2026/6/13
6月定例県議会で議論された「知事の給与カット(減額)条例案」について、県議会公明党として「継続審議(今すぐには結論を出さず、さらに審議を続けること)」という判断をいたしました。本会議の採決においては、自民党と公明党の賛成多数で「継続審議」となりました。
この問題について、ニュース等でご存じない方にもご理解いただけるよう、私たちがこの結論に至った理由をご説明いたします。

ことの発端は、県の重要な情報が外部に漏えいしてしまったという問題です。
今回漏えいした情報とは、元県民局長が使っていた公用のパソコンから見つかった「公務とはまったく関係のない、極めてプライベートな情報(私的情報)」のことです。この私的な情報が、紙に印刷されるなどして元総務部長から県議会議員らに漏らされていました。
県の幹部から情報漏えいが行われていた事態を受け、組織のトップとしての責任を明確にするため、「知事の給与を減額する」という議案が提出されたのです。
「給与をカットして責任を取るなら、それで良いのではないか?」と思われるかもしれません。しかし、私たちは現段階でこの案に対して、安易に最終的な判断を下すべきではないと考えています。
議会がこれまで結論を出さず、審議を重ねてきた最大の理由は、「漏えいの指示が本当にあったのか、なかったのか」という核心部分の事実関係が、まだ完全に解明されていないからです。この漏えいを実行した前総務部長は「知事や元副知事の指示でやった」と主張していますが、知事は「指示していない」と真っ向から否定しています。
では、なぜ調査を行った第三者委員会は、報告書の中で「知事の指示のもとで行われた可能性が高い」と指摘したのでしょうか?
その最大の理由は、「複数の関係者の証言が一致しており、知事の言い分だけが異なっているから」です。
具体的には、調査で次のようなことが分かっています。
第三者委員会は、これら3人の関係者の証言が時期や内容においてほぼ一致しているため「信用できる」と評価しました。逆に、これらと噛み合わない知事の主張については「不自然であり採用困難」と判断したのです。

このように、第三者委員会の報告書は関係者の証言を根拠に「知事の指示の可能性が高い」と結論づけています。しかし、知事自身は現在も一貫してこれを否定しており、両者の間には依然として大きな食い違いが存在しています。
私たち公明党は、第三者委員会の報告と知事の主張、どちらが正しいかを現時点で断定する立場にはありません。あくまでフラットな立場から、この事案を見つめています。
だからこそ、事実関係にこれほど大きな食い違いが残ったままであるからこそ、知事自身の口から、県民の皆様が納得できるような「丁寧な説明」を尽くしていただく必要があると、私たちは強く求めているのです。
この情報漏えい事件は、地方公務員法(守秘義務違反)で刑事告発され、捜査がおこなわれていました。そして今年の3月26日、刑事告発に対する検察の判断は、「嫌疑不十分」で「不起訴」でした。「嫌疑不十分」、つまり「裁判にかけるための証拠が十分ではなかった」という法的な判断に過ぎません。決して「疑いが全くなかった」「政治的・道義的な責任がなくなった」という意味ではないのです。
知事はこれまで、「刑事告発されているから」という理由で詳しい説明を控えてきました。しかし、不起訴となった以降も「指示はしていない」と言うだけで、知事からの十分な説明は尽くされておらず、前総務部長との言い分の食い違いも解消されていません。
私たちが知りたいのは、「県政の根幹に関わる重大な情報漏えいがなぜ起きたのか」「誰が本当の責任を負い、どのように信頼を回復していくのか」ということです。本当の原因がしっかりと解明されなければ、二度と同じことを起こさないための確実な「再発防止策」を講じることも困難です。
私たち公明党は、知事が責任をとること自体を否定しているわけではありません。
しかし、事実関係がしっかりと解明されておらず、知事からの説明責任も果たされていない現在の状況において、単に組織のトップとしての「管理責任」だけを対象にして給与を減額を行うことには賛同できないと考えます。
だからこそ、私たちは引き続き知事に対する事実関係の解明と、県民の皆様への誠実な説明を求め、「継続審議」を主張いたしました。
齊藤知事は、本会議終了時の挨拶で給与カット条例が「継続審議」となったことに関して、議会に対して「引き続きご審議の上、適切にご議決いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。」と述べました。
知事には、継続審議になっている理由を理解していただき、議会に審議を求めるだけではなく、知事自身が提案している給与カット条例議案について、議会の賛同を得るため説明責任を尽くすことを強く求めたいと考えます。
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コシダ ヒロヤ/57歳/男
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