高校生の政治活動を制限・禁止した文部省(当時)の通知が、18歳選挙権導入に伴い緩和されるそうですが、実は子どもたちと選挙は、今までにも意外なところで関わっています。それが「明るい選挙啓発ポスターコンクール」です!
小学校や中学校では、様々な社会的課題について問題意識の啓発を目的としたポスターを描かせる授業がよくあります。各種ポスターコンクールは手軽で且つ全員参加させやすく、しかも社会的な意義もあるということで、教育現場では必須のイベントとなっているわけです。
みなさまも幼少の頃、このようなポスターコンクールで何か描かされたことがあるんじゃないでしょうか。ちなみに僕は「交通安全」と「金融」について描かされた思い出があります。うっ、頭が……!
さて、今回紹介する選挙カルチャーは「明るい選挙啓発ポスターコンクール」です。
毎年行われる伝統あるコンクールで今年でなんと67回目。全国の小学生から高校生まで選挙に関するポスターを投稿しているわけですが、その応募者総数たるや13万9682人!(平成26年度)
こんなに多くの子どもたちが選挙啓発に対してアクションを起こしていたなんて、五輪エンブレムの応募が18歳以上なら誰でもできるという話なみに、普通は知らないですよね。
そんな「明るい選挙啓発ポスターコンクール」の応募要項はウェブで公表されています。
今年はすでに締め切られてしまいましたが、本コンクールは「明るい選挙」を告知することが目的のイベントで「明るい選挙を呼びかけることを題材にしてもらえれば、表現内容は自由」で、問い合わせは「最寄りの選挙管理員会にお尋ねください」とのことでした。優秀賞などの認定は各県ごとに行っていますが、全体の運営は公益財団法人明るい選挙推進協会が担当しています。
しかも画材については「描画材料は自由(紙や布など、絵の具材料に限りません)」とのことですが、多くはポスカ(POSCA)で描いたものが多いようです。
各都道府県のホームページではコンクールの入賞作品も見れます。多くはサムネイルなので画像が小さくてよく見えませんが、なかなかの力作ぞろいです。ポスカを片手に泣きながら画用紙を塗りつぶした子供時代の思い出が蘇ってきますね。
それでは比較的ホームページを頑張っている埼玉県の選挙を例に見てみます。
明るい選挙啓発ポスターコンクール 埼玉県版
「明るい選挙」をストレートに表した小学生の作品や、「ナマけずに行こう! 未来のために」と希望にあふれるコメントとナマケモノのイラストを取り合わせたアイデア溢れる作品(潮タ帆南さん)、「待ち遠しい投票日」のコメントに学生服を着た二人が描かれる作品(奥田美月さん)は18歳未満にまで選挙権を拡大して欲しい! という願望の現れかもしれません。中学生、高校生の部になると画力もあがって工夫の凝らされた作品も増えてきます「一票も無駄にしないで選挙権」と川柳調の作品(渡辺さくらさん)、高層ビル群を背景に「その一票が国をつくる」の標語が見える作品(濱野恵斗さん)。涼やかな色使いで、公共事業への投資を呼びかけているのではないかと思われます。
高校生の部はカラーもアイデアも充実していて大変見応えがあります。「仕事も家事も大切だけど忘れないでね選挙」の標語で、洗濯に精を出す若奥さまとネクタイを結ぶ新婚らしき二人が可愛らしく描かれる作品(丹野歩佳さん)、「LET’S VOTE! IF YOU VOTE, YOU’RE SUPERHERO!」のアメコミ風の思い切った標語とイラストで、投票すると日本どころか地球を救えそうな作品(大木彩加さん)もかっこいいですね。
このように見てみると、学生が投票用紙を持っている作品が目立つように感じられます。来夏の参議院議員選挙から選挙権が18歳に引き下げられることも影響しているのでしょうか。過去作品を公開している自治体もあり、時代ごとの変遷を追ってみても面白いかと思いますよ。
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