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進化するネット選挙「神奈川県の期日前投票所マップ」提供の狙いとは

2016/6/24

山本洋一

山本洋一

7月10日投開票の参院選は、インターネットによる選挙運動が解禁されてから3回目の国政選挙です。あの手この手で候補者の活動をアピールする陣営が多い中、一風変わった取り組みをしている陣営があります。

 

神奈川県内141か所の期日前投票所が一覧に!

「期日前投票所の一覧をGoogleマップで作りました」。神奈川県選挙区に無所属、自民党推薦で立候補している現職の中西健治氏は参院選告示日の22日、自らのツイッターにこう書きこみました。
リンクをクリックするとGoogleの地図アプリ「Googleマップ」の中に赤い雨粒のようなマークがズラリと並んでいます。一つ一つのマークが神奈川県内141か所の期日前投票所を示しており、マークをクリックすると住所や投票時間を確認できる仕組みです。
 >> 神奈川県の期日前投票所マップ-中西健治(参議院選挙 神奈川選挙区候補・自民党推薦)作成

神奈川県選挙管理委員会でも期日前投票所の一覧は公開していますが、ホームページの中から見つけるのは容易ではありません。しかも、PDFに投票所の住所などを羅列しているだけで、詳しい場所を調べるには別の地図やアプリを使わなければなりません。
一方、中西陣営作成の「期日前投票所マップ」は地図上で、自宅近くの投票所を手軽に見つけることができます。明らかに選管の一覧表より便利と言えます。

 

便利なMAP。その裏にある狙いとは

2013年に解禁されたインターネット選挙といえば、演説の動画を配信したり、選挙活動の様子を写真で紹介したり、演説会の日程を案内したりするのが定番。中西氏のように一見、集票にはつながりそうにない取り組みはあまり見かけません。
中西氏陣営は「『期日前投票や不在者投票制度などの利便性を上げ、選挙権行使機会の向上につなげるべきだ』という候補者の持論の実践」と説明していますが、中西氏は効率性を重視する元外資系金融機関出身だけに、別の狙いがあるように思えてなりません。そのヒントは神奈川県選挙区の選挙区事情にありそうです。

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神奈川選挙区は4つの当選枠に、12人が立候補している大激戦区。各メディアの情勢調査によると、知名度で勝る自民党公認の現職で、元女優の三原じゅん子氏が優勢。残る3枠を中西氏と公明党新人の三浦信祐氏、民進党現職の真山勇一氏金子洋一氏、共産党の浅賀由香氏の5人で激しく競う展開となっています。
自民党内では麻生太郎元首相が中西氏を後押ししていますが、自民党の支持層の大部分は公認候補である三原氏を支持。中西氏が勝ち上がるには無党派層に支持を広げなければなりません。そして、無党派層が選挙に行かなければ中西氏に勝ち目はありません。

巧妙な使われ方が増えるネット選挙

「期日前投票所マップ」の提供には無党派層に投票に行ってもらい、投票率を押し上げて戦いを優位に進めたいという深い理由があったのです。
国政では3回目となったインターネット選挙。政党や候補者たちの論戦にも注目ですが、各陣営のネット戦略からも目が離せません。

神奈川選挙区にはこのほか、いずれも新人で幸福実現党の壱岐愛子氏おおさか維新の会の丹羽大氏社会民主党の森英夫氏日本のこころを大切にする党の清水太一氏支持政党なしの片野英司氏無所属の佐藤政則氏が立候補しています(届け出順)。

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山本洋一

山本洋一

元日本経済新聞記者 1978年名古屋市出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。政治部、経済部の記者として首相官邸や自民党、外務省、日銀、金融機関などを取材した。2012年に退職し、衆議院議員公設秘書を経て会社役員。地方議会ニュース解説委員なども務める。

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