前原誠司・細野豪志・江田憲司の三氏で、民主党の解散・合流に向けて合意したという衝撃的なニュースが流れました。それらの背景については前回の記事「前原・細野・江田新党の衝撃!野党再編の鍵をにぎる隠れた主役とその背景」で解説したので、ぜひこちらの記事もご覧ください。
今回の報道については、話題作りの発表であり、まだ実際に再編の中身やメンバーは決まっていないという見方もありますが、ここではあえて話題作りに乗っかって、新党メンバーとなりうる国会議員について予想してみます。
民主党からどの程度の政治家が参加するのか?というのがこの政党再編劇のキモで、成功するかどうかはその点にかかっています。
主な前原グループの主要メンバー安住淳(7回・宮城5区)、古川元久(7回・愛知2区)渡辺周
(7回、静岡6区)他主な細野のグループのメンバー黄川田徹(6回・岩手3区)、笠浩史(5回・神奈川9区)、津村啓介(4回、比例中国)等
主な野田グループのメンバー長浜博行(参院2回/衆院4回・千葉県)、武正公一(6回、比例北関東)、蓮舫(参院2回・東京都)
もっとも、民主党の保守派はそれだけにとどまりません。党内きっての保守派として知られる長島昭久氏を始めとして、民主党内には小選挙区で自民党候補に負けない、選挙に強い一匹狼的な政治家が数名います。これらの政治家はどちらかと言うと保守地盤に食い込んでいることもあって、保守的な政治家が多いです。かねてから民主党のリベラルイメージに拒否感をもっていた彼らについては、新党には参加する可能性が極めて高いでしょう。
また、民主党内部での伝統的な保守穏健派としては、民社グループがあります。支持母体である労組との関係もあり動向の予測は難しいものの、政策的には合流してもそれほど違和感はありません。
もっとも、それ以外の中間的な議員、つまり旧社会党系以外のグループに所属する議員であれば、労組依存もそれほど強くありません。そのため、殆どの中間的な民主党議員、特に小選挙区選出の衆議院議員にとっては、新党の規模が大きくなる見込みであれば、雪崩を打ったように新党への移籍が進むでしょう。なぜなら、1議席を争う小選挙区であっては、野党第一党の公認候補となることは比例復活の可能性も含めて当選確率が高まるという大きなメリットがあるからです。
元みんなの党の無所属議員浅尾慶一郎、松沢成文、水野賢一、中西健治、薬師寺みちよ、渡辺美知太郎
これらの議員を合わせると衆参合わせて最大100名を超える目算が立つことになります。もちろん、現時点でここまでの話ができているわけではないと思いますが、これだけの合流が実現すれば、民主党に代わる新しい野党第一党のポジションに躍り出る可能性は十分にあります。
ただ、こうした野党再編が行われる場合に、新党の顔となる党首が誰になるのか、そしてその旗印は何になるのかが重要なポイントになります。単なる数合わせの野合では、政党の離合集散にうんざりしている国民の支持を集めることはできません。今回の前原・細野・江田新党が実現するならば、どんなメッセージを国民に訴えるのかにも注目していきたいと思います。
(一部議員名は敬称略)
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