
ゴミ処理施設の業務の入札をめぐる汚職事件で市長が逮捕・起訴され、辞職したことに伴う上尾市長選が12月10日告示されました。立候補したのはいずれも無所属で新人の鈴木茂氏(62)、秋山かほる氏(62)、畠山稔氏(68)、石山勝朗氏(84)の4名です。投開票は12月17日に実施されます。
今回は上尾市発注のごみ処理業務をめぐる入札妨害事件により前市長が辞職、逮捕されたことに伴う選挙となりました。主な争点は市政の立て直し、汚職の再発防止策、図書館移転計画の賛否などが考えられます。
鈴木氏は「これまで一貫して汚職事件を取り上げてきた」とアピールしています。「市政の立て直しのために腐敗政治との決別を」と述べ、市政の信頼回復のため民間委託契約や入札の透明化、情報公開制度の確立、コンプライアンス室の設置などを政策に掲げました。また子育てや教育、福祉にも力を入れ、若者の定住を目指すことも公約とし、上平地区への図書館移転計画については一旦凍結し市民の意見を聞きたい考えです。
鈴木氏は明治大学法学部卒業。中学校教諭や全埼玉私立幼稚園連合会理事を歴任し、上尾市議を2期務めました。
元市議の秋山氏は「これまで湯水のようにお金を使い、大きな土地を購入し、大きな建物を作ってきた」と市政を批判。「大規模な箱物建設や不透明な委託料などをなくし、予算を付けたい」との考えを示しています。また、住み良い上尾市を実現するために子育て世代を呼び込み、介護予防や高齢者向けの施策を展開したい、と意欲を見せました。賛否が分かれている図書館移転計画については、本館は改修し、分館を移転予定地に整備する考えです。
秋山氏は駒澤大学中退。平方地区子ども会育成会長や市消費者団体連絡会長、上尾市議を歴任。現在は有機農業家や食生活アドバイザーとしても活動しています。
畠山氏は「疑惑のないクリーンで住みよい上尾を目指したい」と市政の刷新に意欲を見せています。汚職事件を受け、第三者委員会の設置による調査や談合防止条例の制定などを政策に掲げました。また「子育て世代やシニア世代が活躍できる街」「市政の透明化の推進」「NPO支援の拡充」を目指したい、と意欲を見せています。
畠山氏は千葉工業大学卒業。非鉄金属製造会社員を経て市議、県議を務めました。民進党研幹事長を歴任したほか、現在は日本空手協会の県本部会長としても務めています。
元都市計画コンサルタント会社社長の石山氏は、これまでの経験を存分に活かし上尾市を立て直したい、と意欲を見せています。「これまでの深い経験によって汚職事件後のピンチを救いたい」と述べ、市政の立て直しを訴えました。また街づくりのための公約として共用の納骨堂を備えた共同墓地の整備、財政計画再建などを掲げ、図書館移転は計画通りに進め、「向山地区に博物館、美術館、図書館を併設した新施設を別途整備したい」との考えを示しました。
石山氏は北海道大学卒業。県職員や高知県都市計画課長を経て都市計画コンサルタント会社社長に就任しました。
今回は失墜した信頼を取り戻すという大切な役割を担うことになります。また図書館移転は賛否あり、住民投票の実施を求める署名運動も起こる事態となりました。こちらも票の行方の決め手となりそうです。
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