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2024年5月10日に公開された動画のテーマは「解散総選挙が間近?野党共闘の展望」
300回を迎えた当チャンネルのゲストは立憲民主党の泉健太代表・衆議院議員。4月の衆院補選での勝利を経て支持率がアップしている立憲民主党の候補者擁立戦略は?泉代表が唱える「ミッション内閣」の可能性についても存分にお話しいただきます。
【このトピックのポイント】
泉氏のプロフィールは以下の通りです。
泉健太代表はまだ40代。29歳で衆院選に初当選し、補欠選挙を含め8回当選の実績を持ちます。
「政治の世界は年配が多い中、野党第1党の党首が40代というのは希望を感じる」とのMC鈴木邦和のコメントに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領やフランスのマクロン大統領を引き合いに出す泉氏。
「日本ではずいぶんと年齢の上の人たちが権力を持っている。むしろ日本のほうが珍しいかも」と表情を引き締めます。
思い出に残る選挙は、やはり初出陣である2000年とのこと。同世代が中心で応援し、市会議員や年配のかたが加わる、今までにない選挙区の空気が生まれたと振り返ります。
泉氏は学生の頃から、知事選・市長選などの公開討論会を企画したり、京都の選挙管理委員会と連携し、大学生に開票作業を体験させるなど、ユニークな活動を行いました。
夜勤手当を支払って市の職員が担当していた開票作業をアルバイトができるように交渉し、学生たちが担当したというエピソードは、行政のコストカットにもつながる画期的なアイデアですね。
今回の放送で泉代表に伺うテーマは3つ。本日は、次期衆院選の展望についてお話しいただきました。
今年の2月の党大会で、以下の事項を決定した立憲民主党。
早ければ年内に解散総選挙が行われると見込まれる中、5月8日に記者会見を開いた泉氏。党内でも総定数の過半数(233議席)を目指すべきという考え方も出てきたと紹介します。
泉氏は「とはいえ、候補者がいなければ目指すものがいくらでも関係ない」と語ります。現在の立候補内定者が179人、いかに早く200人を突破して、さらに上積みを図るかがポイントだと語ります。
今回の衆院補選で3勝した立憲民主党。泉氏は複数の候補者が集まっていると紹介しますが、「選挙区とのマッチングが大変」とも明かします。
地域の市民からは、民主党政権時に308議席取れたのだから300人の出馬を目指すよう激励されたとのエピソードを語ります。
泉氏「政治を観客として観るだけでなく、みんなで変えるために、プレイヤー側にぜひ回って欲しい。選挙ドットコムを観ている方で立憲民主党で一緒に政治を変えたいと思うかたには、ぜひ来ていただきたい」
衆院補選を経て、世論調査でも立憲民主党の支持率が上がっています。自民党の支持率が下がり、ほかの野党もすべて支持率が上がっているわけではない状況を、泉氏はきわめて公正・冷静に分析します。
泉氏「まだ自民党との支持率に差がある。様子を見てどの党がどのようなことを言っているかで投票先を変えると思う。みんなが立憲民主党の支持者にならないのは当然」
泉氏「無党派として応援してくださるのはとてもありがたい話。今、支持率が低いことをことさら卑下することはない。政党支持を変えるまでには、何度も見定めるのだと思う。今回(の補選で)勝たせていただいたのは、強みと思っておきたい」
MC鈴木「2009年に民主党政権が誕生した時には、無党派の多くが期待をした結果だと思いますが、あの時の空気感と今はまだ違いますか?」
「まだ違うが、自民党に対する怒りでは同じぐらいかもしれない」と即答する泉氏。
「一方で野党はあの時みたいにひとつではない」と、2009年の政権交代の時点では、すでに参議院で与野党の議席数が逆転していたことを指摘します。
泉氏「あの時は政権交代寸前という状態で総選挙に入った。いまは第1党が補選で勝ってようやく99議席。あの時とは環境が違うところがありますね」
選挙ドットコムではおなじみの、朝日新聞の今野忍記者が作成した「泉代表を中心に作成した野党の相関図」。ご本人に赤ペンを入れてもらおうと、お伺いしていきます。
関連記事:政治記者が野党の相関図を図解!見えてくる問題とは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ
まずは、日本維新の会との馬場伸幸代表との関係。補選の選挙戦の頃から、立憲民主党へのきつい表現が目立っていますが……。
泉氏「国会での連携と、いざ、選挙の時の連携では大きく異なることがあると思うんですよね」
泉氏は、5月8日付けで衆議院政倫審に自民党の裏金関係議員の出席を申し立てた、野党が提出した文書を示します。表紙には維新、共産をはじめ、先日当選したばかりの亀井亜紀子議員の名前もあります。
