任期満了に伴う岩手県知事選挙は本日8月20日告示され、立候補者は民主、維新、共産、社民、生活の党が応援する現職の達増拓也氏1人だったため、現職の無投票3選が確定しました。現在選挙中の盛岡市長選や、28日告示の県議選にも影響を与えるものと見られます。
知事選で無投票当選した現職の例は、2011年11月の高知県知事選、2013年1月の山形県知事選、同年4月の秋田県知事選があります。今回の岩手県知事選で4例目となり、岩手県では戦後の公選制導入後初めての無投票となりました。
達増氏は知事に初当選時、知事の多選の弊害を理由に「原則2期8年」の任期を公約していましたが、昨年11月、公約を撤回し3選を目指して無所属で出馬することを表明しました。
最近の同様の例では、7月の群馬県知事選で現職の大沢正明氏が初当選時の公約「2期8年まで」を撤回して立候補し3選を決め、8月の埼玉県知事選挙で現職の上田清司氏が「3期12年まで」と定めた多選自粛条例を破って立候補し4選を決めました。
昨日盛岡市で開かれた記者会見では、同席する達増氏を応援する5野党の党首が知事選での共闘をアピールし、安全保障関連法案を巡る対決姿勢も強調しました。
23日投開票となる盛岡市長選・市議選について、達増氏は「16日告示された盛岡市長選で特定候補の応援に回る可能性については『今は白紙の状態』と述べる一方『絶対しないと決めているわけではない』と含みも持たせた。」(*1)と報道されています。
盛岡市長選では現職の谷藤裕明氏に、民主、生活の推薦を受けた新人の内舘茂氏が挑む構図(*2)となっており、内館氏の街頭演説に民主の岡田克也代表が駆けつけるなど、政権批判を交えた激しい選挙戦となっています。
盛岡市での選挙、そして28日告示の県議選、さらには来夏の参院選と、果たして野党連合による共闘関係はこのまま続くのでしょうか。その一方で埼玉、岩手と自民系知事候補が振るわず、また安保法案を巡る逆風を受けながらも自民は今後の選挙戦を立て直すことができるのでしょうか。東北の選挙情勢からしばらく目が離せません。
(*1)達増知事、野党結集に期待感 盛岡市長選対応「白紙」(8月20日岩手日報)
(*2)知事選無投票でどうなる!?盛岡市長選・市議選のゆくえ(8月18日選挙ドットコム)
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