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安倍総理が拍手と起立をさせた 日本の国会ではないと言われて怒る資格はない

2016/10/3

猪野 亨

猪野 亨

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安倍晋三内閣総理大臣の所信表明演説の中で、自衛隊、海上保安庁、警察が国境警備にあたっており、これに「今この場所から、心からの敬意を表そう」と発言し、自民党議員が総立ちになり拍手するという一幕が、日本の国会で行われました。

自然発生と言っていたものが、実は国対委員長を通じて「指示」が飛んでいたことが露見しています。
しかし、安倍氏はあくまで自分は「指示」していないと言い張っているのです。
しかも、米国議会では一般的だとも言って。
参照
安倍首相の所信表明演説での起立・拍手は「私が促したわけではない」はお子ちゃまの理屈。」(Everyone says I love you !)

以前から安倍氏は、同じレベルの「指示」はしています。
かつての衆議院選挙ですが、当時の枝野幸男幹事長の選挙区を日の丸で埋め尽くせというようにです。
安倍自民党政権の卑劣さ 反対派であれば冷遇が当然 沖縄に対するこの差別意識丸出しの幼児レベルの人たち

こういった軍師気取りの態度が露骨なのが安倍氏です。
自分に反抗する人たち、といっても真っ向から反対するレベルでなくても自分の意向に反することは一切、許さないという姿勢があまりに露骨でした。
野田聖子氏はなぜこれほど総裁選出馬にこだわるのか?」(産経新聞2015年9月7日)
「昨年5月に2人の関係は決定的に壊れた。野田氏が雑誌「世界」で、集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈変更を進める安倍政権の姿勢に疑義を呈したことが原因だった。
野田氏は同誌に「自衛隊は軍になり、殺すことも殺されることもある。いまの日本に、どれだけそこに若者を行かせられるのでしょう」とも記した。
党の最高意思決定機関である総務会の長にこんな論文を書かれては、首相の面目は丸つぶれだ。首相は激怒し、「野田聖子なんかを信用した自分がバカだった」と周囲にぶちまけたという。」

これに対して、民進党の細野豪志代表代行の指摘が圧巻でした。
起立・拍手めぐり討論 細野氏「この国の国会ではない」 首相、声荒らげ「どの国なのか?」」(朝日新聞2016年10月1日)
「自衛官や海上保安官に拍手をしているというログイン前の続きより、首相に拍手をしているように見える。首相ご自身も本会議場の壇上で拍手をしている姿を見ると、この国の国会ではないんじゃないかという錯覚すら覚えた」

その通りです。自民党議員は、安倍氏に対して拍手喝采をしたのです。
安倍氏のご機嫌を損ねてはならないという暗黙の了解が自民党全党を覆っているのです。
安倍氏の機嫌を損ねないようにするため、側近たちが奔走する姿です。
これで、安倍氏が「私は指示していない」などと言っても全く説得力がありません。
「「私が許せないのは、どこかの国と同じだと。どの国なんですか?」と声を荒らげた。」(前掲朝日新聞)

どこの国?
北朝鮮に決まっているでしょう。わかりませんか。安倍氏は、金正恩氏と全く同じなんです。
北朝鮮指導部は、いつ粛正されるかわからないから、いつもピリピリして機嫌取りに奔走する構図ですが、安倍氏も同じようなことを党内で行っているのです。
金正恩氏が人民がみな「自発的」に賞賛しているだんと言っていると全く同じだということを理解できない安倍氏は、「お子ちゃま」でしかありません。

 

 

これが日本の政権政党であること、本当にこれでいいのですか。

単に米国議会ではスタンディングオベーションは当たり前などという問題ではありません。
この異様な安倍自民党に対して、誰もが違和感を持っているのであって、問題をすり替えてはいけません。
雰囲気で立ってしまった小泉進次郎氏が違和感を述べたのは、それでも真っ当だと言えます。

それから安倍氏の呼び掛けは、あからさまに軍優先思想です。
首相、自衛隊など「心から敬意」 一斉起立・拍手問題で」(朝日新聞2016年9月29日)
「民進党の小川敏夫参院議員は「首相が自衛官らだけを特別に取り上げて尊敬の対象とするのは、あなたの心の中に国民よりも軍隊優先という考えが潜んでいるからではないか」と質問。」

この質問も見事なまでに本質を突いています。
安倍氏の答弁が滑稽です。
「「国民のため現場で厳しい任務を全うする海上保安庁、警察、自衛隊の諸君に対し、心からの敬意をあらわそうと申し上げた」と説明し、その上で、「文脈をご理解いただきたい。国民よりも海上保安庁、自衛隊、警察が優先するなどという考えは根本的に間違っているだけでなく、彼らの誇りを傷つける」」(前掲朝日新聞)

どう読んでも軍優先思想なのです。国民のために闘っている自衛隊らの諸君に対する敬意だというのですから、軍優先思想がなければ、あのような国会でのパフォーマンスはできません。
安倍氏にとって敬意を表される対象は、軍、警察なのです。

※本記事は「弁護士 猪野 亨のブログ」の10月2日の記事の転載となります。オリジナル記事をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。

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猪野 亨

猪野 亨

1968年生まれ/1992年北海道大学法学部卒業/1998年弁護士登録/2000年いの法律事務所開設 司法改革から政治経済、世界情勢にいたるまで幅広く意見を発信している。 法科大学院の廃止、弁護士人口激増の阻止、裁判員制度の廃止へ向け精力的に活動中。

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