任期満了に伴う社会民主党の党首選挙が12月1日に告示され、立候補者が現党首の福島瑞穂(ふくしま・みずほ)参議院議員のみだったため、無投票で当選となりました。2024年2月の党大会での承認後に、正式の就任となります。任期は2年。福島氏は党首に返り咲いた2020年、前回の2022年党首選に続いて、連続3回での無投票当選となりました。
12月1日の当選後の会見で決意を述べた福島氏は、次の任期のキーワードとして「広がる社民党」を挙げ、国政や地方議会の議席数やサポーター数の増加を目指します。
同党の国政政党の議席は衆議院1議席、参議院2議席の計3議席ですが、衆議院議員選挙が来年にも行われる状況を視野に、「衆院選で5議席獲得」を目標に掲げています。具体的には、現職で沖縄2区選出の新垣クニオ氏の議席維持、全ブロックでの候補者擁立すると明言しています。
なお、現在の予定候補者数は、小選挙区で「大阪9区」(近畿ブロック)に1人、「福岡1区」「福岡4区」「福岡11区」「熊本3区」「沖縄2区」(九州ブロック)に計5人、比例代表(北陸信越ブロック)に1人で合わせて7人です。
自治体議員も増やすべく、来年6月の沖縄県議選などを視野に入れて候補者を擁立し、当選を目指します。そのために政治塾にも力を注ぎ、若者や女性を含めた国政選挙や自治体議員選挙の候補者を育てていくとも言及しました。
また、党員・サポーターの増員に向け、「1万人サポーター計画」を任期内のなるべく早い時期に実現したい考えです。
次世代の社民党を背負う人材の育成に意欲を燃やします。
福島氏は1955年、宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、弁護士として選択的夫婦別姓や婚外子差別などの社会問題に取り組んできました。
1998年参議院議員選挙に初当選(全国比例)し、4期連続当選を果たしています。2009年の民主党(当時)の鳩山政権下では、内閣府特命担当大臣を務め、男女共同参画や少子化対策、貧困対策などを担当しました。しかし、2010年5月に辺野古への新基地移設の閣議決定の署名を拒否し、大臣を罷免されます。
最初に社民党党首を務めたのは、2003年11月から2013年7月まで。2013年参院選の敗北の引責で辞任しました。しかし、2020年2月に再び立候補して無投票で当選し、2022年も続投。今回に至ります。
好きな言葉は「明日の天気は変えられないが、明日の政治は変えられる」だそうです。
福島体制が継続となった中で、党員からは「国政政党の党首選挙なら、対立候補と活発に議論した中での党首選になればとの期待もあった」との声も漏れていました。
政党の持続・発展を支えるためには、議員や支持層の拡大が欠かせないことが福島氏の決意からも読み取れます。
選挙ドットコムがJX通信社と毎月実施している意識調査では、社会民主党の支持率は近年、1%を下回る低水準にとどまっている状態です。
次の2年間でこうした状況をどう打開していくかが、福島体制のみならず、社民党の行く末を占う試金石となります。
社民党の歴史をさらに知りたい方は、過去コラムもご覧ください。
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