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今回は2020年2月15日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは日本維新の会・馬場伸幸(ばば・のぶゆき)幹事長です。維新が掲げるビジョンや統治機構改革について伺いました。
今の維新は衆議院議員10名、参議院議員16名の少数政党。過去に自民党と連立政権を組んだ数々の少数政党は最終的に飲み込まれて終わっていったと振り返り、「それでは値打ちがない」と馬場幹事長は述べました。
衆議院で100議席、参議院で50議席ほどの数を獲得できれば反比例で自民党の議席数も減る。交渉ごとは相手より優位な立場に立つことが大事だと主張し、「現時点で連立政権入りすることは全く考えていない」と話します。維新が一定勢力となり、過半数を取れるような政党がいない状況になった時には、どこかと組んで連立政権を樹立することがあるかもしれないと明かしました。
今ある政党で、まともに話して理解し合えるのは自民党だといいます。他の政党とは話がどうも噛み合わず、一緒に国の運営に携わっても上手くいかないだろうとヒシヒシと感じるそうです。
「政策だけをみたら国民民主党とは親和性があるのでは」と乙武氏が尋ねると、「政策的にはそうだと思う」と同意。ただ、国民民主党の特徴はサッカーでいうと全員がフォワードと例えます。「全員、俺がボールを蹴る、俺がシュートを打つという人ばかりで、振り返ればゴールキーパーもいない状況」と馬場幹事長。それぞれが役割分担をし、小異はあれど決まれば全員でその方向に向けて走っていくことができなければ、大きな改革はできないと断言。旧民主党政権のマイナス部分はそこが大きかったと指摘し、その辺りのマインドは維新と合わないと発言しました。
維新が関西以外で議席を増やしていくための秘策について話題は移ります。千葉県や神奈川県、愛知県の名前を出し、同じような規模の行政を預かる指揮官が2人いることは、住民にとって決してプラスにはならないとバッサリ。大阪が府と市を合併させることに成功すれば、「うちもやろう」という声は上がってくると話します。それが、税金を中央に集め、紐付きでいろんな地方に配っていくという、明治維新以降ずっと続いてきたことを変えていく第1歩だと述べました。
過疎化が進んでいる地方は、都会ほどの縄張り争いはないものの、中央のコントロール下に置かれ、なかなか自分たちの思ったようにさせてもらえない現状にあると話します。地方が中央をみて政治をやることに慣れきってしまっている点を問題視し、都市部で改革を進めることで地方も同じような意識を持ってくれるはずだと述べました。そして、それが維新の掲げる統治機構改革に繋がると語り、そういったことを分かって頂いた有権者や政治家が決起することを理想としているそうです。
「色々と理屈は言うが、突き詰めると自分のバッジを守りたいだけ」と馬場幹事長。大阪市議会議員は24区ある大阪市が4区になることで倍率が6倍になるため、自分が選挙に通る自信がないのだと話し、それは市民不在の理屈になってしまっていると指摘。
議員数が減ることに維新のメンバーは怖くないのかと尋ねると、維新は理念に集まった集団で、「大阪都構想を成立させるための1つのパーツにならせてください」というかなり奇特な議員たちだと、笑いながら評価。大阪都になったあと自分がその先どんな議員になろうかなんて考えている議員はほとんどいないと話し、自分のバッジより歴史に足跡を残したいと思っている人が多いと述べました。
また、積極的に改革しようとする維新に対し、負の圧力を感じることもあると話します。特に、家業として引き継いでいこうと意気込む世襲議員は目を吊り上げて反対してくると明かしました。
賃金が削られることで豊かな人しか議員になれないのではという声や、枠が減ることで多様な人材が集まらないのではという意見については、どう考えているのでしょうか。
「1年間で使うお金の半分が借金で、年金に対しても皆が不安を持っているような今の状況において、税金で暮らしている側の議員が自分たちの保身のことをまず言うのは国民に受け入れられない」と馬場幹事長は話しました。
1965年大阪府生まれ。高卒後、3年間の民間経験を経て国会議員秘書として政界に足を踏み入れる。堺市議会議員を6期務め、現在衆議院議員を2期務める。大阪維新の会副代表、日本維新の会幹事長として活躍中。
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