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2024年10月16日に公開された動画のテーマは「調査から読み解く 裏金議員は苦戦する?」
選挙ドットコムとJX通信社が実施する、独自の調査結果を読み解きます。派閥の政治資金パーティー収入不記載問題、いわゆる「裏金問題」で新たに非公認に追加された議員の特徴は?与党を追い込むチャンスの中、野党が候補を一本化できない理由は?JX通信社の米重克洋氏に解説いただきました。
【このトピックのポイント】
まずは、ニュースに大きく取り上げられた、政治資金収支報告書への不記載が問題となった議員の処遇についてです。
問:自民党が次の衆院選で、政治資金収支報告書の不記載が問題となった議員の一部を公認しない方針を打ち出しました。こちらについてどう思いますか。
まずは直近の流れをJX通信社の米重氏が説明します。
当初の「処分は厳しいことにならないのではないか」という観測から、一転して石破総裁が非公認などを打ち出し、厳しい処置を印象づけるような方向に向かいました。
しかし世論では、それでも甘い、手加減しているといった批判が絶えません。米重氏は、「今回の総選挙では、引き続き、政治とカネの問題が論点になることは間違いない」と分析しました。
選択肢は、厳しすぎる/妥当だ/甘すぎる/わからないの4つ。
ネットでも電話でも「妥当だ」と「甘すぎる」が拮抗しています。この調査はネットと電話でのハイブリッドで実施していますが、ネットに比べ若干高齢の方が多い電話のほうが、より厳しい意見が多く見られます。
石破総理の決断については、半分近くが「甘すぎる」と評価。それほど良くは受け入れられていない状況がうかがえます。
米重氏は、自民党の中には「一度処分をしたのだから、二重に処分をするのは避けるべき」とする意見もあることを紹介。
米重克洋氏「自民党内の調査や物事の整理自体が、世間から信用されていない。世論でも「厳しすぎる」という人はそれほどいないという結果。自民党支持層においてもそういう結果」
支持政党別に見ると、自民党支持層では6割が「妥当である」と回答。ほかの政党支持層はすべて「甘すぎる」が優位で、コントラストがあります。
とはいえ、自民党支持層でも納得していない人が4割程度存在するということから、党の決定に対する評価がどう表れるか、注目されます。
なお、今回、新執行部によって新たに非公認とされた人々に、ある特徴が見られると米重氏は指摘します。
米重氏「新執行部の判断で非公認とされた候補者の名前を見ると、明らかに選挙の情勢が厳しい人ばかり選ばれている印象」
こうした方は不記載の額の多寡ではなく、表向きには、不記載したことに対し、地元の理解が得られなかった結果、などと説明されています。
米重氏「金額の多寡でなければ、判断基準は情勢の厳しさくらいしか考えにくい。地元の理解を得られていないから支持率が低く、情勢が悪い。だから公認しないというロジックかと思いました」
MCの千葉佳織氏は、「選挙に詳しくない人はメディアの報道を通して、公平に線引きされたように感じるかもしれない」とコメントしました。
もう一つの質問は、不記載議員への投票についてです。
問:次の衆院選で投票したいと思う候補に、政治資金収支報告書への不記載問題があった場合、投票先を変えようと思いますか
「投票先を変える」と回答した人が、ネットでも電話でも多数でした。
ネット/電話別では、若干年齢層の若いネットのほうが投票先を「変えない」「わからない」という意見が増えますが、多数は「投票先を変える」という傾向です。
米重氏は、投票先の変更に実際の行動がつながるかはややわからないところがあるとした上で、「いわゆる不記載・裏金と言われる問題を抱えている議員の得票率は、ある程度減ることを示唆する結果だと思います」と分析します。
不記載・裏金と言われる議員の中で選挙に強い人たちも、一定水準で得票率が下がっていくことは避けられないと予想します。
米重氏「今回の選挙の底流に、この裏金問題、政治とカネの問題に対する有権者の不信感がある。実際の選挙の情勢、ふたを開けてみると過小評価できないということになってくるではないか」
公認されたものの、比例重複できない議員もいます。
比例代表で復活できないとなると、小選挙区で必ず当選しなければいけません。「裏金」「不記載」と言われる議員の選挙区には、野党が候補者を調整する動きもあります。
そもそも比例に掲載されていないということで、「あの人も裏金議員ではないか」という野党からのラベリングの対象になりうると米重氏は指摘します。
比例重複できない議員は、最初から逆風の中、選挙を戦わなければなりません。どれくらい落選するかが今回の選挙の注目点だと、米重氏は結びました。
2つのデータを見ると、自民党は厳しい、大変だという印象がありますが、早期の解散の中、野党はこのチャンスを活かせるのでしょうか。
米重氏は「選挙の構図だけみるとあまり活かせていないという結論」と分析します。その理由は、小選挙区と比例代表が並立する、現行の選挙制度にあります。
比例代表制での得票最大化のコツは、全国にあまねく立候補者を立てる、いわゆる「かかし」戦略。
小選挙区では野党候補を一本化しないと与党に勝てません。そのことを野党では頭ではわかっているものの、比例区で議席を最大化するためには、自党の候補者を各地に立てなければなりません。
一方で合理的な仕組みである故に、野党は小選挙区の候補者をまとめられないのです。
さらに米重氏は、今回の総選挙に「共通のイシューがないので、余計にまとまりづらい」と指摘します。
米重氏「例えば安倍政権の頃のように、違憲だとか安倍政治を止めなければいけないといった共通のイシューがなく、この選挙が始まるまでに、野党候補の一本化が難しかった」
MC千葉氏「それぞれが能動的に動いているというより、若干消極的に守りに入っているような選挙だという意見がありますね。与野党それぞれ葛藤があると思いました」
不記載議員はどうなる?世論調査結果から情勢を読み解く!
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