さとう しゅういち ブログ
岡山で露呈した“PFASの構造”──広島もまた、同じ問いを突きつけられている
2026/4/24
岡山で露呈した“PFASの構造”──広島もまた、同じ問いを突きつけられている https://www.youtube.com/live/dBbczFu
岡山県吉備中央町で、浄水場から国の暫定目標値の約28倍ものPFASが検出された。原因とされたのは、使用済み活性炭を再生する地元企業・満栄工業。同社は町から原状回復費用を求められたが、活性炭は仲介業者を通じてダイキン工業から渡されたものだと主張し、費用の“応分負担”を求めて公害調停を申し立てた。
一方、ダイキン工業は「再生処理を委託した事実は確認できない」「活性炭は焼却処分している」と関与を否定する。PFASをめぐる企業間の公害調停は全国初であり、今回の調停は、単なる一企業の責任論にとどまらず、日本のPFAS対策の構造的欠陥を浮き彫りにしている。
◆ 1 “活性炭の行方”というブラックボックス
PFAS除去に使われた活性炭は、どこで、誰が、どのように処理しているのか。
このルートは全国的に不透明だ。吉備中央町では、未再生の活性炭が取水源上流の山中にフレコンバッグで保管されていた。
広島でも、浄水場の活性炭処理ルートは十分に公開されていない。
「どこで処理され、どんな管理が行われているのか」
この問いは、岡山だけの問題ではない。
◆ 2 行政が“大企業”に踏み込めない構造
今回、町がまず費用請求したのは地元企業であり、元の排出源とされる大企業との責任関係は曖昧なままだ。
広島でも、産廃・化学物質問題で、行政が大規模事業者に踏み込めず、小規模事業者ばかりが処分される非対称性が繰り返されてきた。
PFASは、まさにその構造を照らし出す鏡である。
◆ 3 PFASは県境を越える
吉備高原は広域の水源地帯であり、汚染は県境を越えて広がり得る。
広島の黒瀬川流域、三原本郷、安佐南区のPFAS問題と同じく、「水源地の脆弱性」が露呈している。
◆ 結語──広島は“隣県の教訓”を自らの鏡に
今回の調停は、
「PFASの責任はどこにあるのか」
という日本社会全体の問いである。
広島は被爆地として、化学物質のリスクに対して特別の感受性を持つ地域だ。
隣県で起きたこの事件を、単なる“他所の問題”として片付けてはならない。
活性炭処理ルートの透明化、行政の説明責任、そして大企業を含む責任構造の明確化。
広島が率先してこの議論を進めることこそ、未来の水と命を守る道である。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男