池田市長選挙の結果が出た。
結果は、現職の小南氏が落選し、前職の倉田氏が返り咲いた形となった。池田市民は、直近4年間の小南市長よりも16年間の倉田前市長に市政を託すことに決めたのだ。
倉田かおる 16,893票
小南おさみ 14,200票
山元たけし 4,863票
この選挙は、16年間市長を務めた倉田氏(無所属)と、その倉田氏が後継者として指名した現市長の小南氏(自民・公明・民主推薦)が戦うという珍しい構図の選挙となった。そこで私は現地まで行き、倉田氏の選挙事務所と小南氏の選挙事務所を訪問し、「小南氏が当選するのではないか」と感じた。
池田市長選レポート 前編/中編/後編
しかし、倉田氏の実績と演説の上手さが、最後まで気になった。それと大阪独自の事情。他の地域であれば自民・公明・民主の相乗り候補は有利になるが(負けることもある)、大阪は維新の動向が一番影響する。
そこで、記事には以下のように記述した。
政治の世界とはいえ、交代にはやはり「理由」が必要だ。20年間の市議会議員経験、16年間の市長経験と、息子の市議選トップ当選は確かに影響力の大きさを物語っているが、だからと言って今回の選挙で交代しなければならない理由がどうしても見えない。
ただ、倉田氏が演説しているビデオを見ると、気持ちが動く。さすが、長い経験に裏付けされたスピーチ力は強い。淡々とした話し方で、とてもわかりやすい。実際に会って話を聞けば、「この人に託そう」と思えるだろう。過去の16年間か、それとも直近の4年間か。
もう一点。今回は維新の推薦がどちらにも出ていない。つまり、大量の「維新票」の行方も気になるところだ。通常であれば自民・公明・民主の相乗り候補は、それだけで有利になる。しかし大阪は事情が異なる。維新が倉田氏に推薦を出していたらまったく状況は変わっていただろう。
大阪維新の会は党としての推薦は出さなかったが、支援にまわった市議はいたようだ。
倉田氏が激戦制し当選、市長に復帰へ(産経WEST)
もちろん、倉田氏の実績が大きな勝因となったことは間違いないが、それ以外に大阪の自公民の弱さが強く印象に残った。先の府知事選挙と大阪市長選挙のように、「束になってかかっても維新にはなかなか勝てない」というのが大阪の現状なのかもしれない。
また、先に書いたように大阪維新の会は推薦は出さなかったが、もし倉田氏に出した場合、共産党は独自候補を立てずに自公民と一緒になって維新推薦候補と闘っていたという話を聞いた。単純に票を足す結果にならないことは十分承知しているが、それでも共産党が独自に立てずに小南氏に推薦を出して、府知事選と大阪市長選と同様の構図になっていたら、どうなっていたか。倉田陣営は、それを見越した上で推薦を貰わなかったとしたら、その戦略が勝利に結びついたことになるが、これは推測の域を出ない。
来年の参議院選挙、そして次の衆議院選挙は、自民党がさらに議席を伸ばすか、野党が待ったをかけられるかがポイントとなるが、どちらに寄るかも含めて、大阪維新の会の動きが注目される。
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