昨年2017年は「選挙の年」でした。衆議院選挙や都議会議員選挙といった大型の選挙のみならず、山形県・岐阜県・千葉県・秋田県・静岡県・兵庫県・茨城県・宮城県・広島県といった各県で県知事選が実施されました。他にも全国各地で市長選や市議会議員選挙などが1,000件近く実施されました。
そこで、日本全国の選挙情報を網羅する日本最大級の選挙メディア 選挙ドットコムでは、昨年行われた1,000近い選挙の中から、「印象的だった」「注目していた」選挙を3つピックアップしてお届けします。
紹介者は選挙ドットコムの名物ライターさんや選挙ウォッチャー、選挙プランナーなど選挙に精通しているメンバー。これだけ見ておけば、昨年の振り返りは十分です!
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紹介者:選挙プランナー/選挙ドットコム 取締役
松田馨 選挙プランナー。株式会社ダイアログ代表取締役。1980年生まれ。2006年以降、地方選挙から国政選挙まで100を超える選挙に携わる。新聞や週刊誌上において国政選挙(衆議院・参議院)の当落予想を担当するなど、選挙区分析には定評がある。ネット選挙運動の解禁や投票率向上の活動にも長年取り組んできた。著書に『残念な政治家を選ばない技術 「選挙リテラシー」入門』(光文社新書)
新人の東修平氏(28歳)と、2期目を目指す現職の土井一憲氏(61歳)との一騎打ち。土井氏は地元で市議を4期務め、一度市長選に落選したあと2度目の挑戦で当選された歴戦の猛者。大阪維新の会の府議会議員が選対本部長を務め、盤石の体制でした。
対する東修平氏は、四條畷で生まれ育ったものの大学卒業後は市外に出ていたため、地盤=組織、看板=知名度、鞄=資金力のいわゆる「3バン」はほぼゼロからのスタート。当初は泡沫候補の扱いを受けていましたが、四條畷市の課題を徹底的に分析し、政策を伝えるビラを市内全域に何度も配布し、各地でミニ集会を開催。ビラや集会が話題となり、どんどん支持が広がっていって最後には逆転。全国最年少市長が誕生しました。
選挙は「3バン」が大切だとよく言われますが、その3バンを作り上げるのは「基盤=候補者力」であると、改めて認識させられた選挙でした。
遠い昔のことのようですが(苦笑)都民ファーストの会が55議席を獲得して躍進した都議会議員選挙。公認候補で落選者が1人だけだった都民ファとは対称的に、自民党都連は60人という強気の擁立が仇となって、共倒れや次点での落選が続出。獲得議席はわずか23議席となりました。
都民ファは風で勝ったと思われがちですが、実は綿密な情勢分析に基づく戦略的な候補者擁立が一番の勝因だと思います。希望の党が無策に候補者を多数擁立し、約8割が落選したのとは対照的でした。その後の衆院選での小池百合子東京都都知事の人気の凋落も含めて、強く印象に残りました。
個人的には接戦の選挙区において、ホームページやSNSを一切活用していない自民党ベテラン都議が落選するなど、ネット対応の積極性が明暗を分けた選挙区もあり、時代の変化を感じました。
選挙ドットコムでも度々取り上げていますが、1位となった候補者が当選に必要な法定得票である「有効投票の25%」に達しなかったため、全国でも戦後6例目の再選挙となったことで、話題になっています。
合計5人が立候補した11月の市長選では、
得票数1位が28,109票(得票率 23.6%)
得票数5位が16,778票(得票率 14.1%)
と、その差はわずか11,331でした。
また、開票後に「開票作業に不自然な点があった」等の異議申し立てが行われたことで、
年内に再選挙の日程も決まらないという異例づくめで、1月10日現時点でも再選挙の日程は未定のままです。
過去の再選挙を見てみると、得票数1位の候補者が最下位に転落したケースもあります。
立候補者に辞退者が出るのか、さらに増えるのか、投票率はどうなるのかも含めて、来年も注目の選挙です。
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