3年前の今日、12月16日に第46回衆議院議員選挙が行われ、自民党が圧倒的な得票数で大勝し、民主党は現職大臣も落選するなど歴史的大敗となりました。同年12月26日には第2次安倍内閣が発足し、政権交代から今に至るまで約3年という長期政権の始まりとなりました。

一体、自民と民主の衆院議席がどのように入れ替わったのでしょうか。グラフをもとに2009年の民主党が大勝した「政権選択選挙」まで振り返り、以降の各党の議席の推移を見ていきたいと思います。

第45回衆議院議員総選挙（2009年8月30日 ）

早稲田大学マニフェスト研究所サイトより

【概要】
自民の麻生太郎首相は、支持率が低迷する政権の信を問うとして衆院を解散。自民か民主か、事実上の「政権選択選挙」となりました。その結果、民主が単独で308議席を獲得し歴史的大勝をおさめました。自民は181議席を失い、結党以来続いた衆院第1党の座を失いました。

【話題】
2007年の参院選では、自公が大敗し民主が第1党となるなど、衆参ねじれ国会が続いていました。歴代内閣も変わり続け、世界的金融危機の影響も影を落とす中、政権に批判的な世論を追風に民主党が大躍進。投票率は平成に入ってからは最高の69.28%を記録。民主のキャッチフレーズは「政権交代。国民の生活が第一。」でした。

第46回衆議院議員総選挙（2012年12月16日）

早稲田大学マニフェスト研究所サイトより

【概要】
民主の野田佳彦首相は、消費増税法案の成立後「近いうち」に国民に信を問うと発言、3ヶ月後に衆院を解散し総選挙となりました。その結果、民主は173議席失い、57議席という結党以来最少の勢力となりました。自民は294議席、公明は31議席を獲得し政権を奪還しました。

【話題】

総選挙をにらみ議員の離合や新党乱立など第3極の再編が加速し、選挙時には国政政党が12となりました。自公の圧勝、民主の大敗と並び、日本維新の会は54議席を獲得し、自民、民主に次ぐ第3の勢力に躍進。自民のキャッチフレーズは「日本を、取り戻す。」でした。

第47回衆議院議員総選挙（2014年12月14日）

自民党公式サイトより

【概要】
自民の安倍晋三首相は、消費税を8%に引き上げた後、10%への税率再引き上げを延期。経済政策の是非を国民に問うため「アベノミクス解散」し、総選挙となりました。その結果、自民は291議席、公明は35議席を獲得し、与党が議席数の3分の2を維持しました。

【話題】
民主は73議席と若干回復し、共産は安倍政権への批判票を追風に21議席を獲得。前回勢いを増した第3極では、維新はほぼ変わらず、次世代が19議席から2議席に大幅減。全体的に安倍政権への信任投票という見方が広まり、投票率は戦後最低の52.66%を記録。自民のキャッチフレーズは「景気回復、この道しかない。」でした。

こうして振り返ってみると、自民党による近年の「一強多弱」状態がよく分かります。また2006年の小泉内閣以降、自民、民主ともに約1年ごとに内閣が変わってきたのに対し、2012年総選挙以降は、安倍内閣が約3年の長期政権を維持しています。

かつて政権を担った民主党は、来夏の参院選をにらみ衆参両院で統一会派「民主・維新・無所属クラブ」の結成に合意しましたが、衆院統一会派の民主71人、維新21人の合計92人となっても、いまだ「他弱」の状態にかわりはありません。今後野党再編がどのように進むのか、自民に対抗する勢力がどのように結集されるのか、来年も政局から目が離せません。

選挙ドットコム編集部