年の瀬となり、一年を振り返る時期がやってきました。今年の政界では、不祥事や失言が連発しました。
そこで、お騒がせ議員の失言について、2017年上半期を調べてみました。野党の中にも失言や暴言を放った方もいるでしょうが、与党である自民党は、国民やメディアからの目も厳しく、その発言が問題視されることが多いようです。きっと、思い当たるセリフがあるのではないでしょうか?
※肩書、所属、選出選挙区はいずれも発言当時
「人事評価を下げてやる」
「お前をクビにできる」
2月16日、南スーダンPKO部隊の日報問題について、後藤氏は衆議院会館の自室で防衛省官僚から説明を受けていました。その際、書類の不備などに大声を出す、机を叩くなどをし、30代の女性官僚に対して「人事評価を下げてやる」「お前をクビにできる」といった発言をしました。
稲田朋美防衛大臣(当時)は後藤氏に対し、衆議院予算委員会で抗議することを検討しましたが、後藤氏が予算委の質疑前に防衛省幹部に謝罪。2月21日には、山井和則国対委員長から厳重注意を受けました。
「たぶん長靴業界は、だいぶ、儲かったんじゃないか」
3月8日に開催された政治資金パーティーの場で、昨年9月に岩手県の台風被害に遭った被災地を視察した際に、務台氏は長靴を持参しておらず、職員におんぶされて水たまりを渡ったときのことを「たぶん長靴業界は、だいぶ、儲かったんじゃないか」と発言。「被災者の心情への配慮に欠ける」との批判を受けました。
翌3月9日には、務台氏は「不適切だと深く反省している」と謝罪しました。菅義偉官房長官からも厳重注意を受け、同日には松本純防災担当大臣(当時)に辞表を提出。翌3月10日に内閣府政務官兼復興政務官を辞任しました。
「一番のがんは文化学芸員。この連中を一掃しないと駄目」
4月16日、滋賀県のホテルで開催されたセミナーで、文化財を活用した観光振興について「一番のがんは文化学芸員。この連中を一掃しないと駄目」と発言しました。
山本氏は4月18日の参議院内閣委員会で、「言い過ぎで、不適切だった。大変申し訳ないと反省している」と失言について謝罪。発言の意図について、「インバウンド政策を推進するには、学芸員にも観光マインドを持ってもらいたい」との趣旨だったと説明しました。
「まだ東北で、あっちの方だったから良かった」
4月25日、所属する派閥のパーティーで講演した際、今村氏は東日本大震災の被害について「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると、莫大な、甚大な額になった」と発言。
同パーティーには安倍総理も出席しており、「東北の方々を傷つける極めて不適切な発言だ。おわびをさせていただきたい」と謝罪をしました。今村氏は記者団に「首都圏で防災対策をする」という意図だったと釈明したものの、すぐに謝罪。同日中に辞意を表明し、翌日には復興大臣を辞任しました。
「(がん患者は)働かなくていいんだよ」
5月15日、自民党厚生労働部会において、がん経験者である参議院議員・三原じゅん子氏の答弁に対し、大西氏は「(がん患者は)働かなくていいんだよ」とヤジを飛ばしました。
大西氏は5月22日に都内で会見を開き、がん患者・元患者へのお詫びとともに、三原じゅん子議員へのヤジについて「失言だった。率直に認めて、厳しく戒めたい」と非を認めました。また、がん患者や元患者への配慮をしつつ就労支援していくと約束。翌日には失言の責任を取り、都連副会長を辞任しています。
「大量の陳腐な」テレビCMを流している美容外科があるとして、
「皆さんよくご存じのイエス○○クリニックみたいに」
5月17日の衆議院厚生労働委員会において、大西氏は美容外科の広告規制に関し、「大量の陳腐な」テレビCMを流している美容外科があるとして、「皆さんよくご存じのイエス○○クリニックみたいに」と発言。
5月19日には美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が、同クリニックに対する名誉毀損により1千万円の損害賠償を求め、東京地方裁判所に提訴しました。大西氏は「質疑全体を見れば名誉を毀損する内容でないと理解してもらえると思うが、不快な思いをされたとしたらお詫びしたい」と謝罪しました。
「この、ハゲーーーーーっ!」
「これ以上私の評判を下げるな!」
6月22日付けの「週刊新潮」で、豊田氏の男性秘書への暴言・暴行が掲載されました。殴る蹴るなどの暴行は断続的に行われ、「この、ハゲーーーーーっ!」「これ以上私の評判を下げるな!」といった豊田氏が叫ぶ模様などが「デイリー新潮」が投稿した動画に公開されました。
同日、豊田氏は自民党に離党届を提出。10月の衆院選では無所属で立候補したものの、得票数は前回の4分の1に激減し、選挙区の立候補者5名のうち最下位で落選しました。
「(豊田真由子氏は)かわいそうだ。男性の衆院議員なら、あんなのはいっぱいいる」
6月22日、豊田真由子氏の週刊誌報道について、河村氏は「かわいそうだ。男性の衆院議員なら、あんなのはいっぱいいる。気持ちは分かる」と発言。「録音して(週刊誌に)持ち込むなんてあり得ない。いくらパワハラがあったとしても、選挙をやる者なら怒る」と語っています。
河村氏はその後、自身のFacebookで発言を撤回しています。
「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」
6月27日、都議選の自民党公認候補の応援演説において、稲田氏は「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言。防衛大臣が所属政党の公認候補への支持を訴えることは、自衛隊法61条にも抵触しかねないとの批判がありました。
稲田氏は6月30日の記者会見で、自らの発言について「改めて『防衛省・自衛隊、防衛相』の部分は撤回し、おわびしたい」と公の場で謝罪を行いました。
「よく変なものを打ち上げてくる国がある」
6月29日、都議選の候補者を応援する集会において、北朝鮮を指して「よく変なものを打ち上げてくる国がある」と発言。その際、精神障害者に対する差別的な表現を使用しました。
後に二階氏は、「表現として必ずしも適切でないものが一部あった。そのことを率直に申しあげて今後、注意していきたい」と記者団に釈明しています。しかし翌日、別の都議選応援演説の場で、「言葉一つ間違えたら、すぐにいろんな話になる」とメディア批判をしました。
政治家の失言が頻発した2017年上半期。記憶に新しい発言もありましたね。選挙で国民の信任を受けた政治家は、公の場での発言にはより一層の気配りが必要でしょう。来年は失言が世間を騒がせないよう、祈りたい思いです。
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