2016年11月に行われる米大統領選挙。有名人の立候補や候補者間の罵り合いなどで話題には事欠きませんが、中でも興味深いのが「候補者のグッズ販売」です。日本と違いアメリカでは候補者の名前入りのTシャツを着たり、車に大きく候補者の名前のステッカーを貼り付けたりするのはよく見られる風景です。
各候補者のウェブショップをのぞいてみると、それぞれの個性が出て面白いラインナップになっています。今回は、米大統領選候補者のウェブショップをいくつかご紹介いたします。
https://shop.hillaryclinton.com/
まずは2016年度大統領選の大本命、ヒラリー・クリント氏のショップ。
アパレルショップはまるで、ブランドのオンラインショップのようなコレクションの充実振り。デザインの種類で検索がかけられます。あくまでもヒラリー氏「H」のロゴをファッションの一部として、ハイセンスに展開する方向のようで、セールも行われています。
ヒラリー氏の若かりし頃のプリントTシャツには「イェーイ、ヒラリー!」と書かれています。現在67歳のヒラリー氏顔写真がプリントされた商品はないようです。
その中でもFuture Voter One-Piece(未来の有権者 ロンパース)のデザインがとってもかわいい!
大統領選立候補者のいやらしい宣伝にはなっておらず、どんな赤ちゃんが着ても素敵に着こなせそうです。知り合いのお子さんにアメリカ土産としていかがでしょうか?特にイニシャルが「H」のお子さんには喜ばれること請け合いです。
(しかし、日本のみなさまには残念なお知らせです。世界中への発送を行っているヒラリー氏のウェブショップは近隣アジア諸国、中国、韓国、台湾、香港、フィリピンへの国際配送に対応しているにもかかわらず、日本だけが対応国リストに載っていないという事実が判明しました。どうしても欲しい!という方は、アメリカにいるお友達に頼んでみましょう。)
押しも押されもせぬアメリカ大統領世界のサラブレッド、ジェブ・ブッシュ氏のショップで最初に目を奪われるのがワカモレ(グアカモレ)ボール!
ワカモレ(グアカモレ)とは、みなさんも大好きなアボカドディップのことですが、なぜジェブ氏がワカモレを作るためのすり鉢を、大統領選用ウェブサイト上で販売するのか?
(ワカモレ:参考写真 フリッカー・クリエイティブコモンズより)
何を隠そう、ジェブ氏の奥様コルンバはメキシコ人。更にはテキサス州やフロリダ州など、メキシコ国境と近い州で生活してきたジェブ氏にとって、メキシカンフードは欠かせないものなのでしょう。Guaca Bowleの説明にはこう書かれています。
「ジェブとコルンバは日曜にワカモレを手早く作るのが大好き。あなたもこのボールがあればそんなワカモレ作りが可能に。ジェブの秘密レシピ…は、まだ付いてないけどね。」
75USドル(現時点で約9,000円)というお値段。特にJebとのロゴも入っているようには見えず、なぜここですり鉢の販売、購入がされる必要があるのか謎ですが、ヒスパニック系市民の獲得が狙いというところでしょうか。
マシンガンでベーコンを焼くというおバカ動画を公開したことで話題になったテキサス州選出の上院議員テッド・クルーズ氏ですが、ウェブショップでも過激な商品を販売しています。
「Blacklisted & loving it Poster」(「ブラックリスト入り、気に入ったぜ」ポスター)
50USドル(現時点で約6,000円)です。マシンガンベーコンもそうですが、相変わらずクルーズ氏は大統領選をクリーンなイメージで勝ち抜こうとは思っていない模様?
このポスターはSABOというLAのストリートアーティストの作品で、この体はクルーズ氏本人のものではありません。クルーズ氏が、自身のウェブサイトで販売するくらいですから、クルーズ氏本人も本作品の芸術性を認めています。しかし、クルーズ氏は「タバコは吸わないんだけど。」とだけはSABO氏に伝えたそうです。
それ以外のグッズは、なんとも地味でインパクトのないコレクションになっています。
派手で目立つのが大好きなトランプ氏の割に、ラインナップは意外に普通です。
しかし、なぜかやたらキャップが充実。
頭部に異常なこだわりがあるトランプ氏ならでは、ディテールにもこだわりたいというところでしょうか。
フロリダ州選出上院議員のマルコ・ルビオ氏のショップでは、メンバーシップ(会員資格)を販売中です。
プラチナ会員200ドル(約24000円)、ゴールド会員100ドル(約12000円)、シルバー会員50ドル(約6000円)の3段階で、プラチナ会員特典は、ストア全商品20%オフ、全選挙運動大会の自動参加登録、マルコ・ポロシャツ(5400円相当)、毎月の選挙活動報告、公式メンバーズカード発行等が含まれます。ランクが下がるごとにディスカウントの割合や、もらえる商品が変わってきます。
ランド・ポール氏のショップには、アクセサリー、衣服、カー用品の他に「ヒラリー」というカテゴリーがあります。要するに「反・ヒラリー」を訴えるためのグッズです。『ヒラリーではなく、リバティー(自由)を!』というコンセプトで打倒ヒラリーを訴えています。
ランド・ポール氏は、その他にもカー用品が充実。車に支援する候補者の名前のステッカーを貼って走るとはまさにアメリカ!という感じです。
2016年大統領選に出馬している候補者全員がグッズ販売をしているわけではありませんが、有権者をひっくるめて宣伝活動を行うためには、Tシャツやステッカー等の販売は候補者にとって必要不可欠な手段となっています。選挙運営費用調達という点でも有効なのかもしれません。
もし日本から応援したい候補者がいれば、おしゃれにそのTシャツを着こなしてアメリカ人有権者の気分を味わうのも楽しいかもしれません。
※日本では公選法の規制もあって、候補者の名前や顔写真の入ったグッズの販売は一般的ではありません。過去には2001年に民主党から発売された鳩山ゆきお氏の携帯ストラップ「ゆきおちゃん」が当時1週間で売り切れ、増産するなど話題になったこともありました。
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