YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。
2024年7月27日に公開された動画のテーマは「自民党総裁選への立候補の可能性」。
自由民主党・茂木敏充幹事長が、総裁選のあるべき姿や岸田政権の振り返りについて解説します。自身のリーダーシップスタイルについて言及しますが、総裁選には出馬するのでしょうか?飛び出した「期待にはいつか応えないといけない」発言とは?
【このトピックのポイント】
茂木氏のプロフィールは以下の通りです。
茂木敏充衆院議員は、栃木県足利市生まれの68歳。数々の重要ポジションについてこられた、MC鈴木邦和曰く「仕事のできる」方です。
TPPの署名式で会場となったチリに泊まることなく、0泊4日で戻ってきたというエピソードを「あれはきつかったですね」とサラッと語ります。
そんな茂木氏は、足利の中でも小学校4年生まで、1クラス19人の分校に通っていたという、自称田舎育ち。「エリート街道を歩いてきたわけではない」と苦笑します。また、東大の入試に遅刻して合格を勝ち取ったという豪快なエピソードも。
茂木氏には、仕事に厳しいというだけでなく、飲用水へのこだわりなどさまざまな都市伝説がありますが、それらの真偽や、若手議員に「意外と敏充」と呼ばれることについて、ユーモアたっぷりに語っていただいています。
茂木氏とは野党時代からの縁だという産経新聞・水内氏は「軽やかに経歴を積んでいらっしゃるイメージ。今の政策にもかなり影響されているのかなと思います」と紹介します。
今回は以下の質問からいくつかピックアップして茂木氏に回答していただきました。
都知事選で、石丸伸二候補がYouTubeを活用して得票を集めたことについて、茂木氏は「選挙が始まる前より、多くの票を取ったと捉えている」と語ります。
また、茂木氏は「石丸現象」の特徴を次の2点から説明し、既存の政党に不信感を高めていた有権者に一気に浸透したと分析します。
ゲストの産経新聞デジタル報道部政治担当デスク・水内茂幸氏は、石丸氏の選挙活動での「途中からのアップ(上向き)のベクトルはすごかった」と評価します。
水内茂幸氏「既存メディアの代表から言うと、僕らも(石丸氏が)ここまで来るとは思わなかった。均等に報道していた部分があるが、有権者はそういうものに飽きてしまって、YouTubeを見て相乗効果的に増えていったのかな」
茂木氏は、同時期に行われた都議補選の応援で江東区に行ったと振り返ります。
茂木敏充氏「江東区豊洲や有明、タワーマンションが建っている地域で、新しい、若い住民の間で人気があるという話を聞いた。思った以上なんだなと」
選挙の「ベクトル」については、「始まった時にどちらが上に行っているかも重要だが、ベクトルが上を向いているか下を向いているかで逆転現象が起こりうる。ベクトルがどちらを向いているかがより重要」と説明します。
MC鈴木邦和「ベクトルを判断する、上を向かせるために見ているポイントは?」
茂木氏「実際に、有権者に接することですね。雰囲気によって変わってくるところがあります」
茂木氏は、駅前など、決まったところで街頭演説を行うと、定点観測ができると説明します。
たとえば、小泉内閣での郵政選挙ではものすごい熱気だったが、民主党への政権交代選挙の時は、街頭演説を聴く人の人数が半分になり、「みんな通り過ぎちゃった」と語ります。
茂木氏「定点観測するとよくわかる。(政権交代選挙の時)ひとりずっと熱心に聞いてくれている方がいたんですよ。ありがたいなと思って。最後まで聞いてくれて、こういう人もいるんだと思ったら、演説が終わったら……バツとか出されて(苦笑)」
また、都知事選や、この春の衆院補選東京15区では、公職選挙法についての問題もあらわになりました。
演説の妨害やポスターの問題、政見放送の内容など、公職選挙法に一定の規律は必要ではないかという水内氏に対し、茂木氏は「公営掲示板や政見放送のあり方も含め、与党で議論している。秋の臨時国会でできれば改正する必要がある」とコメントしました。
また、YouTubeのいわゆる「切り抜き屋」と呼ばれる、特定の場面を切り抜いて自身のチャンネルでアップロードする人々について。
再生回数が多くなると収入が入ることから、ビジネス的に参入してきた人もいます。立憲民主党の議論で、収益性のあるYouTubeなどを規制する案もあるそうですが。
茂木氏は「選挙活動の自由は、ある程度確保するのが基本だと思う」と冷静にかまえつつ、最低限の規律は必要という考えを示します。
茂木氏「何が行きすぎている活動なのか。公営掲示板に貼る権利を売買するのはおかしい。最低限の規律はきちっと保っていかなければならない」
続いてのテーマは、自民党総裁選への立候補の可能性についてです。
最近、茂木氏が「最初に手を挙げることはない」とコメントしたと報道されていますが、立候補の可能性は……?
