任期満了に伴う行橋市長選が2月18日告示されました。立候補したのはいずれも無所属で、共産党が推薦する新人の藤木巧一氏(70)、新人の岡田博利氏(70)、自民・民進の2党が推薦する現職の田中純氏(71)の3名です。投開票は2月25日に行われます。
今回は、行橋駅東側の活性化を目的とした新図書館を核とする複合文化施設の建設計画の是非が争点と考えられます。
前市議の藤木氏は複合文化施設建設について「市民会館は募金で建てたもの。市民との対話なしに事業を進めるのは批判が多い」と指摘の上、「55億円もの施設で再生するより、教育や福祉に税金を使うべきだ」白紙撤回を主張しました。さらに公募彫刻展など特定事業の見直し、コミュニティーバス運行や自然公園の整備、給食費補助や返済不用の奨学金制度の拡充、起業家育成プロジェクトによる若者の定住促進などを公約に掲げました。
藤木氏は行橋市出身、県立京都高校卒業。行橋市に入庁し、市下水道課長・生活支援課長を歴任しました。2012年に市議選に当選。現在はNPO法人地球環境共生ネットワーク県理事を務めています。
元県議の岡田氏は立候補を表明した際、現市政を「公約を守っていない」と批判。現在2名の副市長を1名に減らし、国際公募彫刻展「ビエンナーレ」廃止など税金の無駄を省いて支出を減らし、道の駅新設などに取り組みたい、と述べました。複合文化施設については「契約案が通ったためにゼロベースにするのは難しい。市民の声を聞きながら市に見合った施設を作る」と市民会館から1000人収容ホールへの変更、また女性センター、児童館、公民館など市民の要望に沿った機能を備える案を示しています。さらに余った財源を教育や福祉に回し、小中学校の給食費無償化などを公約に掲げました。
岡田氏は行橋市出身、中央大学卒業。会社員や参議員秘書を経て1992年から市議を2期務めました。1999年から県議を3期務め、2014年の市長選に立候補しましたが、現職の田中氏に敗れています。
再選を目指す田中氏は1期4年間を振り返り、この3年で自主財源が毎年1.5億円程度増え、小中学校のトイレや空調の整備、海岸部のにぎわい創出に着手した点をアピール。2期目は人口10万人を目指し、複合文化施設の建設を中心とした行橋駅周辺開発に引き続き取り組みたい、と意欲を見せています。住民団体が開発計画に反対し住民投票条例の直接請求をしたことについて「計画は粛々と進める。1年の税収増収分で作ることができる」と主張しました。また、今川パーキングエリア周辺の再開発、英語とICT(情報通信技術)教育の推進などを公約に掲げています。
田中氏は京都大学教育学部卒業。1971年に大蔵省(現 財務省)に入省し、国際金融局、在ブラジル日本大使館などに在席しました。1985年に退職、田中企画の代表を務めました。2011年に県議選に当選、その後2014年に市長選に初当選を果たしました。
現職の田中氏は複合文化施設計画を引き続き進めたい考えを示し、藤木氏は白紙撤回を、岡田氏は計画の変更を訴えています。行橋市は県内でも数少ない人口増加が続いており、各候補者の町づくり政策も重要視されそうです。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします
My選挙
あなたの選挙区はどこですか? 会員登録をしてもっと楽しく、便利に。
話題のキーワード