民主党と維新の党が、来年の春に合併することを前提に、近いうちに統一会派を結成する見通しとなりました。
参考:
<民主>維新と合併検討…来春目指し 解党せず「新党色」(12月1日毎日)
維新が合流条件で要求の党名変更、民主で賛否(12月4日読売)
民主党への合流→党名・ロゴマークの変更、という手順を踏んでいく予定だそうで、民主党への合流のように思えます。
しかし、野党第一党として政権交代まで成し遂げ、新党の中では極めて長い17年間もの間掲げていた「民主党」という看板の名前が変わることは大きな出来事でしょう。
分裂した「おおさか維新の党」は衆議院・参議員で19名ほどの議員が合流する見込みですが、残った維新の党は26人、衆参で100名を超える民主党と合流するのですから、規模としては圧倒的と言えます。
民主党との合併は、自民党に抵抗できる強い野党を作るためとも言われていますし、一方で人数稼ぎの「野合」とも批判されています。
「野合」なのか「新しい動き」なのかは歴史が証明するのでしょうが、今後の野党再編は、民主党の「革新派」と、維新の党の26名が鍵を握ることになるのは間違いないでしょう。
新・民主党はどんな政党になっていくのか?
そして、鍵を握る26名は、いったいどんな方々なのか・・・?
そこで、新・民主党の向かっていく方向性を占う意味で、維新の党26名の出身政党を整理してみました。

(1)民主党→日本維新→維新の党
代表の松野頼久氏ら
(2)(自民党)→みんなの党→結いの党→維新の党
同じく維新の党の代表戦に出馬している小野次郎氏ら
(3)民主党→国民の生活→日本未来→生活の党→維新の党
という3つのパターンが存在することが分かりました。
維新の党のメンバーでも、「役職」に付いている議員は、なんと全員この3つのパターンに集約されました。党内でも、出身政党を加味して、バランスを取り合っていたのでしょうね。

民主党→日本維新→維新の党
(松野頼久氏、石関貴史氏、今井雅人氏、松木謙公氏)
民主党の中で早い時期から、新しい動きを作ろうと動いてきた方々です。代表の松野氏も元々は民主党。
自分が離党した党に戻るのは少し荒唐に見えてしまうかもしれませんが、古巣の民主党に戻るのですから、新・民主党との相性も良いでしょう。
(自民党)→みんなの党→結いの党→維新の党
(小野次郎氏、柴田巧氏、井坂信彦氏、井出庸生氏、川田龍平氏)
行政改革を進めるべく、自民党を割って出たみんなの党の血筋を引くメンバーです。維新の党も地方分権・行政改革に熱心な党でした。
民主党は、「事業仕分け」で注目を集めていた時期もありましたが、最近では「行政改革」のイメージは薄くなっているように思えます。
今後埋没することなく、新・民主党内でどのように立ち振る舞うのでしょうか。
民主党→国民の生活→日本未来→生活の党→維新の党
(太田和美氏、木内孝胤氏、牧義夫氏)
この3名は、民主党時代に「社会保障・税一体改革関連法案」に際し、党の公約を守るために離党しています。
政策に一貫性のある態度ではありますが、その後在籍した「生活の党」が現在も続いているにも関わらず、維新の党へ合流している点はどのような意図があるのか気になるところでもあります。
小沢一郎氏との距離も近く、直近は目立った動きはないものの、今後急に活発化する可能性もあるかもしれません。「除籍処分」にまであった古巣に戻るというのも、なんとも不思議な気がしてなりません。
整理してみると、明確に3グループに別れることが分かりました。
こう見ると、そもそも維新の党がなぜ1つにまとまっていたのだろうか?、と思うほど、方向性が明確に分かれている様子が見て取れます。
新・民主党が動き出すのは来春と言われていますが、政策の妥協・合意、党名の変更等、まずは「統一会派」から「合併」にまで漕ぎ着けることができるのでしょうか?
様々批判されることもありますが、民主党は自民党に次ぐ規模を持つ、第一野党です。他の新党と違い、歴史も17年と長く、優秀な政治家もたくさん在籍しています。ですので、政界再編への影響力も最も大きい政党の1つであることは間違いありません。
今後も期待できる動きをしていって欲しいものです。
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