昨年2017年は「選挙の年」でした。衆議院選挙や都議会議員選挙といった大型の選挙のみならず、山形県・岐阜県・千葉県・秋田県・静岡県・兵庫県・茨城県・宮城県・広島県といった各県で県知事選が実施されました。他にも全国各地で市長選や市議会議員選挙などが1,000件近く実施されました。
そこで、日本全国の選挙情報を網羅する日本最大級の選挙メディア 選挙ドットコムでは、昨年行われた1,000近い選挙の中から、「印象的だった」「注目していた」選挙を3つピックアップしてお届けします。
紹介者は選挙ドットコムの名物ライターさんや選挙ウォッチャー、選挙プランナーなど選挙に精通しているメンバー。これだけ見ておけば、昨年の振り返りは十分です!
紹介者:選挙ウォッチャー宮原ジェフリー
選挙ウォッチャー、キュレーター(現代美術)。 1983年東京都出身。中学生時代から衆参の選挙の度に全選挙区の当落予想を続ける。ポスターデザイン、インディーズ候補、政見放送、選挙公報、街頭演説など選挙に関わること一切が関心領域。
衆議院解散総選挙と同日に実施された春日部市長選挙は4期目を目指す現職の石川良三氏と市議会議員の岩谷一弘氏の一騎打ち。自公を含め地元組織の強力な地盤を持つ現職に対し、世代交代を求める無党派層にアピールした新人が衆院選との同日選で見込まれる投票率アップを追い風にどこまで食い込むことができるかが注目されました。
現職石川氏が当選という結果になりましたが、その得票差がたったの8票(惜敗率99.98%!)という見所の多い歴史的な選挙となりました。
「都議会のドン」と呼ばれ、7期28年都議会議員を務めた自民党・内田茂氏が引退して注目を集めました。内田氏の後継者として自民党が公認した27歳の中村彩氏は小池百合子東京都都知事が塾長を務める政治塾「希望の塾」に通っていたにもかかわらず、自民党からの立候補となりました。
一方で都民ファーストの会は元警視総監で現駐ミャンマー日本大使、樋口建史の長男の高顕氏が立候補。さらに革新系は統一候補としてフリー編集者の須賀和男氏を擁立。加えて常連インディーズ候補の後藤輝樹氏まで立候補するみどころたっぷりの展開。
結果的に樋口氏が都民ファーストの会の追い風に乗って中村氏に倍近い得票で当選。投開票日前日に応援演説に立った安倍首相の「こんな人たちに負けるわけにいかないんです」という発言が飛び出したのもこの選挙区でした。
辺野古新基地建設を容認する立場の自民党系の勢力と、自民党を離脱し翁長知事・城間市長を支える立場の「新風会」を中心とした「オール沖縄」保守勢力、下地幹郎衆院議員が影響力を持つ日本維新の会といった保守勢力と、社民党、共産党、沖縄社会大衆などの革新系勢力、城間市政に中立の立場をとる公明に市民活動にバックボーンを持つ無所属の会、さらには「給食にステーキを」「琉球独立」「発明でCO2削減」「オバー力(りょく)の復活を」など独特な政策を訴えるインディーズ候補が多数立候補し、定数40に対して67人が立候補する激戦となりました。
結果、市長を支持する与党系議員が過半数割れとなり、「オール沖縄」保守系のベテラン議員が軒並み落選する一方で自民党が議席を取戻し、中立の無所属候補も多数当選する結果に。私も会期中2回現地入りして各陣営の様子をウォッチングしました。
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