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東京都知事選挙の有権者の行動傾向と 政党ごとの組織について観察していきます(上)

2020/5/21

渡邉 秀成

渡邉 秀成

2020年東京都知事選挙の告示日が6月18日、選挙期日が7月5日で予定されています*1。

前回(2016年7月31日執行)の東京都知事選挙ではジャーナリスト 鳥越俊太郎候補者、総務相経験 増田ひろや候補者等*2を破り、無所属で出馬した小池ゆりこ候補者が2,912,628票を獲得し当選しました。


東京都は、一般会計、特別会計、公営企業会計を合わせた都全体の予算規模が14兆9594億円で、スウェーデンなどの国家予算を超える予算規模*2です。

この巨額規模の運営を行う東京都のトップを決める都知事選挙は国政にも影響を与えることも多く、その知事が誰になるかは各政党の大きな関心事となります。

今回、次回と2回にわけて東京都知事選挙の有権者の行動傾向(地域別投票率、投票政党)の観察、政党ごとの組織について観察していきたいと思います。

 

まず最初に有権者の投票行動について見ていきます。

選挙報道では有権者の投票率が話題になります。
一般的に都市部は選挙の投票率は低下傾向にあると言われますが、実際にはどのような傾向にあるのかを見てみましょう。


第23回参議院議員選挙から直近の国政選挙である第25回参議院議員選挙までの、
衆議院選挙、参議院選挙の全国市区町村の投票率を比較したものが下の地図になります。

市区町村別投票率_第23回参議院選挙から第48回衆議院選挙_投票率地図

 

市区町村別投票率_第25回参議院選挙_投票率地図



国政選挙の投票率を47都道府県市区町村別で比較をすると、東京都の投票率は島部(大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村、小笠原村)を除くと、投票率が低い傾向にあることがわかります。

確かに、都市部である東京都の投票率が低い傾向にあることはわかりました。

次に東京内の市区町村別に投票率を比較した場合にどのような傾向があるのかについて観察してみましょう。

東京都知事選挙の投票率は下記のように推移しています。

東京都知事選挙_投票率_推移

直近5回の都知事選挙の投票率は45から65%の間で推移していることがわかります。

さらに東京都内の市区町村別に投票率の推移を表示したものが下記になります。

 

東京都知事選挙_市区町村別_投票率_推移

 

市区町村別投票率のグラフでも島部は他の市区町村と比較して投票率が高く安定している傾向があります。

その一方、区部は投票率が全体より低い傾向にあり、選挙により投票率の高低差が島部より大きく出る傾向にあります。

続いて年代別投票率について見ていきます。
 
最初に18才,19才有権者の投票率を都道府県別に比較をします。
都道府県別に18才、19才有権者の投票率を比較したものが下図になります。

18才19才_都道府県別_投票率_比較

 

先ほど紹介しました国政選挙の投票率を市区町村別に色分けした地図において、東京都の投票率は全国と比較すると低いことがわかりましたが、

18才、19才の投票率だけを都道府県ごとに比較したものでは、東京都の投票率は高い傾向にあることがわかります。

若年層に向けた投票キャンペーンの効果が出やすかったのかもしれません。

年齢別に投票率を比較をすると、また違った景色が見えてきます。
 (記事を書いている時点では、直近の第25回参院選における18才、19才の都道府県別投票率については選挙結果調が発表されていないため、
第24回参院選、第48回衆院選の結果について色分け地図を作成しました)

 

次に都知事選挙の年代別投票率を見ていきます。
2012年から2016年までの年代別投票率をグラフにしたものが下図になります。

東京都知事選挙_投票率_推移

おおよそ年齢が高くなるほど投票率が上がることがわかります。

ただ、国政選挙の年齢別投票率も同じ傾向があるのですが、初めて選挙権を得られる年齢の投票率は高くなり、その後しばらくは投票率が下がる傾向があります。

ここまでは地域別、年齢別の投票参加状況について見てきました。

次に、これら有権者がいつの段階で投票する人を決めたのかについて見ていきます。

2011年から2016年までの4回の知事選挙で投票日当日に投票した有権者が、選挙期間に入る前から投票する候補者を決めていた割合をグラフにしたものが下記になります。

選挙期間に入る前から投票する候補者を決めていた割合

選挙といえば有権者は投票日までどの候補者に投票するのかを迷いながら決めるようにも思えますが、選挙期間に入る前から投票する候補者を決めている人が3割ほどいるようです。

直近の都知事選挙では選挙期間に入る前から投票する人を決めている人の割合が減っていますが、これは著名候補者が複数立候補したため、どの候補者に投票するかを考えている人の割合が多かったのかもしれません。

選挙では期日前投票も認められておりますので、多くの選挙で有権者が投票する候補者を決める時期は前倒しになっている傾向にあります。

選挙期間が始まる時には選挙結果のほとんどは決まっているという選挙に関する格言のようなものは、これらの調査結果からも裏付けられそうです。

すなわち選挙期間以外にどれだけ組織票をまとめることができるかが選挙の勝敗を握っています。

そのため各政党は平素から党員やサポーターなどを集めることに力を注ぎます。

次回は、東京都において各政党が得意とする地域を観察していき、各政党がどのような政党支部を持っているのかについて見ていきます。

東京都知事選挙2020≫


*1 東京都選挙管理員会令和2年 選挙執行一覧 2020年5月8日閲覧
https://www.senkyo.metro.tokyo.lg.jp/election/schedule/senkyo2020/
*2 平成28年7月31日執行 東京都知事選挙 選挙公報 東京都選挙管理  2020年5月8日閲覧
https://www.senkyo.metro.tokyo.lg.jp/uploads/h28tochiji_kouhou.pdf
*3 東京都の財政 平成31(2019)年4月 東京都 より 2020年5月8日閲覧
https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/syukei1/zaisei/3104tozaisei.pdf
*4 年代別投票率
https://www.senkyo.metro.tokyo.lg.jp/election/nendaibetuchousa/tochiji-nendaibetu2014/



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渡邉 秀成

有価証券報告書等のテキスト解析から有権者投票傾向等、 幅広いデータを各種プログラム言語を用いて視覚化、調査をしています。 またデータ活用がしやすいキレイなデータ作成方法を提供しています。 選挙関連のデータはこちらです。 https://datastats-election.info

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