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【東京都知事選2020】選挙公示後に『あの候補は経歴詐称』など、ネット上に書き込んだらどうなる?

2020/6/20

オフィス・ シュンキ

オフィス・ シュンキ

18日から、いよいよ「東京都知事選挙」が始まりました。

本来なら来月から開催となっていた東京五輪が来年に延期となるなど、春先からの「コロナ禍」で、イレギュラーなことが起こり続けました。東京都内は、まだコロナウィルスの大きな影響下の中にありますが、知事選挙は予定通り行われます。

そういった中で、候補の誹謗中傷と紙一重のことをどこまでネットや紙媒体で記すことが出来るのか、興味を持たれる方も多いのではないでしょうか?

この件に関して、選挙管理委員会(無作為に、ここでは京都府選挙管理委員会)に問い合わせしたところ、「公職選挙法148条に、『新聞紙、および雑誌の報道、および評論等の自由』というのがあります。これによりますと、(公示後も)論調を妨げるものではない、とあり、自由に表現できることになります」とまず答えてくださいました。

お、なんでも書けるのか?過去、地方議員を経験している筆者は、『しまった』と一瞬、思ったりしました。いや、出馬した唯一の選挙は当選しているのですから、気にすることもないのですが、やはり人の心理。好き放題、他の候補のことを書けば良かった、とか思ったのですが、選挙管理委員会の方の次の話で、すぐに我に返りました。

虚偽の事項をもってして、事実を歪曲すると、『公職選挙法』に抵触する、との但し書きがあります」、と付け加えられたのですね。


きちんと、虚偽の事実を流布した場合は、違反、と規定されているわけです。

しかし、ここでも「あ、その手があるのでは?と思うことがあります。そう、「虚偽の事実をもってして、事実を歪曲」してはいけないのですが、「虚偽の事実」の証明って、難しいものもありますよね。

たとえば、某候補が公言している海外の学校を卒業していない、と書かれた場合。あるいは、異性(同性のケースもありますね)とホテルから出てくる写真を公表され「不倫」とか記された場合。

これらは、書かれた方に証明する必要性が出てきます。書かれた側がいくら「これは虚偽だ」といっても、言葉だけでは証拠にはならないのです。そして、書かれた側にとって、たまらないのは、どんな証拠を出しても、「事実の証明」が、それこそ、裁判しても、絶対、ということにならない点にあります。“そんなこと、いっても、何もなければ書かれるわけない”という、イメージ。これが怖いのです。

 

公職選挙法の142条の7項で、表現の自由を濫用して候補者に対して悪質な誹謗中傷をするなど、選挙の公平性を害することがないよう、インターネットなどの適正な利用に努めなければならない、と、実は定められています。

しかし、これは選挙運動に当たらないSNS発信も含めた言論を一般的に制限した規定ではありません。「適正な利用に努めなければならない」と、いう努力目標でしかないのです。

 

こういった、もろもろを照らし合わせていくと、公職選挙法の違反に限定して、「表現の自由」に制約をかけるのはかなりハードルが高い、と思われます。

しかし、それを補完しているわけではないのですが、刑法上でも「名誉棄損罪」や「侮辱罪」があります。「公職選挙法」にこだわらず、警察に相談すればいいのです。

私の例でいうと、昨年、行われた統一地方選挙で、出馬を取りやめた公示の直前まで、私は2期目に向けて立候補の意思を示していました。その間に、当該選挙区の別の候補に「討議資料」とした選挙前のチラシ上で「休んだ5か月に900万円もらう議員」というのを、見出しに取られ、まさに「表現」されました。

病欠など、きちんとした理由があれば規約上、議員報酬は支払われます。そして、私の場合はまさにそれ(10か月にわたる長期入院)でした。

報酬に関しては規約である限り、当該議員とは次元が違うところに、責任の所在が発生します。また復帰後、入院先から出席した議会で、入院中に主に電話やインターネットで調査したことで、質問していますので、仕事をしていなかったのとも違います。

にもかかわらず、チラシは「ずる休みしてお金をもらっている議員」の印象を与えるもの、と私には思えました。


このチラシを、私は「選挙管理委員会」でなく、警察に持っていきました。告訴は受理され「名誉棄損罪」は立件されたのですが、嫌疑不十分で不起訴。しかし、事件になっているという事実は残りますし、新たな証拠が出れば「検察審査会」で再度、不起訴が相当か、の審議もしていただける余地は今も残っています。

 「悪質なものと判断したり、これは、と思った時でも、私たちは『これはどうか、と思います』としかいえません。『警察に、相談していただければ』とは言いますが」とは、前出の京都府選挙管理委員会。

2013年のインターネット選挙運動の解禁など、「表現の自由」の幅が広がったことは、候補者の姿を少しでも多く有権者に伝えるという意味合いなどで選挙にとって悪くないのは事実です。

それでも、自戒も込めて「自由」には「責任」が伴う、という当たり前のことを頭において、今、行われている「東京都知事選挙」などに対する記述、やっていきたいものです。(オフィス・シュンキ)

 

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オフィス・ シュンキ

オフィス・ シュンキ

ラジオDJ&探偵&ライター 大手メディアで記者、編集委員を四半世紀以上務め、地方議員の経験も持つ。ジャーナリスト、議員の経験を活かし「ストーカー、いじめ、DV」などに強い探偵も。インターネットラジオ「fmGIG」でDJ(番組名「みなと神戸の探偵オフィスシュンキ」)も務める。

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