茂木氏「今はボールを引いて5番が出た時に『一番嫌なのを引いたなあ』と思いました(苦笑)」
茂木氏は、自身の立候補の可能性はさておき、総裁選をめぐる状況を解説します。
自民党の総裁選は、3年に1度行われます。茂木氏は、自民党に対しいろいろな批判がある一方で、物価高や少子化・人口減少の問題、日本を取り巻く安全保障環境といった問題を提示し、現状を「戦後もっとも複雑で厳しいものになっている」と定義します。
茂木氏は、多くの立候補者が政策論争を戦わせ、自民党の層の厚さを示すべきだという考えを示します。
水内氏「岸田総理は再選を目指しているように見えるが、党内に厳しい声もある。幹事長で支えてこられた立場、葛藤があると思うが?」
茂木氏は、岸田総理の3年間として以下を示し「岸田政権では、さまざまな政策を実現したのは間違いない」と説明。自身も、岸田総理、麻生太郎副総裁と相談しながら政権運営、党運営に当たって来たとコメントします。
茂木氏「一昨年の夏はちょうど参院選挙。改選で過半数を得る成果を上げたが、その後統一教会の問題があって大変な時期、今年は政治資金の問題。誰がやっても、厳しい政権運営になっていたのは間違いない」
水内氏は、岸田総理の実行力が行きすぎて「みんなで決めたことを飛び越えて決断することがある」と指摘します。
水内氏「茂木幹事長はピュア。この結論を出してと言われると、ちゃんと答えを出す方。それで出したのに、その上にどんと答えが来られるとこの野郎と思っちゃうところが……?」
茂木氏「別にこの野郎とは思ってないです(笑)政治家ですからそれぞれに個性が違う。岸田総理、麻生副総裁、私のあいだでもすべて意見が一致するわけではない。これからも政権運営をやっていこうという点では考えが一緒。よく相談しながらやっていきたい」
MC鈴木「茂木さんが仮に総理大臣の仕事をするとしたら、どういうトップでありたい?」
茂木氏「トップということでいいますと、大臣も省庁のトップになります。大きな方向性はトップが示す。その上で、実際の仕事は現場に任せる。その代わり、最終的な責任は自分が負うんだ。しっかり責任を持つからには、チームのメンバーも相談してきますし、そういうやり方がいちばんいいんじゃないかなと思います」
派閥がなくなることで、総裁選へ大きな影響があるという声がささやかれる中、茂木氏は「世間のイメージとは違う」と答えます。
茂木氏「2021年の総裁選も、7つの派閥が自民党内にありましたが、岸田さんのところ以外は自主投票で、誰かひとりに決めたことはなかったです」
茂木氏「派閥が中心になって総裁選をやるのは50年前。『三角大福中』の頃は派閥単位で骨肉の争いをやっていたかもしれないが、最近はかなり自由」
では、派閥が解消した結果、より自由に、政策論争で選ばれる選挙になるのでしょうか。その点に関して茂木氏は、次のように語ります。
茂木氏「それぞれの関係やいろんなものがある。誰をよく知っているか、その人の政策や考え方に共鳴するというんで、仲間の集まりとかできるものですから、まったく個々人が勝手にと言うよりは、今までの関係を、それぞれの議員は考えると思います」
なかなか自身の立候補について旗色を鮮明にしてくださらない茂木氏に、水内氏が「総理になりたくてなるわけじゃないとしても、出てくださいと言う人がいるのでは?」と追及します。
茂木氏「若手を含め、仲間の議員がいます。また、国会議員として32年活動してきて、地元含めて期待してくれる方がいる。皆さんの期待にはいつか応えなければいけない」
立候補表明については、どの候補予定者も、告示直前までいろんなことを考えるのでしょうか。茂木氏は、「いろんなことを考えるというより、いろんなことが起こるんだと思います」とし、8月になったらヨーイドンという話ではないと見立てます。
茂木氏「アメリカの大統領選を見てもそうですよね。2か月前にバイデンさんが撤退して、ハリス副大統領が新たな候補者になると、そこまで想定した人はいないのではないでしょうか」
MC鈴木「一般の有権者からすると、ちゃんと仕事をしてくれる人が総理として選ばれてほしいし、それがわかる総裁選になってほしい。政策の議論をして、この人の政策がいいと、みんなが判断できるようになってほしい」
水内氏は「総裁選で議論したことが、次の衆院選でまさに自民党として問うてくるものになる」と重ねます。
茂木氏は「それぞれ大きなテーマに対し、しっかりした議論ができることが大切なんじゃないかなと思います」と締めくくりました。
自民・茂木幹事長、総裁選への立候補は?岸田政権の評価を振り返る!
選挙ドットコムちゃんねるは毎週火曜日から日曜日に公開!
ぜひ高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします!
【政治家・候補者の写真は無料で掲載できます】
選挙ドットコムの政治家情報には顔写真などを無料で掲載することができます。有権者にとって候補者の写真は重要な情報ですので、掲載を希望される方はこちらのフォームよりお送りください。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします
My選挙
あなたの選挙区はどこですか? 会員登録をしてもっと楽しく、便利に。
話題のキーワード