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【衆院選2024】京都市の人口と同じくらいの票が消えているって知ってた?無効票の話(原口和徳)

2024/10/25

原口和徳

原口和徳

衆議院議員総選挙(以下、衆院選)は27日に投開票日を迎えます。過去3回の衆院選がいずれも歴代ワースト3の投票率を記録していることもあり、選挙の際の「投票に行こう」という呼びかけも様々な形、内容で行われるようになってきています。

なかには、「投票したい人がいなければ、無効票(白紙)だけでも投票するべき」といった意見を目にすることもありますが、無効票って実際どれくらいあるのでしょうか。

前回衆院選の無効票は144万票。京都市に暮らす人と同じくらいの規模

前回衆院選において、小選挙区で投じられた無効票の数は144.3万票、比例代表では142.5万票でした。

これは都道府県では沖縄県(147.0万人)や滋賀県(140.5万人)、政令市では京都市(144.1万人)やさいたま市(134.5万人)と同程度となっています。(各自治体の人口は、2024年1月1日時点のもの)

無効票の割合は減少傾向

図表1では、投票総数に対する無効票の割合の推移をまとめています。

図表1_衆議院議員総選挙における無効投票の推移

最も高いときで3.3%、204万票を記録した無効投票(小選挙区)も3回続けて無効票の割合は低下しています。また比例代表でも、最近は2%台前半と無効投票の割合は落ち着いています。

なお、比較対象として都道府県の人口を用いると、多いほうから順に並べたときに16番目となる長野県の人口が200.4万人となっています。

また、無効となった要因は、白紙投票(小選挙区59.1%、比例代表61.1%)、単に雑事を記載したもの(小選挙区24.0%、比例代表22.8%)でした。

無効投票率が高い地域は関西地方

図表2では、小選挙区での無効投票率について都道府県別に比較しています。

図表2_都道府県別無効投票率

無効投票率は高いほうから順に、奈良県(3.58%)、大阪府(3.57%)、和歌山県(3.30%)、東京都(3.12%)、富山県と兵庫県(共に3.04%)と、関西地方で高くなっています。

なお、過去3回の衆院選での無効投票率がすべて上位10位以内となっている都道府県は、大阪府(2位→2位→2位)や兵庫県(6位→5位→6位)、東京都(8位→6位→4位)、福岡県(4位→8位→8位)、群馬県(5位→3位→7位)の5都府県となっています。

無効票に期待される効果

無効票を投じることにはどのような意味があるのでしょうか。

無効投票が多くあると、特に接戦の選挙区では当選した政治家に対して「次の選挙で無効票が対立候補に流れたら落選するかもしれない」と緊張感を与えることが期待できます。

衆院選(小選挙区)では、おおむね1割弱の選挙区において、有権者の1%の規模で当選者が変わるほどの接戦となっていますので、無効票が緊張感をもたらすことが期待されます。

【関連記事】有権者の1%で1割弱の小選挙区は結果が変わる!知っておきたい1票の影響力(原口和徳)

しかし、無効票は選挙の結果自体には影響しないため、その効果はどうしても限定的なものとなってしまいます。

自分にとって最も好ましい候補者に当選の可能性がないときはどうする?

無効票を投じるために投票所に行き、投票するだけでも尊いことですが、もう一歩踏み込んだ対応も考えられます。

「戦略投票」と呼ばれる行動では、各候補者の当選する可能性を考慮に入れて投票先を決めていきます。仮に自身にとって最も好ましい候補者に当選できる可能性がなかったとしても、2番目に好ましいと思う候補者ならば当選できる可能性がある場合などに、次善の候補者に投票するものです。

衆院選は、小選挙区比例代表並立制ですので、小選挙区では戦略投票を行い、比例代表では自身が最も好ましいと思った政党に票を投じるといった形で、自身の意思を示すこともできます。この場合は、開票結果から戦略投票が行われた可能性を推し量ることが可能です。このことは、政治家に「必ずしも自分が最も支持されている候補者ではなかったのかもしれない。(次は、選ばれなくなるかもしれない)」とより大きなプレッシャーを与えることも期待されます。

「よりましな候補者を選ぶ」ということ

選挙で問われる論点が多岐にわたることからもわかるように、主義主張が自身と一致し、期待される行動力も自身の期待値を上回るような政治家に自身の選挙区で出会い、投票できることはほぼありません。

ある意味、投票することは誰にとっても「よりましな(より悪くない)」者を選ぶ行為でもあります。

もし、自分の思いを反映してくれる人がいないから無効票を投じようかな(場合によっては投票自体を棄権しようかな)という人がいたとしたら、あなたもほかの人と同じように「よりましな人」を探してみませんか。

2012年には小選挙区で200万票を超えていた無効票も、過去3回ほど減少を続け、やっと144万票となりました。今回衆院選ではさらに無効票の数が減ることになるかどうか、注目されます。


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原口和徳

原口和徳

けんみん会議/埼玉ローカル・マニフェスト推進ネットワーク 1982年埼玉県熊谷市出身。中央大学大学院公共政策研究科修了。早稲田大学マニフェスト研究所 議会改革調査部会スタッフとして、全国の議会改革の動向調査などを経験したのち、現所属にて市民の立場からのマニフェストの活用、主権者教育などの活動を行っている。

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