さとう しゅういち ブログ
大国の侵略の被害者──イラン・ウクライナで衝突の恐れ 最大限の自制を
2026/7/27
大国の侵略の被害者──イラン・ウクライナで衝突の恐れ 最大限の自制を
カスピ海でイランの商船が攻撃され、死傷者が出た。
イランはウクライナを非難し、EUと国連安保理に「断固たる対応」を求めた。
ウクライナは「ロシアの軍事物資輸送への攻撃」と説明し、
ゼレンスキー大統領は「非常に大きな成果」と述べた。この一連の応酬は、
ロシアによるウクライナ侵略が、ついに中東情勢と接続し始めた
という危険な現実を示している。本来、イランもウクライナも、
大国の横暴に苦しんできた国である。
イランは長年、米国とイスラエルの圧力に晒され、
ウクライナはロシアの侵略に耐えている。
両国は本来、
「大国に殴られた国同士の連帯」
があってもおかしくない。しかし今、
その二国が互いに敵視しかねない局面に入った。
これは国際秩序にとって最悪の兆候である。戦線の拡大は、弱い国同士の分断を生むウクライナがロシアの補給線を追撃するのは理解できる。
だが、攻撃がイラン領域に及べば、
イランは「自国の主権が侵害された」と受け止める。
その結果、
中東の武装勢力──フーシ派、ヒズボラ、シリア政府──が
ウクライナに敵対的に動く可能性が出てくる。これは、
弱い国同士が互いに傷つけ合い、
大国だけが得をする構図
である。国際社会は、この悪循環を止めなければならない。イランの怒りは軽くないイラン外務省は死者が出たと明言EUと国連安保理に対応を要求ウクライナ臨時代理大使を呼び出し抗議これは単なる外交儀礼ではない。
国家の威信を傷つけられた時の反応である。イランは中東で広範なネットワークを持つ。
そのネットワークがウクライナに敵対的になれば、
戦線はさらに複雑化する。最大限の自制を求めるイランもウクライナも、
大国の侵略や圧力に苦しんできた国である。
互いに敵視することは、本来必要ない。
むしろ、
「大国の横暴に抗するための連帯」
こそが必要である。今回の事案は、
その可能性を壊し、
弱い国同士の分断を生む危険な端緒となりかねない。国際社会は、
報復の連鎖を断ち、
戦線の拡大を防ぎ、
最大限の自制を求めるべきだ。結語──弱い国同士が争えば、大国だけが得をするイランとウクライナは、
本来なら互いに理解し合える立場にある。
大国の侵略の被害者同士が衝突すれば、
得をするのは大国だけである。今必要なのは、
怒りではなく自制である。
戦線の拡大を防ぎ、
弱い国同士が再び連帯できる余地を残すことだ。国際社会は、この危険な局面を
決して軽視してはならない。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男