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「花粉が出ない」そんな魔法のようなスギが実現!?松沢成文参議院議員インタビュー(2/3)

2016/4/8

小窓(ペンネーム)

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「花粉が出ない」そんな魔法のようなスギが実現!?松沢成文参議院議員インタビュー(2/3)

知事時代から「花粉症対策」に取り組んでいた松沢参議院議員。さまざまな施策を打ち出し、徐々に成果を上げているようです。インタビューPart2では、花粉症に苦しむ皆さんが待ち望んでいる「花粉が出ないスギ」など、具体的な施策についてのお話です。

 

花粉が出ないスギが救世主になるのか!?

まず、行うべきはスギの品種改良です。
今、少花粉スギ・無花粉スギというのを、神奈川県の品種改良センターで開発しています。林野庁でもやっていますけど、いろんな木を交配して「花粉が出ないスギ」ができてきています。

ただ、苗を植え、挿し木をしますから、量があまりつくれなくて価格も高いので、今は植えているスギ全体の1割くらい。残りの9割は何を植えているかというと、普通のスギを植えているのです。そうなると、また40年後に花粉を出しますよね。

対策として、ひとつは「花粉を出すスギを植えてはならないという」法律か条例をつくる。
これは、林業者や地主さんの意見も聞かないといけないですし、「普通のスギを植えたい」という人もいるでしょうから、なかなか難しい面もあるかもしれません。
他には、「売買できるのは無花粉スギのみ」にするとか。そうすると、今は1割でも、だんだんと無花粉スギにかわっていきますよね。どこまで強制できるかどうかですね。財産権の問題もあります。

 

木の植えかえで観光客が増える?

(木を植えるときに)「スギでなくてもいい」という人には、昔から日本の山にある自然林になるように対応していただく。
これは観光資源になりますよね。桜や新緑、そして秋には紅葉が素晴らしい山になる。それを楽しみに観に来る人も増えます。人を呼べるようになります。

それに「広葉樹は緑のダム」といいますけど、水の保水機能が高いです。(スギやヒノキなどの)針葉樹は手入れをしないと、地面に光が当たらなくて他の植物が育たないし、根も浅いので治山機能も水源涵養機能も弱い山になってしまう。自然林に近い広葉樹を植えることで、豊かな森林を取り戻せるのです。

50年くらいはかかるかもしれませんが、首都圏の近くの山から花粉を出す木がなくなっていって、四季折々の景色が楽しめ山になれば素晴らしいじゃないですか。

 

木を切っても儲からない!

花粉を減らすためにも、広葉樹などの自然林に戻して維持するためにも、木を植えかえなくてはいけません。るそのためには、今ある木を切り出さないといけませんよね。し、林業の採算がとれるようにしないといけません。
国有林だと「どうにかしないとけないな」「自然環境のために税金を使ってなんとかしよう」ということになるだろうけど、民間が保有する民有林については「木を切り出すとお金が“かかる”」から「木を切り出すとお金に“なる”」へ、経済構造を変えていかないといけません。

例えば間伐材です。材木として使えるようになる前に間引いたものは、今は使い道がないので、切っても山の上に置いて腐らせています。

木を山の下に降ろすにもコストがかかるから、需要をつくらないと。間伐材のその後の使い道を考えないといけないですよね。需要があれば、地主さん達は、今ある木を切り出して山から降ろせばお金になる。だから切ろう! ということになるわけです。

 

災害対策にもつかえる「木材」の意外な活用法とは

そこで今、私が考えていることのひとつが、液状化対策です。
日本は地震が多いでしょ。地下水位が高い地盤だと、液状化が起きやすい。その対策のために1m四方ごとに4〜5mくらいの丸太打っていくと、液状化しにくいのです。

「丸太打設工法」といいますが、これは、いくつかの企業が社会実験をしていて、対策ができるということが分かってきています。千葉市美浜区内の民間分譲住宅の造成地でも採用されました。この丸太に間伐材を利用することで需要が起きるし、施工業者はコストを削減することができるのです。

ふたつ目は、「ガードレールを木製」にすることです
ガードレールは、白い鉄の棒に鉄の板でしょ。知事時代、神奈川だと箱根駅伝があって、5区や6区は山上りですよね。そのとき、「箱根の景観に合ったガードレールはないのか?」と思いました。しかし、木のガードレールだと強度がない。

それで国土交通省に聞いたら「強度が保証できるならいい」ということだったので、普通のガードレールに間伐材を貼り付けたのです。前から見ると木製のガードレールに見えます。それが駅伝のときにテレビに映りますよね。そうすると宣伝になる。景色にマッチしていると評判になれば全国に広がり需要が喚起されるかもしれない。それで、国道1号線沿いのものを、全部つくりかえました。

 

どのようにして「木材需要」をつくりだすのか 松沢議員の挑戦とは

こうやって、木が何かに使えるという「需要」をつくらないと、木を山から降ろしてくれないわけですね。ただ、液状化対策やガードレールだけだと、まだ需要が小さいんです。

もっともっと、大量に使えると大きな需要が起きて経済が復活するし、林業も復活しますよ。
今は木を切るだけ損をするわけですから、ほったらかしにしているのです。

ビジネスモデルを作らないといけません。もう少し知事をやっていれば、神奈川県で先行事例をつくれたかもしれませんね。

 

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小窓(ペンネーム)

20歳頃から出入りしていた編集部から声をかけられたことをきっかけに雑誌編集者となり、Web編集者に転じる。その後、ひょんなことから取材活動を始める。現在、政治を勉強しながら執筆活動など。猫2匹と同居中。

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