公益社団法人 東京青年会議所とウルトラボートプロジェクトin東京によるイベント、「東京都知事選公開討論会~若者からの質問!!~」が7月12日、東京港区・赤坂コミュニティぷらざにて行われました、登壇者は主催者により選ばれた予定候補5名と都内の大学生7人、そしてコーディネーターの原田謙介氏でした。
まず、予定候補者には○と×のフリップにより、以下の3点について是非を問いました。
自民党分裂選挙となった今回の都知事選、小池氏に対抗して擁立されたのが増田寛也予定候補です。
第一次安倍政権で防衛大臣となったタカ派色のある小池氏に対し、働き方改革、地方との共生、異文化交流、教育の平等化や障がい者対応など、やや力強さに欠ける印象もありましたが、自民党推薦ながらリベラル寄りの視点を示しました。その他、首都直下型地震対策なども訴えました。
登壇者の中で最年長である山口敏夫予定候補は、東京五輪について「血税が5兆円失われていて、老若男女『やめろ』と怒っている」、政治家について「強い不信を持たれているから、(政界引退したが)今回出馬した」、戦争教育について「日本の加害者としての面も伝えるべき」などと、鋭い言論が光りました。
一方「親は親たらずとも子は子たれ」と発言するなど、やや古風さも感じさせました。
宇都宮健児予定候補は弁護士として、弱者に寄り添った活動に多く携わり、都知事選には3回目の出馬となります。
「一般・特別会計が13兆円の自治体なのに、福祉などが重視されていない」「(東京をより国際化するために)排外主義の払しょくや多様性の受け入れを」「(貧困含む)どんな家庭に生まれても高等教育を受けられる制度を」など、人権派的な訴えを展開しました。
一方、東京の強みを活かすような提言に乏しかった面も。
地方行政の長としての経験を多く持つ中川暢三予定候補は、「東京は地盤沈下しているが、人や文化など資源はある、しかし行政が非効率的」と指摘した他。教育格差是正に給付型奨学金導入が叫ばれる中、私立学校進学を促すため、貧しい家庭に教育費補助を行う「バウチャー制度」の導入を訴えたのが印象的でした。
しかし、「バウチャー」という今の日本ではあまり聞きなれない言葉を用いていたため、やや分かりにくいようにも感じられました。
「後出し有利」という都知事選にあって、早くから出馬表明し、不利が危ぶまれていた自民党の小池百合子予定候補。
しかし、「女性に『育児か仕事か』を迫る国はめったにない」「(教育について)他国に比べ教科書が薄い」「使える英語教育を」など、女性という立場や通訳などの経歴を活かした発言で存在感を強く出しました。
一方で治安強化や「偏向教育」のチェックなど、タカ派らしい意見も。
私の感想として、どの予定候補にも納得できる点があり、千葉県民なので都知事選へ投票できないことに口惜しさを感じる討論会でした。
しかし、時間の都合からか、学生数名から質問があったものの、若者と討論するような展開があまりなかったのが少し残念でした。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします
My選挙
あなたの選挙区はどこですか? 会員登録をしてもっと楽しく、便利に。
話題のキーワード