この夏に行われるリオ五輪の出場権を手にしたサッカーの手倉森日本代表(U23)には、外国出身の親を持つ選手が大活躍しました。久しぶりに日本人優勝した大相撲の琴奨菊関、2012年夏場所で優勝したモンゴル出身の旭天鵬関は当時既に日本国籍を取得している帰化力士になります。
アスリートだけではなく、ビジネスなど、日本という国全体でグローバル化が進むこの時代に、国会議員に外国出身の人はいるのか、国籍を取得したら政治家になれるのでしょうか?
そもそもどんな人が国会議員になれるのでしょうか?要件はいたってシンプルで、衆議院議員であれば「日本国民で満25歳以上であること」(参議院議員は満30歳以上)だけです。(公職選挙法10条)つまり、現在の制度では国会議員になれないのは、日本国籍を取得していないか、満25歳未満(満30歳未満)の人だけということになります。
次に日本国籍を取得する方法ですが、日本国民の多くは、「出生の時に父又は母が日本国民であるとき」(国籍法第2条)という条件を満たしているので、出生届が出されたらその時点で日本国民になったということになります。
日本で一般的にハーフ(ダブルと言うことも)と言えば、多くの場合、「日本人と外国人の間に生まれた人」のことを指します。そのため、基本的に出生届を出したら日本国民になれますし、もしも外国籍を取得すれば外国人という扱いになります。外国籍の方が、日本に住んでいて日本国籍を取得したい!と考えた場合、次に紹介する「帰化」という手順をとります。ということは、日本人と外国人の間に生まれ、外国籍を選択した後に、日本で議員になりたい場合は、帰化をする必要があります。
外国人はそのままでは国会議員になれませんが、日本国籍を取得すれば話は別です。外国人が日本国籍を取得することを「帰化」といいます。ただ、その要件は厳しく、日本に5年以上住んだ上で、法務大臣の許可を得なければなりません。また、日本では複数の国籍を持つこと(重国籍)はできないので、日本国籍を取得したら、もともと持っていた国籍は放棄しなければなりません。
しかし、帰化さえすれば日本人ですから、帰化した時点で国会議員の要件を満たすことになります。つまり、出生時から日本人であろうと、帰化した日本人であろうと、何の区別もありません。
公式HPで確認できる、ハーフの国会議員、もしくは帰化出身の国会議員は現在2人います。民主党の蓮舫議員と白真勲議員です。
蓮舫議員は1967年台湾人の父と日本人の母のもとで生まれ日本で育った後1985年に帰化して日本国籍を取得しています。一方、白真勲議員は1958年韓国人の父と日本人の母のもとで生まれ日本で育った後に2003年帰化して日本国籍を取得しています。
蓮舫議員や白真勲議員は日本で生まれ育った例ですが、少し前までヨーロッパ出身の国会議員もいました。ツルネン・マルテイ氏です。マルテイ氏は1940年フィンランドで生まれ、キリスト教宣教師として1968年来日後1974年日本人の女性と結婚し、1979年帰化しました。そして2002年参議院議員に当選し2013年まで務めました。日本初の欧米出身国会議員ということで当時話題になりました。
現在日本には220万人弱の外国人が在留し、年1万人前後帰化しています。現在それをはるかに上回るペースで人口減少が起きていますが、その中で少しずつ帰化された方の占める割合が大きくなっています。帰化された方の議員が増えて、より柔軟な制度や仕組みが生まれるかもしれません。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします
My選挙
あなたの選挙区はどこですか? 会員登録をしてもっと楽しく、便利に。
話題のキーワード