選挙ドットコムが提供し、多くの人に利用していただいているサービス「投票マッチング2022参議院選挙」(以下、投票マッチング)。
プロデュースした選挙ドットコムの鈴木邦和編集長に、投票マッチングを作ろうと思った経緯や、利用者のマッチング結果を集計して見えてきた傾向などについてインタビューしました。
選挙ドットコム編集部(以下、編集部):
そもそも、投票マッチングを作ろうと思ったきっかけは何でしょうか?
鈴木邦和編集長(以下、鈴木):
選挙のときに、ポスターや選挙カーを見て候補者を選ぶのは難しいと思ったのがきっかけです。それぞれの政策を見て、比較して候補者を選びたいという気持ちからこのサービスを作りました。
私は「日本政治.com」というサイトで過去に投票マッチングを何度か作成していた経験があり、その知見を生かして2021年の衆院選で選挙ドットコムのコンテンツとして投票マッチングを作りました。約350万回も利用していただき、Twitterでもトレンド入りするなど、存在感を見せることができたと思います。
編集部:
2021年の衆院選と比べて、今回の投票マッチングは何か変わりましたか?
鈴木:
国政政党である9党に加え、比例に候補者を出している諸派5団体も入れました。我々はネットメディアなので、マスメディアではなかなかできないことをやりたいと思い、マッチング対象を増やしました。
※「ごぼうの党」は政策を公開していないため今回は対象外
編集部:
今回の投票マッチングでは、大変なことはありましたか?
鈴木:
投票マッチングを作るために、対象となる全ての党の公約を読み込まないといけません。マッチング対象となる数が多いので、公約を全て読むのも大変でしたが、マッチングしない党が出てしまわないよう各党を差別化する必要があるため、各党でスタンスの違いが表れる設問を考えることに苦労しました。
編集部:
集計結果を見ると、維新とマッチングしている人が多い傾向が見えますが、理由は何でしょうか?
鈴木:
まず断っておきますと、どこかの政党が有利になるような仕組みを作っていることは絶対にありません。その前提でお話しますと、今回の投票マッチングの回答者は10代~30代が6割、さらに支持政党がない層が多い、かつ都市部のユーザーが多いという傾向がありました。その結果、回答者の属性が、日本維新の会や国民民主党の政策と親和性が高かったということになりました。
仮に回答者の属性が違った場合は、マッチングする政党について違う分布が見られたと思います。
Twitterなどで、特定の政党に誘導しているのではないかという意見がありましたが、投票マッチングの結果のページをご覧になっていただけると全ての政党の回答が書かれており、それらは全て選挙ドットコムが各政党に送ったアンケートに基づいています。利用者が選んだ回答がどの政党に近い考えなのかがわかるようになっているので、誘導しているということはありません。
編集部:
投票マッチングを今後どのように進化させていきたいと思っていますか?
鈴木:
今までは国政選挙を中心にサービスを提供してきましたが、現状では地方選挙の争点がわかりにくいのが課題だと思っています。それを踏まえて、今後はできれば地方選挙、特に知事選において、争点が有権者に伝わり、政策に基づいて候補者を選んでもらえるようサポートしていきたいと考えます。
先日、東京都の杉並区長選挙でマッチングのサービスを展開し、有権者に使っていただきました。国政選挙だけでなく、地方選挙でも有権者の投票をサポートできるように努力してまいりたいと思います。
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