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2024年10月26日に公開された動画では、ゲストに日本共産党・山下芳生副委員長をお迎えして、選挙制度や戦略、野党共闘ができなかった理由、最低賃金1500円を実現する方法などを伺いました。
【このトピックのポイント】
最初の質問は、17歳の共産党ウォッチャー兼支持者の方からの質問です。
貴重な議席源となっている比例について、地元に根ざして支持を集める候補を国会に送り、小選挙区で勝てるまでに育てるためにも、重複立候補を増やし、逆に現在比例単独で立候補されている方々ももっと積極的に選挙区で勝負すべきではないかと考えます。
今のような比例名簿の形態をとる理由を教えていただきたいです。
MC伊藤由佳莉「非常に具体的な質問をいただきました。17歳なので、今年か来年、選挙権を得られる方です」
山下芳生氏「ありがとうございます。今の私たちの選挙のやり方を説明する前に、衆議院選挙の制度からお話しします」
現在の衆議院選挙の制度は、小選挙区制が中心です。
小選挙区制は、1番目になった党が4割台の得票で議席の7~8割を占める一方で、議席に結びつかない死票が各小選挙区ごとに半分あるため、「民意が歪められる選挙制度」だと山下氏は指摘します。
山下氏は「私たちは、選挙制度にとって1番必要なのは、民意を正確に議席に反映することだと考えていますので、小選挙区制を廃止して、1票1票が全て議席に結びつく、比例代表中心の選挙制度に改めるべきだという提案をしています」と選挙制度について語りました。
前回の衆議院選では、共産党は10議席、小選挙区で当選したのは、沖縄1区の赤嶺政賢さん一人だけ。共産党が躍進して21議席を獲得した2014年の衆議院選挙でも、小選挙区の当選者は赤嶺さんだけでした。
「私たちにとっては比例代表が主戦場。ここでどうやって票を伸ばし、議席を増やすのかが一番」と山下氏は力を込めます。
MC伊藤「共産党さんの方針としても、比例が軸ということですね」
「今、頑張れば比例で議席を伸ばすことができる状況にあります」と語る山下氏は「日本共産党が伸びれば、政治は必ず変わります」と訴えます。
自民党・公明党は裏金問題で伸び悩み、維新も万博などで逆風です。
裏金を明らかにしたのは「しんぶん赤旗」がきっかけであり、共産党の国会議員が追及してきました。
「裏金政治の大掃除の1番の力になります」と山下氏は語りました。
MC伊藤「別の方からの質問です。私が住む地域では、共産党の候補者に加えて、立憲民主党の候補者も立候補しています。野党共闘を進めることができなかった背景は何でしょうか?」
山下氏は、野党共闘は2015年に「安保法制」が強行されたのがスタート地点だと解説します。
それまでの国政選挙では、日米安保条約や消費税に対する立場が違うので共闘は邪道だと言っていました。
しかし「憲法をひっくり返して、何をやっても許されるなら、もう独裁政治ですから、それだけは許してはならない、『安倍政権を倒そう、安保法制は廃止』で、共闘で選挙をやろうと踏み切った」と山下氏は共闘した当時を振り返ります。
今回は、立憲民主党とは共闘のきっかけとなった「安保法制の廃止」についても一致がなかなか難しくなり「お互いいろんな角度から、山ののぼり方は違うけど、同じ目標だ」として、それぞれが戦うことに。
山下氏「野党全体が頑張って自民党を追い詰めているという状況になっている」
MC伊藤「最低賃金の話も、今回の注目ポイントとして上がっていますが、いかがでしょうか?」
先日、読売新聞に、中小企業には時給1500円をやる力がない、中小企業をどう支援するのかを具体的に言ってほしいという主旨の社説が載りました。
山下氏「中小企業で働く人たちが7割いる。最低賃金を引き上げて時給1500円にしようと思ったら、中小企業が賃上げができるように、中小企業に対する賃上げの直接支援をやる必要がある」
