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 現場公務員不足と市町村財政の限界──避難所整備を「国家責任」に転換せよ

2026/8/2

 【社説】現場公務員不足と市町村財政の限界──避難所整備を「国家責任」に転換せよ

令和熊本大震災は、避難所の脆弱さという日本の構造的問題を再び突きつけた。
体育館に雑魚寝、冷房なし、発電機なし、プライバシーなし。
この状況は、先進国はもちろん、一部途上国よりも劣るとされる。なぜ日本の避難所はここまで遅れているのか。
その核心は、市町村任せの制度設計と、現場公務員不足にある。

◆ 現場公務員不足が避難所整備の遅れを生む避難所の整備・運営は、市町村の職員が担っている。
しかし、地方自治体の職員数はこの20年で大幅に減少した。
特に、消防・水道・建設・防災などの“現場系職種”は深刻な人員不足に陥っている。避難所の設備点検発電機の維持管理備蓄の更新避難所運営マニュアルの整備災害時の現場対応これらはすべて「人」が必要だ。
だが、現場公務員が足りない自治体では、避難所整備は後回しになる。結果として、
避難所の質は自治体の人員と財政力で決まるという不公平が生まれている。

◆ 市町村財政力の差が避難所の質を決めてしまう

避難所整備は市町村の予算で行われる。
国の補助は限定的で、冷暖房や発電設備は“努力目標”に過ぎない。
財政力の弱い自治体ほど、発電機がない
冷房がない
プライバシー確保ができない
備蓄が少ない
という状況に陥る。つまり、
避難所の質は「住んでいる自治体の財政力」で決まる。
これは国民保護の観点から見て、明らかに制度的欠陥である。

最近では一定程度国の補助もあり『モノ』の充実は進んではいるがいかんせんそれを回す現場公務員が足りない。

◆ 政治はこの構造を放置してきた

避難所の脆弱さは、阪神淡路大震災の頃から指摘されてきた。
しかし、政治はこの問題を「市町村の努力」で済ませてきた。国会で避難所整備を国家責任に引き上げる議論は、
一部野党を除き、ほとんど進まなかった。結果として、
避難所は昭和のまま、自治体任せのまま、現場公務員不足のまま
という状態が続いている。

◆ 現実的な解決策は「防災省の創設」と「都道府県職員の増員」
本紙が繰り返し指摘した通り、
現実的な解決策は次の二つしかない。
① 都道府県レベルの防災専門職員を増やす
市町村だけでは人員も予算も足りない。
都道府県が避難所整備・運営を直接支援する体制が必要だ。
② 国家公務員として防災庁をさらに“防災省”に格上げする

防衛省が軍事を担うように、
防災省が
避難所整備
備蓄
発電設備
災害対応
を国家インフラとして扱うべきだ。
避難所は、
防災インフラであり、国民保護インフラであり、国家安全保障インフラである。

◆ 結び──避難所は国家が整備すべき
「国民保護インフラ」避難所の脆弱さは、市町村任せの制度が生んだ構造的欠陥である。
現場公務員不足と財政力の差が、国民の生命を左右してはならない。避難所整備を国家責任に引き上げ、
都道府県と国が直接担う体制へ転換することこそ、
令和の災害国家に求められる新しい政治の役割である。

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著者

さとう しゅういち

さとう しゅういち

選挙 広島県議会議員選挙 (2023/04/09) 2,673 票
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広島市安佐南区選挙区

肩書 介護福祉士・元広島県庁職員・広島瀬戸内新聞社主
党派・会派 庶民革命ひろしま
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