先月に引き続き、全国各地で執行された11月中の地方選挙をまとめてみました。
11月の都道府県議会議員選挙から市町村議会議員選挙(補欠選挙も含む)まで合わせて、執行選挙総数は70件でした。そのうち、前回2011年度(一部2014年含む)の選挙と比べ、投票率がアップした選挙は以下の7件です。
その中から、いくつかピックアップしてみましょう。まず、亀岡市長選挙が前回から8.56ポイントのアップ。こちらは3期12年を務めた栗山正隆市長の引退を受けての、新人二人の対決でした。
米沢市長選挙は、8.96ポイントの上昇。現職と新人の一騎打ちで、現職が2000票あまりの差で落選。市の財政収支が14年度決算で3年連続実質赤字だったことも一因となり、市民は新しい風を求めたようです。
佐那河内村長選挙は、前回から8.17ポイントアップしました。広域ごみ処理施設建設計画をめぐり、推進派の原ひとし村長が辞職しての出直し選挙となりましたが、反対派の新人いわきよしじ氏が52票差で当選しました。
佐那河内村は徳島市の南、県内唯一の村で、人口は2500人程。村民あげてゴミの徹底分別を行った結果、ゴミ処理経費が 平成13年度約4,400万円から平成18年度約2,000万円にまで減少したという実績を持つ村です。(全国町村会の記事より)
ところが昨年10月、徳島東部地域環境施設整備推進協議会(2012年に7市町村で発足-徳島、小松島、勝浦、石井、松茂、北島、佐那河内)が、村内の民有林をごみ処理施設の建設候補地に内定したことが発覚し、住民、村議会ともに猛反発しました。計画の白紙撤回を求める署名が村人口の半数近く集まり、是非を問う住民投票の可能性も出る中、当時の原村長が今年9月に辞職を表明し、施設建設を争点とする「出直し村長選」が行われたというわけです。
原村長は、施設の安全性とともに施設受け入れの見返りとして村が得る18億円を全面に出して有用性を強調しましたが、反対派の元JA職員いわき氏は、村民不在の施設計画に憤りを感じた住民の支援を受け、環境面での不安があるとして計画の白紙撤回を訴えました。
当選が決まったいわき新村長は先月末、施設整備推進協議会において建設の白紙撤回を主張、正式に認められました。
もうひとつ話題となった選挙事情がありました。11月8日に執行された北海道の共和町議会議員選挙。現職議員が、経費節減を理由に、新人の立候補予定者に対して「選挙ポスターに顔写真を掲載しない」「選挙カー使用は午後6時まで」等を求めたということです。(朝日新聞より)公選法では、このような制限はありません。結果は、新人2名を含めての無投票当選でした。共和町では2009年の町長選挙、2011年の町議会議員選挙から、2期連続でどちらも無投票当選となっています。
次回12月分の「選挙まとめ」は、来年1月の中頃にお伝えする予定です。
選挙ドットコム編集部
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