さとう しゅういち ブログ
社説 ――民営化の看板を捨てよ〜公共サービスをコントに堕とす政治を、いまこそ総括せよ〜
2026/6/28
🟥 社説 ――民営化の看板を捨てよ〜公共サービスをコントに堕とす政治を、いまこそ総括せよ〜
郵便は民営化されたはずである。
ところが、採算が成り立たず、国庫補助に頼る制度が成立した。これである。
民営化の理念を掲げながら、実態は公的資金で支える。政治はこの矛盾を、いつまで国民に強いるつもりなのか。 同じ構図は、地方交通でも繰り返されている。
市営バスを「民営化すれば効率化する」と言って民間委託した。だが、採算が取れず民間事業者は撤退し、自治体が再び運行する。事実上の再公営化である。
民営化の看板だけが残り、現場は疲弊し、住民は振り回される。これを改革と呼ぶのは、国民に対する欺瞞である。
極めつけはライドシェアだ。
「民間の新サービス」として導入したはずが、地方では担い手がいない。
その結果、市役所職員が許可を得て運行するという、ほとんど市営タクシーのような事態が生まれている。
民営化どころか、公務員が運転する“公営ライドシェア”である。
政策がここまで自家撞着に陥れば、もはや行政のコントと言うほかない。吉本新喜劇の演目ではないのだ。
なぜ、こんな茶番が繰り返されるのか。
理由は単純である。
公共サービスは採算が取れない。
しかし政治は「公営化」と言えば財政負担の批判を恐れ、「民営化」と言えば改革を演出できる。
その結果、民営化の看板を掲げつつ、実態は公が支えるという矛盾した制度が積み上がる。
現場は混乱し、国民生活は不安定化する。責任を取るべき政治は、看板の維持に逃げ続けている。 ならば、答えは明白である。
正々堂々と、公でやるべきものは、公でやればよい。 郵便、交通、行政サービスを統合し、地域の生活インフラとして再編する。
建物や設備は公が持ち、運営は郵便局・交通事業者・行政が契約で担う上下分離方式を導入する。
これは欧州では常識であり、日本だけが避け続けてきた“本筋”である。 財源はどうするか。
答えはすでにある。
年間数兆円規模に膨らんだガソリン補助金を廃止し、その一部を「地域インフラ基金」に振り向ければよい。
さらに、宿泊税を地域交通・郵便・行政拠点の整備に充てることも妥当である。観光客も地域インフラの恩恵を受ける以上、負担の一部を求めるのは筋が通る。 政治は、民営化の失敗を認めたがらない。
しかし、国民生活を守るために必要なのは、看板の維持ではなく、現実を直視する勇気である。
郵便も交通も行政も、もはや“民間任せ”では維持できない。
ならば、国家が責任を持つしかないではないか。 公共サービスをコントに堕とす政治を終わらせよ。
公でやるべきものは、公でやる。
この当たり前の原則に立ち返ることこそ、国のかたちを立て直す第一歩である。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男