選挙に魅了された元記者ホリエが、つまらない選挙の何が面白いのか、取材から得た小話を交えて語ります。

意外と楽しめる街頭演説

みなさんは政治家の「街頭演説」嫌いですか?選挙の前ばっかり現れるところがなんかいやらしいし、忙しい朝に日本の未来とか、興味無い政治成果とかアピールされても聞いてらんないし、名前ばっかり連呼されるのもうっとうしい。
当サイトで「下から選挙入門」を大人気連載中の小池みき氏も、連載2回目の街頭演説の取材で、「選挙演説というものがすこぶる苦手だ。やかましい、という感想しか抱いたことがない」と語っていました。
その気持ち、わからなくはありません。それでもわたし、街頭演説が好きなんです。
というわけで、元記者のホリエがなぜ街頭演説が好きになったのか、どこに注目して耳を傾けるとあのうるさい演説を楽しめるのか、をつれづれ語ってみたいと思います。

きっかけは「小泉劇場」

そもそも、わたしが政治に興味を持ったのは「小泉旋風」吹き荒れる高校時代。世間では、自民党総裁選で選ばれた小泉純一郎というおじさんが話題の的で、テレビをつければ、連日ワイドショーは小泉さんがああ言ったこう言ったと報道。たしかに小泉さんは、これまでの「お堅い政治家のおじさん」というイメージとは少し違って、白髪のライオンヘアーが好評で、エルビスプレスリーやXJAPANを歌ったり踊ったりする姿がお茶の間では人気のようでした。
2003年11月、2大政党を問う衆院選が行われ、小泉さん率いる自民党が勝利。同年12月、小泉さんがイラク派兵を閣議決定したとき、高校2年生だったわたしは「戦争に自衛隊が行くの?このおじさん危ないんじゃ?」と不信に思い、以来、頻繁に政治のニュースを見るようになりました。
でも、テレビを見ても「ワンフレーズ」ばっかり。厚生年金問題で小泉さんが「人生いろいろ、会社もいろいろ」と答弁するのを見て、なに言ってんだこのオヤジ、と思ったものの、その前後の答弁の過程が詳しく放映されないので、なんでそういう発言に至ったのかがいまいち理解できない。とはいえ、新聞だって、誰がどんな意図で書いてるのかわからないし、同じテーマなのに小泉さんを批判する記事があったり、支持している記事があったりして、メディアの角度によって記事の内容が変わることに、なんとなく騙されている気がして嫌でした。尾崎豊が大好きなセブンティーンとしては「大人なんて信じられないぜ」と自分の目で見たもの、耳で聞いたものしか受け入れられなかったわけです。
そんなわたしに大チャンスが訪れたのは、2005年の衆院選でした。小泉さんは、郵政民営化法案が本国会で不成立に至ると、「自民党をぶっ壊す!」と言い放ち、衆議院を解散。世論に「郵政民営化有りか、無しか」を問う選挙を始めました。郵政民営化に反対した自民党議員を党公認とせず、その選挙区に刺客を放つというシナリオに、マスコミも大盛り上がり。「小泉劇場」と呼ばれ、まるで、国全体でお祭り騒ぎをしているようにも見えました。

街頭演説に観覧チケットはいらない

小泉劇場の観覧には、チケットはいりません。小泉純一郎も、田中眞紀子も、菅直人も、志位和夫も、庶民が暮らすまちなかでタダで見れます。19歳のわたしは、芸能人を見るような感覚で、街頭に足を運ぶことにしました。
最初は、何時からどこで誰の演説があるのかわかりませんでした。とりあえず、ニュースでよく見かけたJR池袋駅前を目指しました。選挙カーやのぼりを探して、スタッフジャンパーを着ている人に話しかけると、誰が喋るのか教えてくれます。初めて遭遇したのは小池百合子でした。当時、小池さんいえば、連続3選していた自民党の小林興起の落下傘候補として、東京都第10選挙区に送り込まれた女性刺客です。わたしは「うわ〜、あずみだ!!」と大興奮。(当時の村上誠一郎行政改革担当相が「自民党の上戸彩」と発言。女忍者を扱った映画「あずみ」に主演していた上戸さんに例えていました。)演説をICレコーダーで録音しつつ、必死にノートに取りながら、デジカメで写真を押さえ、選挙ビラをもらって帰りました。

(続く)

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堀江昌史

1986年3月生まれ。ハードな仕事に内臓を侵され退職。現在は、半農半筆の暮らしを目指すべく琵琶湖のほとりで百姓修行中。

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