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トマホーク配備は抑止ではなく「標的化」を招く危険性 「イラン型」攻撃の現実

2026/5/27

トマホークは抑止ではなく標的化招く恐れ イラン型攻撃の教訓 https://youtube.com/shorts/U01bzMhGHSQ?si=IsyvBDxTtXtcJjPG @YouTubeより
トマホーク配備は抑止ではなく「標的化」を招く危険性 「イラン型」攻撃の現実
日本政府は、反撃能力の中核としてトマホーク巡航ミサイルの導入を進めている。目的は「相手のミサイル基地を叩くことで抑止力を高める」というものだ。しかし、この前提は現代の戦争様式と乖離しつつある。特にイランが米軍湾岸基地に対して行った飽和攻撃は、固定化された基地や兵器が“標的化される側”に回る危険性を示した。
イラン型の攻撃は、発射地点が分散し、移動式発射機や小規模なドローン拠点が広範囲に点在する。攻撃は「どこから来るか分からない」ことを前提に設計されており、従来の“基地を叩けば止まる”という発想は通用しない。反撃能力の効果が限定されるだけでなく、反撃能力を持つ側の基地が真っ先に攻撃対象となる。
この構造は、日本国内のトマホーク配備にもそのまま当てはまる。住宅地に近い自衛隊基地に長射程ミサイルを置けば、周辺住民にとっては「攻撃される理由」が増えるだけになりかねない。抑止力を高めるどころか、地域のリスクを増大させる逆説が生まれる。
米軍基地も同様である。米軍は世界最強の攻撃能力を持つが、防空は必ずしも得意ではない。イラン攻撃でも、米軍は飽和攻撃を完全には防ぎきれず、弾薬消費は異常な速度で進んだ。米軍が「殴る専門」である以上、基地周辺の住民は攻撃の巻き添えになる危険を常に抱える。
さらに、トマホークの納入遅延が示したように、米軍は自軍の補充を優先し、同盟国への供給を後回しにする。日本が代金を支払っても、必要な時に兵器が手元にない可能性がある。抑止力の中核として期待した兵器が、地域の安全をむしろ脅かすという矛盾が浮き彫りになっている。
安全保障とは、兵器を増やすことではなく、住民の安全を確保することである。トマホーク配備が地域の危険を増すのであれば、その政策は再考されるべきだ。日本が追求すべきは、攻撃されない環境をつくる外交、安価で大量配備可能な防空手段、そして住民を危険に晒さない分散型の防衛構造である。
抑止力の名の下に、住民が新たなリスクを背負うことがあってはならない。現実の戦争の姿に即した安全保障の再構築が求められている。

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さとう しゅういち

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肩書 介護福祉士・元広島県庁職員・広島瀬戸内新聞社主
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