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台湾の総統選挙は今日投票。民進党の蔡英文氏・国民党の韓国瑜氏が事実上の一騎打ち

2020/1/11

選挙ドットコム編集部

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台湾(中華民国)総統選挙の投票が明日1月11日に行われます。台湾総統選挙には与党・民主進歩党(以下、民進党)で現職の蔡英文氏、野党・中国国民党(以下、国民党)で新人の韓国瑜氏らが争う事実上の一騎打ちの構図です。(蔡氏、韓氏の他に親民党から宋楚瑜氏が立候補)
今回は台湾総統選挙の選挙制度や情勢について紹介します。

台湾総統選挙の選挙・政治制度

選挙権は台湾に6か月以上住む20歳以上の中華民国国民(台湾の法律では「中華民國自由地區人民」(Any citizen in free region of ROC))と在外住民にあります。(總統副總統選舉罷免法(日本でいう公職選挙法):総統副総統選挙罷免法 第11、12条)

総統選挙の被選挙権は台湾に6か月以上住み、中華民国国民として15年以上居住地を台湾に設定している40歳以上の者にありますが、中華人民共和国や香港、マカオから移った者は被選挙人登録ができません。(第20条)

また、総統選挙に立候補するには直近の選挙(総統選挙または立法院議員選挙)での得票率が5%以上ある政党からの推薦が必要で、一つの政党が複数の候補者に推薦を出すことはできません。(第21条)

台湾と日米の政治・選挙権年齢などの比較表(参考:公職人員選舉罷免法(台湾))

日本やアメリカでは権力の分立の方法として司法、立法、行政の「三権分立」がありますが、台湾では2つ多く三権に加えて「考試(人事院に相当)」「監察」のある「五権分立」を採っています。
台湾の行政機関は日本の内閣に相当する「行政院」で、トップは総統が任命する行政院長(日本の首相に相当)が務めます。

台湾総統選挙:与党・蔡英文氏と野党・韓国瑜氏が事実上の一騎打ち

今回の台湾総統選挙の選挙公報(PDF)(台湾華語)。白黒が基調なのは日本も同じですが、政策のアピールではなく候補者の基本情報の他に学歴・経歴が細かく記載されているようです。

与党民進党・蔡英文氏は2016年に台湾総統に就任し、今回の総統選挙は2期目への挑戦となります。イギリスでで法学博士を取得し学者としてのキャリアを持っています。
2008年に民進党の主席に就任し、2012年の台湾総統選挙に立候補(副総統の候補に蘇嘉全氏)しましたが国民党の馬英九氏に敗れ党主席を一度退きます。

その後、2014年の国民党主導で進められた中国との貿易を促す「サービス貿易協定」へ抗議する学生による立法院占拠やひまわり学生運動の流れを受け、同年の民進党主席選挙で再び党主席に就きます。
2016年の台湾総統選挙では、国民党・馬英九総統が二期目で総統の三選は禁止されているため、国民党は朱立倫氏を擁立していましたが、民進党・蔡英文氏は朱氏を破り総統に当選しました。

対する野党国民党・韓国瑜氏は台北県議会議員(現・新北市議会議員)を務めたのち立法委員(日本の国会議員に相当)を務めてきました。2017年には国民党主席選挙に立候補しますが落選しています。
2018年の台湾統一地方選挙で民進党が強い地域でもある高雄市長選挙に立候補し、初当選しました。このとき巻き起こした追い風は韓氏の名前から「韓流旋風」とも呼ばれていました。

台湾総統選挙の結果はいかに

2018年の台湾統一地方選挙では全土で国民党が勝利を収めていたため、今回の台湾総統選挙も同様に当初は国民党優勢になるとみられていました。
しかし昨年6月に香港で発生した「逃亡犯条例」に関連するデモと中国当局との衝突をきっかけに、中国と距離を置く姿勢の民進党・蔡英文氏が現在は有利な情勢と考えられています。一方で中国との本格的な対立を望まない層もあり、民進党の総統選候補を選ぶ予備選では台湾の独立を主張する頼清徳氏が蔡英文氏に8ポイント差で敗れています。

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蔡英文氏が中国との距離を取り「台湾の主権と民主を守る」と主張する一方で、韓国瑜氏は中国との関係改善を図り経済協力の強化を主張しています。
激しい選挙戦が繰り広げられてきた台湾総統選挙の投票は今日11日行われます。

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2023年に年間1億PVを突破した国内最大級の政治・選挙ポータルサイト「選挙ドットコム」を運営しています。元地方議員、元選挙プランナー、大手メディアのニュースサイト制作・編集、地方選挙に関する専門紙記者など様々な経験を持つ『選挙好き』な変わった人々が、『選挙をもっとオモシロク』を合言葉に、選挙や政治家に関連するニュース、コラム、インタビューなど、様々なコンテンツを発信していきます。

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