さとう しゅういち ブログ
暗雲!マリホ跡地利用! 供給制約の時代に、広島の大型事業は何を問い直すべきか
2026/8/17
◆ 社説:暗雲!マリホ跡地利用! 供給制約の時代に、広島の大型事業は何を問い直すべきか
2024年12月に閉鎖されたマリホ跡地で計画されている「ひろしまモビリティワールド」が、当初予定の2027年春から2028年春へと開業延期となった。
理由は建設人手不足、資材調達難、中東情勢の影響など、世界的な供給ボトルネックの直撃である。しかし、この遅延は単なる外的要因ではない。
地元企業が水族館をはじめ長年にわたり地域を支えてきたにもかかわらず、借地権期限を理由に東京企業主導へと転換した県の判断が、結果として供給制約の荒波にさらされる形となった。
湯崎英彦前知事が選定した事業者の下で進められた再開発は、県政の「出口管理」の不十分さを露呈している。
湯崎氏は現在、東京で国会議員向け平和学習の講義などに尽力している。
その活動は評価されるべきだが、同時に、県政を離れた後も自身が進めた大型事業の「後始末」が残されていることは否めない。
被爆建物である陸軍被服支廠の保存工事も工期延長が報じられ、供給制約の象徴として受け止めるべき状況だ。
この構造的問題は、横田美香知事の下で進む新規大型事業にも連続する。
駅北の巨大病院再編、新アリーナ整備など、供給ボトルネックが顕在化している時期に、さらに大型事業を積み増すことはリスクが高い。
マリホ跡地の遅延は「他山の石」であり、同じ制約が市中心部の事業にも波及する可能性は高い。
広島ではしばしば「平和行政を推進する知事や市長を批判するのは何事か」という空気が生まれる。
しかし、平和行政と行政の透明性・説明責任は矛盾しない。むしろ不可欠である。
大型事業の意思決定が市民生活の改善につながらない構造こそが、人口流出を止められない最大の要因である。今こそ、広島は大型事業の進め方を根本から問い直すべきだ。
秋葉忠利元市長が行った「公共事業見直し委員会」は、市民参加と透明性を制度化した画期的な取り組みだった。
これを県市合同でアップデートし、供給制約の時代にふさわしい意思決定構造へと転換することが求められている。広島の未来は、行政だけがつくるものではない。
市民・県民がともに参加し、事業の妥当性を検証し、地域の持続可能性を共有することで初めて、人口流出を止め、都市の魅力を再構築できる。
供給ボトルネックの時代だからこそ、広島は「ともにつくる公共」を取り戻すべきである。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男