8月2日に行われた仙台市議会議員選挙は、定数55人に対して立候補者数66人。投票率は低下に歯止めをかけることはできず35.83%(前回2011年は40.03%)という結果に終わった。
結果を振り返ると、ニュースには自民には逆風、民主は全員当選、共産はトップ当選といったタイトルが並ぶ。民主党関係者の嬉しいさまがSNSにかいま見える。
仙台市議選:安保法案、自民に逆風 共産が初のトップ当選(毎日新聞)
仙台市議選(2日投開票、定数55)で自民党が最多の16議席を確保したものの2候補が落選し、共産党が大きく得票を伸ばしたことが永田町に波紋を広げている。安保関連法案の国会審議が影響しているとみられ、公明党からは「逆風になっている」との声が上がった。
2015年仙台市議会議員選挙結果(選挙ドットコム)
実際のところはどうなのか。まず、議席数の推移から見てみると。
| 政党 | 2011年 | 2015年 | 増減 |
| 自民党 | 12 | 16 | +4 |
| 公明党 | 7 | 7 | 0 |
| 民主党 | 7 | 9 | +2 |
| 共産党 | 5 | 5 | 0 |
| 社民党 | 5 | 5 | 0 |
| みんなの党 | 4 | 解党 | |
| 維新の党 | – | 1 | |
| 地域政党輝くまち | – | 1 |
議席数を見ると自民躍進、民主まあまあ、他は横並びとなるではないか。
では、なぜ「自民逆風」で「共産躍進」と報道されるのか。
自民党公認候補は前回、宮城野地区以外の4選挙区でのトップ当選だったが、今回は自民党のトップ当選はゼロ。その代わり、宮城野、若林、泉の3選挙区で共産党候補が当選、しかも全員女性。他の2選挙区でも太白選挙区では前回3位だった民主党の女性候補者が今回は1位となっている。つまり全5選挙区中、4選挙区で女性が1位となっているのだ。
「それならば女性が躍進したのだろう」と思いきや、議席数を比べてみると女性議員の議席数は前回13から増減無しとなっている。
自民党はトップが無くなったのに、全体の議席数は増え、共産党はトップが取れて投票率の低下にも関わらず得票数が上がったのに議席数は増減無し。公明党は前回・今回と全員当選で7議席確保した。
では、民主党はどうか。
まず昨年の落選者を政党別に見ると
無所属:7(現1、新6)
民主党:5(現3、新2)
自民党:2(元1、現1)
みんなの党:2(新2)
社民党:1(現1)
となっていて、立候補者の内訳は以下のようになるので、民主党は政権与党だったこともあり、調子こいてたくさん出したらたくさん落ちたということだった。
立候補者の内訳
自民党:14
公明党:8
民主党:12
共産党:7
社民党:6
みんなの党:6
無所属19
2011年仙台市議会議員選挙結果(選挙ドットコム)
同様に今回の落選者を見てみると
無所属:6(現1、新5)
自民党:2(元1、現1)
地域政党輝くまち:2(現2)
社民党:1(新1)
民主党はゼロとなっている。前回の反省に基づいて候補者数を絞った結果、落選者を出さずに議席も増やせたので、堅実な選挙ができたと言える。
立候補者の内訳は以下のとおり。
自民党:18
公明党:9
民主党:9
共産党:7
社民党:6
地域政党輝くまち :3
維新の党:1
無所属13
自民党は前回より4人候補者を増やし、議席も4議席増やせたので、逆風だと言われながらしっかり結果を出した。
「地域政党輝くまち」は、解党したみんなの党の議員が今年4月に結党したばかり。公式サイトも無く、動きも鈍かったために市民に浸透させる前に選挙となり、ひとりしか当選できなかった。
今回の仙台市議選を振り返ってみると、自民党はトップが無いものの4議席増、公明党は堅実に全員当選、民主党は候補者を絞って全員当選で2議席増、共産党は得票数が伸びて3選挙区でトップを取ったものの議席数は変化無し、となる。
議会選挙の本質は議席の取り合いなので、その点からすると今回の選挙で勝ったのは自民党となる。しかし、実際に支持を伸ばしたのは共産党であり、投票率は前回よりもさらに下がってとうとう30%台となってしまったので、結論付けるとすると「どの政党も一長一短。そしてより深刻な政治離れを産んでしまった」と言える。笑っている場合ではないということだ。
しかも、今回は選管の不祥事も複数あった。
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