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ドイツ落選が示す国際秩序の転換― グローバルサウスの台頭と、日本が採るべき“多層外交” ―

2026/6/10

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広島瀬戸内新聞 特集記事**ドイツ落選が示す国際秩序の転換― グローバルサウスの台頭と、日本が採るべき“多層外交” ―


国連安全保障理事会の非常任理事国選挙で、欧州の大国ドイツが落選した。
背景には、ガザ情勢をめぐるイスラエル寄り姿勢への反発、ロシアの反独キャンペーン、そしてドイツ自身の“道徳外交”の矛盾がある。
しかし、この出来事は単なるドイツの失敗ではない。
国際政治の重心が欧米からグローバルサウスへ移る中、日本が今後の外交をどう構築すべきかを考える重要な材料である。
■ ドイツ落選の衝撃とその背景
今回の選挙結果は以下の通りである。ポルトガル:134票オーストリア:131票ドイツ:104票EU最大の経済大国が、西欧枠で3位に沈むという異例の事態となった。
● イスラエル寄り姿勢への反発
ドイツは歴史的経緯からイスラエルを強く擁護してきた。
しかしガザ情勢では、グローバルサウス諸国の多くがイスラエルの軍事行動に批判的であり、
「ドイツを支持したくない」という空気が広がった。
● ロシアの反独キャンペーン
ロシアはドイツの対ロ制裁に反発し、反独ロビー活動を展開したとされる。
ただし、これが効果を持ったのは、
ドイツ自身の“ダブスタ”が既に国際社会に認識されていたためである。
● 道徳外交の破綻
ドイツは戦後「倫理・人権・国際法」を重視する道徳外交を掲げてきた。
しかし、ロシアには厳しい制裁イスラエルには極端に寛容
という矛盾が露呈し、
「偽善」「選択的な道徳」との批判が噴出した。
■ グローバルサウスの台頭と“反欧米”の潮流今回の落選劇は、国際政治の構造変化を象徴している。
● 途上国はもはや“周縁”ではない
G77を中心に、アジア・アフリカ・中南米は国連総会で強い影響力を持つようになった。
中国・インドの台頭もあり、
欧米中心の国際秩序に対する対抗軸が形成されている。
● 欧州中心の価値観への反発
気候政策人権外交経済規制
これらが“上から目線”と受け取られ、途上国の反発を招いている。ドイツはその矛盾の最前線に立たされ、今回の結果を招いた。
■ 日本が他山の石とすべき四つの教訓
① 外交の一貫性がなければ信頼を失う
日本もロシア制裁
イスラエル対応
ミャンマー軍政
中国の人権問題
などで一貫性を欠く場面がある。原則か国益か、どちらを優先するのかを明確にしなければならない。
② グローバルサウス外交を軽視すれば国連で孤立する
日本はG7の一員でありながら、アジア・アフリカとの関係は十分とは言えない。
国連安保理改革を目指すなら、
途上国の信頼を得ることが絶対条件である。
③ 歴史問題は外交の“弱点”にも“資産”にもなるドイツがイスラエル問題で苦しんだように、
日本もアジアの歴史問題が外交の足かせになり得る。しかし、丁寧な歴史対話を積み重ねれば、
アジアの信頼を得る外交資産にもなる。
④ 欧米の価値観をそのまま輸入してはならない
気候政策、人権外交、経済安全保障など、
欧米の基準をアジアに押し付けると反発を招く。日本政府は
「欧米の代理人」ではなく「アジアの代表」
として振る舞うべきである。
■ 日本が採るべき“多層外交”
ここで重要になるのが、「政府が出過ぎず、自治体・NGO・市民が横で支える外交」
という発想である。これは、ドイツがつまずいた“国家による道徳外交”の限界を補う、日本型の現実的なモデルである。
■ 自治体・NGO・市民が支える日本型外交モデル
● 自治体外交:広島市・長崎市が核兵器禁止条約で果たしている役割が典型例。
国家が署名できなくても、
**都市ネットワーク(平和首長会議)**が世界8000都市以上を巻き込んでいる。
● NGO:原則を語れる主体政府が言えない人権問題も、NGOは国益に縛られずに発信できる。
● 市民ネットワーク:国境を越える信頼を作るアジアの市民社会は今、気候労働医療教育
などで横の連携を強めている。
日本の市民社会がここに入ることは、
日本の国際的信頼を底上げする効果がある。
■ 広島は「多層外交」の中心になれる
広島は、被爆地としての道徳的正統性
国際会議の開催実績
NGO・市民運動の蓄積
アジアとの地理的・歴史的つながり
これらを兼ね備えた、日本で最も“自治体外交”に適した都市である。広島が核軍縮人権平和構築医療・防災協力
の分野でアジアと連携すれば、
日本外交全体の信頼を支える“横の柱”になり得る。
■ 結語:政府が出過ぎない外交こそ、日本の強みになる
ドイツの落選は、
「国家が道徳を掲げすぎると、国際社会の反発を招く」
という教訓を示した。日本は同じ道を歩む必要はない。むしろ、
自治体
NGO
市民社会
大学
企業
これらが横につながることで、
しなやかで多層的な日本外交を構築できる。そしてその中心に立てるのは、
広島以外にない。

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著者

さとう しゅういち

さとう しゅういち

選挙 広島県議会議員選挙 (2023/04/09) 2,673 票
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広島市安佐南区選挙区

肩書 介護福祉士・元広島県庁職員・広島瀬戸内新聞社主
党派・会派 庶民革命ひろしま
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