党首討論で、共産党の田村智子委員長は石破総理に「中小企業支援が大事だ」と言った際、石破総理は「日本は全体主義国家ではないから企業に対する直接の国の支援はできません」と回答。
その回答に「ビックリした」と山下氏。
アベノミクスでは、大企業に減税をした結果、利益が非常に増え、内部留保が200兆円も増加。
「大企業にはやりながら、中小企業には、全体主義国家を持ち出して拒否するのは道理がない」と山下氏は言い切ります。
共産党は、アベノミクスで増えた内部留保の一部に5年間限定で税金をかけて、中小企業の最低賃金を支援する財源を確保する政策を掲げています。
山下氏「月20万円、時給1500円は今すぐ実現する必要がある」
読売新聞の社説に、唯一答えを出しているのは日本共産党だと語りました。
まだ質問をいろいろいただいていますので、答えていただきたいと思います。
MC伊藤「今、新党で右寄りの考え方を持つ政党も出ています。新党についての有権者の動きはどう映っていますか?」
山下氏「今、暮らしが大変深刻です。労働者の実質賃金は、96年、97年から考えると年間70万円ぐらい減っています。アベノミクス以降でも、年間33万円減っています。いくら働いても、暮らしが良くならない、閉塞感、不安感が理由ですかね」
アベノミクスの異次元の金融緩和で株価が上がり、大企業や富裕層は資産を増やしました。
一方、円安になり、食料品やエネルギーの価格が上がり、庶民は青色吐息に……。
山下氏は「大企業の法人税を引き下げて、その穴埋めにアベノミクスで消費税を2回大増税をした」ので、これは「政治災害、人災だと言っていい」と言及。「大企業応援の政治が国民の暮らし応援に切り替われば、希望が出てくる」と訴えました。
MC伊藤「衆議院選での動画やホームページにこだわりを感じます。PR系は誰が考えていますか?」
山下氏「私も誰かは知りませんが、いろんな人がやっている」
JCPサポーター、特に若い人達の中には動画編集が得意な方もいて「そういう方の力をお借りしながら、いろんなコンテンツが出てきている」と答えました。
MC伊藤「石川県能登地方での復興支援は予備費の積み増しなんでしょうか?」
山下氏「この国の復旧復興の取り組みは、私も切り捨てになっているんじゃないかと思います」
予備費で対応するのはその現れであり、しっかりと補正予算を組んで最優先で復興にあたる必要があると訴えます。
「今、被災地の方は、選挙をやっている場合じゃないと思います。こういう日程で選挙をやること自体、被災地に対する向き合い方が現れている」と非難の声を上げました。
MC伊藤「よしキッチンの衆院選版の企画はありますか?」
「よしキッチン」とは、山下氏が料理を作りながら政治の話をする動画です。
山下氏は「選挙本番中で、外食が中心になっていて……」と苦笑。
「私、どこに行ってもそう言われるんです。ちょっと考えます」と答えました。
MC伊藤「共産党は民主主義を守ると言いながら、事実上の独裁体制になっていませんか?」
山下氏は「これはかなり誤解されているな」と答えます。
1月に党の最高機関の党大会が開催されました。
党大会に図る決議案は、2カ月前から1万数千の支部で議論を積み上げています。また、少数意見も全ての人が見られるよう冊子を作り発行。
民主的な討論を行い方針を練り上げているので「独裁じゃなくて、みんなで決めたことをみんなで実行するのは政党として当たり前のあり方」と語りました。
山下氏「総選挙は国民の手で政治を動かすことができる大事な機会」
暮らしを守り、裏金を追及し、日本とアジアの平和を作る道を具体的に展望している日本共産党に託していただきたいと、訴えました。
動画本編はこちら!
最低賃金1500円を実現できるの?共産党が訴える具体的な政策とは?!
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