女性として2人目の防衛大臣になった、稲田朋美(いなだともみ)氏。2005年に弁護士から政治家へ転身し、衆議院議員として現在4期目を迎えています。
稲田朋美氏は1959年2月20日生まれの58歳。福井県今立郡今立町の出身です。父親は、「保守の立場に立った政治勢力の結集を見据え、機動的な国民運動を展開する」ための国民運動体「頑張れ日本!全国行動委員会」の京都本部代表、福井県支部相談役をつとめた人物です。
1977年に京都府立乙訓高等学校卒業後、早稲田大学法学部に入学。司法試験受験を決意し、1981年に早稲田大学法学部を卒業後、猛勉強の末に1982年に司法試験に合格します。当時は1日、16時間にも渡って勉強をしていました。
1983年に司法修習生、1985年には弁護士登録を果たしました。その後、弁護士の稲田龍示氏と結婚し、弁護士事務所で5年勤務するも出産を機に退職しました。
稲田氏の弁護士としての仕事には、「百人斬り」名誉棄損訴訟があります。戦時中に戦意高揚のために書かれた記事の真意を巡り、毎日新聞や朝日新聞を相手取って訴えを起こした遺族の原告側代理人弁護士となりました。この訴訟は最高裁で結審し、毎日新聞・朝日新聞などが勝訴、原告側が敗訴という結果になったものの、稲田氏の名前を一躍有名にした出来事でした。
こうした活動は行なっていたものの、稲田氏自身は政治家には興味がありませんでした。しかし、2005年の郵政解散選挙の直前、自民党本部で「百人斬り競争」についての講演をしたところ、当時の安倍晋三幹事長代理の目に留まり、政界入りする事になります。郵政民営化法案に反対した議員への刺客として、福井1区から自民党公認候補として出馬。第44回衆議院議員選挙で、51,242票を得て初当選しました。
2期目となる2009年の第45回衆議院議員選挙では、72,639票を得て再選を果たしました。その後、法務委員会理事、党副幹事長、政務調査会法務部会長などの要職を経て、2012年の第46回衆議院議員選挙では、68,027票を得て3期目の当選を果たします。さらには、内閣府特命担当大臣、行政改革・公務員制度改革担当大臣、クールジャパン戦略担当大臣、再チャレンジ担当大臣、国家公務員制度担当大臣と、大臣職も歴任しています。2014年には、自由民主党政務調査会長に就任。第47回衆議院議員選挙では、116,855票を得て当選。現在は4期目の途中です。
そして2016年8月3日には、第三次安倍改造内閣の閣僚人事で第15代防衛大臣に任命されます。女性の防衛大臣としては、2007年の小池百合子氏に次ぐ2人目です。
国会で野党から追求が激しくなっている稲田氏ですが、過去のインタビューでは、「小さい頃から母に『運がいい子』と繰り返し聞かされていたので、今でも『私は運がいいから大丈夫』と信じている所があります。追い詰められたときには自分に言いきかせますね。」と述べています。この発言のように、今回の疑惑も無事に晴らすことができるのでしょうか。
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