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【華麗なる転身】政治家からYouTuber! 元衆議院議員・元横浜市長の中田宏さんインタビュー(中編)

2016/6/4

小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

YouTubeにチャンネルを開設した、元衆議院議員・元横浜市長の中田宏さんは、政界を去った今も、エネルギッシュに活動を続けています。その理由について質問すると、「行政を経験した”自分の役割”」であり「より良い日本にしたい」という思いがあると返ってきました。
その言葉通り、実際の行政での経験も織り交ぜながら、毎日、配信される動画では、マスコミ報道だけでは見えてこない部分にスポットを当て、時事問題の表面だけでなく、その背景も読み解いています。中田さんが目指す「より良い日本にする」ために、必要なことは何か、伺いました。(インタビュー前編はこちらから)

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-私たち一般市民からすると、行政の細かな部分、例えば手続きなどは見えない・分からないことが多いです。
国民一人ひとりが質問・疑問を直接総理大臣や首長に聞けるわけではありません。だからメディアの記者は国民を代表して質問をし、回答を得ていると言えます。メディアが報じなければ、国民には分からないというのは、当たり前です。メディアは民間ですが、そうした役割・使命を担っています。
横浜市長時代は、週に1回記者会見を開き、1時間ほど質問に答えていました。報道を観て分かるように、総理大臣も、記者の質問に答えているでしょう。
国民に理解が進んでいないとすると、それはメディアが本来の役割を果たせていないとも考えられます。そうであるなら、誰かがやらなくてはいけない。私が「分からないことを分かりやすく」「表面上のことだけではなく『なぜそうなっているのか』という構造」を解説することは、行政の中にいた人間でなければできないことですから、「自分の役割」だと思ってやっています。

-メディアは、センセーショナルな話題を選び、本質的な部分は取り上げられにくいです。
その通りです。メディアは「重要度」ではなく「関心度」で報じています。しかも、その関心度は、本当に国民が知りたいものかどうか?ということについては疑問で、メディアにとっての関心度であることが多いです。
もう一つは、不祥事や問題発言を報じるケースは多いですが、重要なこと・正しいことを報じていないことがあります。法令違反等については、メディアは自分で判断することなく「捜査が入った」などの事実を客観性を担保して、いくらでも報じることができます。一方で、正しいこと・良いことに関しては、「なぜ正しいのか」「なぜ良いか」を、発信者が考えなければいけなくなります。それを避けているメディアは多いのではないかと思います。

-正しいと言うなら責任も生まれます。行政については分からないことも多く、間違った認識のまま議論が進んでしまうことも考えられます。

「中田宏チャンネル」を毎日観ていただくと、だんだんと社会の構造が体系的に分かってくると思います。それを受けて「さあどうする?」という、社会のソリューション、政策論については、様々な方法論がありますから、皆さん方一人ひとりが議論していくことが大事だと思います。
ただ、その根底となる「どういう構造になっているのか?」という部分がないまま、どちらか一方の立場に立った情報のみで、一面的な議論をしていたら、時にはエゴの主張になりかねません。
例えば「保育園問題」が話題なら、行政の実態だけでなく、保育園に入れないという主張の背景・その理由についても伝えます。テレビのニュースだけだと、聞きかじりにしかならないので、「中田宏チャンネル」を観る方が、世の中に対する造形が深まりますし、そうなるよう心がけています。

-動画だけでなく、BLOGSに動画をテキスト化して掲載される記事の反響も大きいです。
それはありがたいことです。この動画やブログを毎日、10万人の人が観るようになったら、次のステージに行くのではないかと、勝手に期待しています。更に、100万人が観るようになったら、政治リテラシーが上がり、議論できる日本になるのではないかと思いますし、「おまかせ民主主義」ではなくなると思っています。
日本社会をより良い社会にするための議論、そのためには議論できる社会にしていくことが必要ですがまだまだ遠いですね。

-日本人はディベート(議論)が苦手といわれますし、公の場で政治の話題はしないことが、社会のマナーのようにいわれます。
まさにこれが、日本の政治を放置してきた「おまかせ民主主義」の大きな原因ではないでしょうか。会社や友達同士でも、「政治と宗教の話はナシ」「こういう場ではやめましょう」となってしまう。
社会に対する闊達(かったつ)な議論があれば、考えるようになります。それは宗教についてもいえることで、特定の宗教をお勧めするつもりはないですが、日本人から宗教観がなくなっているのも同じことだと思います。
論ずる機会がなければ、考える機会もないですから。

-意見が対立する場合、議論ではなく喧嘩になるケースも見受けられます。
「学校等でディベートをしないから、日本人は議論が下手だ」と言われていて、私もそう思います。
議論することと、その人の好き嫌いの区別も必要です。「意見は違うけど、アイツいい奴だよな」ということもありますから。意見が違うからと人格否定するのも日本人の良くないところだと思います。
そもそも、意見の違いは当たり前だということを前提に、社会を論ずることが、もっとできる社会にしたいですね。議論をすることで、当事者意識が出てくるのではないかと思います。(後編へ続く)

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小窓(ペンネーム)

小窓(ペンネーム)

20歳頃から出入りしていた編集部から声をかけられたことをきっかけに雑誌編集者となり、Web編集者に転じる。その後、ひょんなことから取材活動を始める。現在、政治を勉強しながら執筆活動など。猫2匹と同居中。

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