選挙ドットコムでは、乙武洋匡氏をMCに迎え選挙や政治の情報をわかりやすくお伝えするYouTube番組「選挙ドットコムちゃんねる」を毎週更新中です。
今回は2020年10月9日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは自民党・河野太郎行政改革大臣です。縦割り110番に代表される河野大臣が進めてきた行政改革についての裏話や思い、背景、今後取り組みたい行政改革について伺いました。
今回の対談では河野氏が務める行政改革大臣の仕事に着目。
まずは就任直後に行った就任会見のやり方の改革について乙武氏が質問。河野大臣は従来の就任会見が非効率的になっていた背景から詳細に語り、最初に取り組んだ改革について説明しました。マスコミ・記者からの反響も大きかったようです。
河野大臣が実施した「縦割り110番」について聞かれると、河野大臣は「失敗しましたね」と自己評価。その裏にはワケが……。
河野大臣は縦割り110番を実施するにあたり、「本人が全て目を通す」と宣言して自身のホームページにメールフォームを特設。するとまたたく間に約5000通ものメッセージが寄せられてきました。予想を大幅に超えるメッセージの数に驚いた河野大臣は慌ててメールの受付を停止することに。
そして、宣言どおりメールに目を通すと、その中には行政改革に関する内容以外にも自分の悩みや困っていることを切々と語るメッセージも多かったそうです。縦割り110番の本来の目的とは違っても「こういう思いをしている人がいて、しかもこんなスピードで寄せられるなら、何かの形ですくい上げなければいけない」と感じる機会になったと河野大臣は語りました。
続いて印鑑の廃止(はんこレス)について乙武氏が質問すると、河野大臣は自身が行った改革の内容について解説。
民間と役所との間で印鑑を使う手続きは約11,000種類あるそうですが、年間1万回以上使われる手続きは820種類。そのうち793種類は廃止、または廃止の方向に動いているそうです。法律で印鑑の縛りがある場合は法改正もするとも。
河野大臣は印鑑を使った手続きが必要な場(印鑑証明が必要な手続き・銀行印が必要な手続き・契約書等双方の確認が必要な手続き・その他印鑑が必要だと認められる手続き)に対しては印鑑使用への理解を示し、「必要ならば自分が押す」とも述べました。
今後はデジタル庁とも連携して改革を進めていきたいそうです。
河野大臣は官僚の働き方改革にも言及。平成8年と比較すると現在では官僚志望者が半減しており、その背景には長時間労働とやりがいを感じにくい労働環境・業務内容があるといいます。そして、優秀な人材が官僚にならないと国は良い政策を作ることができず、政策をスムーズに実行することができないと現状への課題を口にしました。人材確保のために国が努力するべきこととしては、ブラック労働改善をはじめ官僚の業務改善のための努力を挙げました。
自民党内では会議資料の配布方法を紙からiPadへと変える改革を行っており、他の大臣の協力も得ながらオンラインの活用を進めているそうです。
乙武氏が今後進めていきたい改革について尋ねると、河野大臣は教育分野でのオンラインの活用を挙げました。小学校教育での英語の授業に様々な懸念が生じている中、河野大臣はオンライン教育や英語のオンライン教材を活用することを提案。オンライン授業がスタンダードになると小学校教諭の役割も変わってくるのではないかと河野大臣が述べると、乙武氏は同意し、河野大臣に今後文科相を担当してほしいとリクエスト。
行政改革大臣の仕事ぶりに密着した対談は、和やかな空気で終了しました。
1963年生まれ。米国ジョージタウン大学卒業後、複数の民間企業を経て1996年衆議院議員選挙で初当選。その後も連続当選し現在8期目を務める。
総務大臣政務官、自民党神奈川県連会長、法務副大臣、衆議院外務委員長、国務大臣、第75代国家公安委員会委員長、行政改革担当、国家公務員制度担当、内閣府特命担当大臣(防災、規制改革、消費者及び食品安全)、外務大臣、防衛大臣などを歴任。
現在の菅内閣では、国務大臣、行政改革担当、国家公務員制度担当、内閣府特命担当大臣(規制改革・沖縄及び北方対策)を務め、2021年1月からは新型コロナウイルス感染症ワクチン接種担当も兼務。
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