泉氏「補選の前は野党の議席が足りなかったので、申し立てをする権利がなかったんです」
維新の会が主張する野党第1党の座をめぐる戦いについて泉氏は、「(自民党と野党として戦うのは、)クライマックスシリーズでなく、日本シリーズ。維新さんと戦う理由もつもりもない。激しい発言はひとり相撲のように映ったのではないか」とかわします。
しかしながら、立憲と維新、選挙での調整や協力の可能性は厳しそうです。
泉氏「維新は大阪では別に立憲民主党の力をもらわなくても勝てるだろうし、大阪以外だと立憲民主党のほうが票を取れる状況にある。調整をする場所がそんなにないんじゃないのって話になっちゃうんですね」
MC鈴木「選挙協力のメリットがお互いにないかもしれないと」
泉氏は、「議席を予想して選挙協力をする前に、何のために協力するのかで話が進めば、コラボレーションというか、大きなダイナミズムがあるかもしれない」と期待を込めます。
泉氏「選挙区調整でなくても対自民戦線みたいなことができるかもしれないと」
MC鈴木「ずっとおっしゃられているミッション型の内閣というお考えですよね」
憲法改正や安全保障のような国家間や基本的な政策の部分で隔たりがあっても、隔たりがある以外の部分でミッションが一致し、自民党に代わる政治をしてほしいという期待はあるはずだ、と泉氏は述べます。
MC鈴木「違うところを強調するばかりでなく、一致するところをなるべく作って、政権を担うことはできるんじゃないですかね」
泉氏「僕もそう思うんですよ」
続いて、国民民主党との関係を見ていきます。
MC鈴木「玉木代表の、『穏健な多党制による政権交代を』というのは、突き詰めていくと泉代表の意見と共通するところがあるんじゃないですか?」
泉氏は「その通り」と頷き、最終的に二大政党になるかもしれないが、今は少なくとも穏健な多党制は視野にあるとコメントしました。
泉氏「敢えてあの図で言えば、立憲と国民のバチバチの図は、ほかの党よりだいぶ小さい」
続いては、日本共産党。泉氏は「(共産党とは)政党としては別々の存在。国会では対自民という意味で共通するところがあるし、市民や国民、富の再分配の政策に対しても似ているところがあるので、国会で一緒にやっていくことがある」と説明します。
加えて、共産党と閣内協力はしないという考えは、枝野幸男前代表の頃から続いていると明かす泉氏に、MC鈴木が問いかけます。
MC鈴木「ミッション内閣を作る時に、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、教育無償化を実現する会の4党で政権を構成する可能性もゼロではない?」
泉氏は、次の総選挙が終わった時点の議席によって変わってくるだろうと受け止めます。
その上で、自民党自体も、過半数割れするか割れ幅によっては、国民民主党や維新の会に声をかける可能性があるだろうと予想しますが……
泉氏「自民党が過半数割れするというのは、民意が自民党を選ばなかったということ。野党の中でいかに非自民政権を作るかという話になる。だから、候補者をできるだけ多く立てる、議席を多く取る。なんとか新しい政権を取るために、どれぐらいの政権づくりが可能なのか模索したい」
一方で、泉氏は「もしかしたら自民党から改革派が出てくるかもしれない」とも指摘します。
泉氏は、今の自民党に見られる、「一進一退というか物事が進まない改革姿勢」に対する批判は「昔の自民党ならもっと出てきましたよね」と指摘。小選挙区制の弊害だと憤りました。
最後に、教育無償化を実現する会について。
MC鈴木「前原さんが、泉さんのことを健太健太って親しみを込めて呼ばれてました」
泉氏は、「前原さんのタフな精神に感心する」としながら、
泉氏「今は、立憲民主党の仲間を大切にして、我々を軸にして政権を構成する方向に向かっている。教育の無償化は合意テーマになり得るし、前原さんがどういう役割を果たされるか、私もよく注目をしている」
とコメントします。
MC鈴木「前原さん自身も『非自民・非共産の政権を作りたい』とおっしゃっている。方向性を共有できるところもあるのでは?」
泉氏は、強すぎる非共産の姿勢に対し、違和感を表明します。
泉氏「(共産党に)政権に入る構想はないわけだから、阻害したり毛嫌いをするというのはやり過ぎではないかと思います。耳を傾ける部分はかなりありますよ」
泉氏が代表に就任された当初から構想していた方向に、ほかの野党が近づいてきたようで今後が楽しみと笑うMC鈴木に泉氏は。
MC鈴木邦和「泉さんが予言したとおりになるかもしれません」
泉氏「一歩一歩」
立憲「ミッション内閣」成立なるか?泉代表が野党相関図について語ります。
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