカではどうして生産性が上がったのか」
アメリカでは、この10年でデジタル、グリーン、ヘルスケアなどの成長産業に資金が投入され、人材が流れました。茂木氏は日本でも「デジタル、グリーン、シェアリングエコノミー、スタートアップという成長分野を伸ばすことで生産性を上げ、所得向上につなげることが大切」と説明します。
茂木氏「生産性が上がることは税収増につながるんですよ。税率を上げなくても、生産性が上がると経済が大きくなる。たとえば税収が2%上がれば2.8兆円。今年のこども家庭庁の予算の7割がまかなえます」
MC鈴木邦和「日本で生産性が上がらない原因は?」
茂木氏は、人、資金の話の前に、大切なのは中小企業の生産性を上げることだと説きます。中小企業でのデジタル化による業務改善や、ネットを使った販路拡大などに取り組むなど、「中小企業の生産性の向上は新たな可能性だと思います」と期待します。
その資金源は、個人の金融資産にあると説きます。
茂木氏「個人の金融資産は2200兆円、国の予算の20年分。ところがこの半分以上がタンス預金や銀行預金。これらを経済成長や企業業績に連動する、株式や投資信託に回すことで、スタートアップを含め成長分野に流れていく」
水内氏「資金をどう回すかにも改善の余地があると?」
茂木氏は、家計の資産形成を支援し、貯蓄から投資へ促すNISA制度にその糸口があると語ります。
投資信託協会は2024年2月より、新NISA制度において、公募投資信託は純資産総額の15%を上限に、未上場株を組み入れられる自主ルールを定めました。これは、スタートアップ企業の資金調達環境を改善するために取り決めた、政府の「新しい資本主義実行計画」によるものです。
茂木氏「まだ新しい商品が出ていない。上場3年目くらいの新しいスタートアップや未上場企業の株式を組み込んだ商品が出て、それが買われるようになると、ずいぶん状況が変わってくる」
茂木氏は、この自主ルールが活用されることで、5兆円くらいがスタートアップや未上場企業に流れると期待します。

人材の流動化については、茂木氏は「ハローワークのミッションを変え、もっと積極的に使っていったらいい」と語ります。
現在のハローワークは、雇用安定、主に失業対策が中心です。それを、「それぞれの人が活躍できる職場を探すのがハローワーク最大のミッションだというふうに変えていく」というのがポイントです。
茂木氏「圧倒的に組織としては大きいんですよ。民間企業と比べて。全国に拠点が500か所。職員・相談員3万人。失業していなくても、将来的に転職をしたいと思った人が相談に行ける。キャリアコンサルティングも進めたらいいんじゃないかなと」
副業についても、生産性の向上に寄与するだけでなく、それぞれの能力を発揮する意味で重要であると説きます。

茂木氏「副業のメリットというものもあって。個人が持つ自由な時間をより有効に活用できる。副業することで、本業でのいろんなスキルが上がり、キャリアが上がる。また、副業することによって仕事の選択肢が増えて、副業が本業になる転職が進むなどのメリットがある」
水内氏が、「茂木さんのいう副業は、いろんなものから自由にさせて、さらに別な可能性を作るもの。働きやすいようにする、より適したものにリーチするやりかた」と補足します。
副業での経験が本業でのサービスの充実や、副業を受け入れることで人材不足を解消できます。新たな人材を獲得できるという点で、企業にもメリットがあります。もちろん「強制ではありませんよ」ともコメント。
水内氏「僕も選挙ドットコムに出演することで、やっぱり新しい世界をいろいろ知りましたもんね」
背景には、個人がひとつの組織で給料を上げていくことが難しいということがあるという議論に移ります。海外では転職することで給料を上げることが一般的です。そのためには新しい仕事をする。まずは副業をして、スキルの幅を広げることから始めてはどうかという意見です。
茂木氏は、個人の努力もさることながら、企業が生産性を高めることで業績を上げ、給与を払える利益を確保することが先だと説きます。
個性を活かし、誰もが活躍できるようにするには、終身雇用制も阻害要因だと指摘します。改革には規制の改革も必要で、そこには政治のリーダーシップが必要です。
茂木氏「人生100年時代に入り、マルチパスになっていく。今のままの雇用制度でいいのか。ハローワークのミッションを変えること、社会保障の制度も、人生100年時代にあった制度に変えていく取り組みが必要」
MC鈴木は、人生のスパンが長くなったのに、社会の制度が追いつけていないと総括。「前提が変わっているのにルールが変わっていないのがうまくいっていない要因だと感じます」とまとめました。

最後に、水内氏から「どうしても」という声で、スタートアップに関する話に移りました。
日本ではGAFAのような企業が出てこず、「同じ顔ぶれで30年やってきた」現状があります。スタートアップの伸びが十分でないのはいったい?
茂木氏は、「成長産業の育成や、経済の新陳代謝が遅れているのは間違いないと思います」とコメント。国としても、資金や人材を投入する取り組みが必要。スタートアップが伸びる環境整備を行っていると説明します。
政治の介入に対して抵抗はあるのでしょうか。
茂木氏「スタートアップが伸びることでどこまでの抵抗があるのかというと、そうでもないと思います」
いいビジネスモデルならお金が集まるようになっていますが、現状では資金が潤沢に回っておらず、人材に好待遇が示せていない点については。
茂木氏「副業で始める人がいてもいいんだと思います。スタートアップを始める人自体が副業かもしれない。最終的にはスタートアップの成長とともにフルタイムになっていくこともあってもいいでしょう」
以上、ネット上の「茂木伝説」の検証から、外交・財政問題まで幅広くお話いただいた3日間となりました。
水内氏・MC鈴木「茂木さん、総裁選に出ると決めたらまた出演してください!」
茂木氏「あの……ボール引くのけっこう緊張するんですよね(苦笑)」
トランプ攻略法から日本のスタートアップ成長戦略まで!茂木幹事長がたっぷり解説!
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