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医療的ケア児のご家族を支える「レスパイト入院」が拡充|兵庫県議会議員 こしだ浩矢(神戸市長田区)

2026/8/17

県立こども病院が加わり、県内3床体制へ

日常的にたんの吸引や人工呼吸器の管理などが必要な「医療的ケア児」と、24時間体制で看護を続けるご家族を支えるため、兵庫県内で新たな取り組みが始まっています。

2026年7月15日より、兵庫県立こども病院(神戸市中央区)において、医療的ケア児を対象とした「レスパイト入院(短期入院)」の受け入れが開始されました。

ご家族の休息やリフレッシュのほか、冠婚葬祭やご家族の体調不良などで一時的に在宅でのケアが難しくなった際の受け皿としても期待されています。

兵庫県立こども病院

1.レスパイト病床が2床から「3床」へ拡充

「レスパイト(respite)」とは、「休息」や「息抜き」を意味します。
医療的ケア児を在宅で介護するご家族にとって、日々のケアは大きな負担となります。

レスパイト入院は、ご家族が一時的に介護から離れて休息を取る機会を確保するとともに、冠婚葬祭などで一時的に在宅ケアが難しくなった際にも利用できる仕組みです。

兵庫県ではこれまで、

  •  済生会兵庫県病院(神戸市北区):1床
  •  播磨圏域の3病院(姫路赤十字病院・兵庫あおの病院・加古川中央市民病院):輪番制による1床

計2床を確保してきました。

今回、ここに高度な医療的管理が可能な兵庫県立こども病院の1床が新たに加わり、県が通年で確保するレスパイトの病床は、2床から3床へと拡充されました。

県立こども病院では、24時間の高度な医療的管理が可能で、人工呼吸器を装着している医療的ケア児を中心に、幅広く受け入れる予定とされています。

2.県立こども病院での受け入れ概要

県立こども病院でのレスパイト入院の概要は、次のとおりです。

  •  対象:県内在住の15歳未満で、人工呼吸器を装着するなど高度な医療的管理が必要な方
  •  利用期間:1回あたり最大6泊7日
  •  利用回数:年間最大4回
  •  利用方法:原則として、かかりつけ医を通じて事前診察を申し込み、受診後に入院日程を調整

レスパイト入院は、単に「預かってもらう」ための仕組みではありません。

高度な医療的管理が必要なお子さんを安心して受け入れるため、医療機関側にも専門的な知識や経験が求められます。そのため、利用にあたっては対象となる医療的ケアや年齢、利用期間などの条件を事前に確認することが重要です。

3.当事者の声と、利用しやすさへの前進

私自身、以前、地元で医療的ケアが必要なお子さんを育てているお母様から、

「自分が病気になったらどうしよう」
「休息を取りたいと思っても、預け先が見つからない」

といった切実なご相談を受けた経験があります。

医療的ケア児を育てるご家族にとって、「少し休みたい」という願いは、決してぜいたくなものではありません。
毎日のたんの吸引や医療機器の管理など、命を守るケアを続けていくためにも、ご家族自身が休息を取れる環境は欠かせません。
当時はレスパイト入院の受け皿が限られており、利用したい日の予約が取れない、対象条件が合わないといった大きな壁がありました。

今回、播磨圏域の輪番体制に加え、高度な医療的管理が可能な県立こども病院が加わり、県内3床体制となったことは、ご家族にとって選択肢が広がる一歩前進だと感じています。

4.残された課題と今後の拡充に向けて

一方で、現状で十分とは言えません。

神戸新聞の7月8日の報道によると、兵庫県内には約1,100人の医療的ケア児がいます。既存のレスパイト2床の稼働率は50%弱とされていますが、きょうだいの学校行事への参加などで希望日が重なり、利用できなかったケースもあり、潜在的な需要は大きいとされています。

つまり、単純に病床の稼働率だけを見るのではなく、「必要な日に利用できるか」という視点が重要です。

また、

  • 各病院によって、受け入れ可能な医療的ケアや対象者、利用期間などが異なること
  • 人工呼吸器など高度な医療的管理が必要な場合、対応できる医療機関が限られること
  • 送迎や緊急時対応を含め、地域によって利用しやすさに差があること
  • 受け入れ側となる医療機関で、経験豊富な看護師などの人材を確保する必要があること

など、解決すべき課題は多く残されています。

特に、医療的ケア児とご家族が住んでいる地域によって「利用できる・できない」の差が生じないよう、地域全体で受け入れ体制を整えていくことが重要です。

5.「安心して休める」環境を、さらに広げるために

兵庫県は、今回の県立こども病院での運用状況やアンケート調査などを通じてニーズを把握し、さらなる拡大も含めて検討していく方針を示しています。

今回の県立こども病院の参入による「3床体制」は、ゴールではありません。

在宅で医療的ケアを担うご家族が、

「自分が倒れたらどうしよう」

と一人で抱え込むことなく、必要なときには安心して子どもを託し、自分自身も休むことができる。

そんな環境を、兵庫県内のどの地域でも少しずつ広げていくことが大切です。

現場で実際にどのような困りごとが生じているのか、ご家族が何を必要としているのかを丁寧に伺いながら、受け入れ枠のさらなる拡大と、地域の医療機関・福祉関係者が連携した支援体制の強化に取り組んでまいります。

 

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