さとう しゅういち ブログ
イランでの米国、ウクライナでのロシア「惨敗」を直視せよ ー--日本も安全保障戦略の大転換を
2026/6/23
イランでの米国、ウクライナでのロシア「惨敗」を直視せよ
ー--安全保障戦略の大転換を
世界の軍事地図が、音を立てて崩れつつある。
イランによる米軍基地への飽和攻撃、ウクライナによるロシア本土深部への攻撃。
いずれも、20世紀型の大国軍事力が、21世紀の非対称戦に対して脆弱であることを露呈した。
米国もロシアも、もはや“絶対的軍事優位”を誇れない。
この現実を直視せず、旧来の安全保障論にしがみつく国家は、例外なく時代に取り残される。
◆1. 大国の軍事神話は崩れた
イランの安価なドローンと巡航ミサイルの飽和攻撃は、米軍の防空網を突破した。
ウクライナは、無人艇と長距離ミサイルで黒海艦隊を後退させ、ついにはモスクワ近郊にまで攻撃を届かせた。
ここにあるのは、
「重厚長大」対「安価・分散」
という構図の逆転である。
中国も、この衝撃を最も深く受けているはずだ。
米国の苦戦を表向きは歓迎しつつも、同じ脆弱性を抱える自国の軍事体系に冷汗を禁じ得まい。
◆2. 日本の米軍基地は“守り”ではなく“攻撃の呼び水”となる危険
日本の安全保障論の最大の欠陥は、米軍基地を“守ってくれる存在”と盲信してきた点にある。
米軍基地は攻撃対象になりやすい
日本の防空は米軍基地防護を前提としていない
自衛隊の反撃能力は飽和攻撃に対して無力に近い
このままでは、
基地があるから守られるのではなく、基地があるから攻撃される
という逆説が現実となる。
現政権が自衛隊を“米軍の下請け”のように扱う姿勢は、国家の独立性を損ない、国民の安全を危うくする。
◆3. 必要なのは“攻撃力”ではなく“安価で分散型の防空力”
PAC-3やSM-3といった高価な迎撃ミサイルを積み増しても、イラン型飽和攻撃には耐えられない。
求められるのは、むしろ次のような新しい防空体系である。
安価な迎撃ドローン群
電子戦(ジャミング)
レーザー迎撃
分散型レーダー網
これらは、コスト効率と実効性の両面で、従来の防衛体系を凌駕する。
日本は、旧来の“高価な兵器体系”への執着を捨てねばならない。
◆4. 気候変動という“静かなる安全保障危機”
軍事だけが安全保障ではない。
むしろ、気候変動の脅威は、ミサイルより確実に国民の生命を奪う。
台風の巨大化・複数同時発生
豪雨の激甚化
熱波とインフラ障害
食料供給の不安定化
これらは、国家の根幹を揺るがす“新しい戦争”である。
防災・環境対策を安全保障の中心に据えることは、もはや理想論ではなく国家の義務である。
◆5. 自衛隊を“国民防衛隊”へ再設計せよ
自衛隊を政権の私兵のように扱う時代は終わった。
必要なのは、
団結権を保障し、人権を持つ公務員組織としての再設計
である。
世界の先進国では、軍人の権利保障はむしろ軍の中立性を高めている。
日本も、
「市民が市民を守る」国民防衛隊
へと転換すべきである。
その任務は、軍事よりもむしろ
防災
インフラ復旧
国民保護
サイバー防衛
国際災害協力
といった“生活を守る力”に重点を置くべきだ。
◆6. 呉日鐵跡地は“未来の安全保障”の拠点に
軍事基地ではなく、
防災・環境・テクノロジー・国際貢献の中核拠点
として再開発すべきである。
防災科学アカデミー
再エネ・水素・蓄電池の実証フィールド
国際災害協力センター
ドローン防災・防空技術の開発拠点
広島が主導する「平和首長会議」は、世界8000以上の自治体が参加し、イランは日本以外で最多の1000以上を占める。
国家外交が硬直する時代に、都市外交こそが日本の新たな生命線となる。
◆結語
イランでの米国の苦戦、ウクライナでのロシアの苦境。
この二つの“惨敗”は、
20世紀型の軍事力では、21世紀の安全保障を守れない
という厳然たる事実を示した。
日本は、
安価で分散型の防空
気候変動への備え
市民が市民を守る国民防衛隊
都市外交による国際協力
へと舵を切らねばならない。
広島と呉は、その最前線に立つ歴史的使命を帯びている。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男