(2024年10月9日に最新情報に更新しました)
2024年10月9日の衆議院解散にともない、10月15日公示・27日投開票の日程で衆議院議員選挙(以下、衆院選)が行われることが決定しました。
衆院選で、「比例復活」という言葉があるのをご存知でしょうか。小選挙区で落選した候補者が比例代表で当選することです。
比例復活ができることで、当選枠が少ない小選挙区制度のみでは不利になりやすい小政党にも議席が配分され、私たち有権者の意見を広く政治に反映する仕組みとなっている反面、大政党の議席確保に寄与してきた側面もあります。しかし今回の衆院選では、自民党の石破茂総裁が「裏金問題」を受けて、一部の議員に対して「比例重複立候補を認めない」処分を下したことが話題になっています。
今回は、比例復活の仕組みについてわかりやすくご紹介します。
衆院選の比例復活とは、小選挙区選挙で落選した候補者でも、比例代表で当選できる制度のことです。参院選では比例復活はなく、衆院選だけの制度になります。
どのような候補者であれば比例復活当選ができるのでしょうか。
前提として、政党に所属しており、小選挙区と比例代表に重複立候補していて、さらに小選挙区で有効投票の10%を獲得している必要があります。
また、小選挙区における「惜敗率」が当落の重要な指標となります。惜敗率については後ほどご紹介します。
比例復活は小選挙区で落選した候補者が比例代表で当選することです。そのため、前提として両方の選挙に立候補する必要があります。このふたつの立候補することを重複立候補といいます。
重複立候補には立候補する地域に条件があり、比例代表と小選挙区において同じブロック内で立候補することが定められています。例えば、比例代表が東京ブロックだった場合、都内にある30の小選挙区のいずれでのみ立候補が可能になるということです。
ちなみに、公職選挙法では、本来複数の選挙に同時に立候補することは禁止されています。重複立候補は衆院選のみで認められている制度なのです。
比例復活を知るうえで欠かせないのが「惜敗率」と呼ばれる指標です。これは小選挙区選挙において、当選者の得票数の何%を獲得したかを示すもので、以下の計算式で求められます。
惜敗率(%)=落選者の得票数÷当選者の得票数×100
比例代表は政党が作成した候補者名簿の上から順番に当選する制度です。重複立候補の場合、同一順位に複数の立候補者を登載することができます。同一順位の場合、惜敗率の高い方から当選が決まるため、当落を決める重要な指標となるのです。
このように、比例復活は小選挙区で敗北しても、比例代表で当選できるチャンスがある制度です。小選挙区で敗北しても逆転勝利をする様子から、敗者復活戦と呼ばれることもあります。
比例代表選挙では、有権者は政党に投票します。そのため、当選するためには政党等の候補者名簿に名を連ねることが必須です。
政党の公認を受けていない、あるいはそもそも政党に所属していない無所属の候補者は比例代表に立候補できず、比例復活もできません。小選挙区で敗れれば直ちに落選が決定するため、厳しい戦いを強いられることになります。また、党内分裂が起きている場合、比例復活を賭けて公認争いが激化することもあります。
10月27日に行われる衆院選の「比例復活」について解説しました。
衆院選の「比例復活」のポイントは以下のとおりです。
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(執筆協力:夏森アキラ)
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